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食の回復が人間性の回復への道

1999年10月03日(日)


日時  1999年10月3日 (日)9:00~13:00
講師  横浜市開業 加藤 武彦先生
演題  介護において口から食べることの重要性
会場  都ホテル
対象  医師、歯科医師、スタッフ、保健福祉関係者
主催  石川県保険医協会歯科部

 10月3日(日)午前9時から午後1時まで都ホテル「飛翔の間」おいて訪問歯科講演会「介護において口から食べることの重要性」を開催した。講師には横浜市開業の加藤武彦先生をお招きした。会場には歯科医師、歯科衛生士はもちろん医師、看護・介護に携わる看護婦、保健婦、ヘルパ-やリハビリ職の方々など約80名が集まり、関心の高さが伺えた。
 10月より介護保険の認定作業が始まり、来年4月からいよいよ介護保険が始まる。介護の現場では「口から食べたい、食べさせたい」と言う患者さんとその家族の強いニ-ズに直面している。というのは、口から食べることにより全身の回復が目を見張るほど著しく、要介護者が元気になることを、医療、看護、介護職の方々が実体験として持つようになり、その手段として、歯科からのアプロ-チの必要性がいろいろなところから求められるようになってきている。障害を持って家庭や施設で介護を受けている方の在宅往診が必要な時期に来ている。医師、保健婦、訪問看護婦などの多職種による連携と認知症や介護技術を勉強して築く信頼関係が重要である。 
 これまで歯科医師は、いかに無痛治療をするか、どうしたら歯が残せるか、いかによい義歯を入れるかを目標にしてきた。義歯を作るだけで、食べられるか確認をしてこなかった。 食べるところまで診て帰る生活支援の在宅往診が見落としていた食の重要性を気づかせてくれた。口から食べられるようになったときのあの目の輝きは医療人としての心の原点ではないだろうか。あの体験を確実に広めて、また多職種の人に口腔ケアの重要性を訴えていきたい。「口から食べる」と言うことを満足させるためには、歯科治療と、汚れた口腔に対する口腔清掃、そして口腔周囲の機能低下に対する口腔周囲のリハビリテ-ションという3本柱が必要である。
 12時頃から1時過ぎまで口から食べるためにいろんな職種の人たちがどう取り組んでいくかのかディスカッションが始まった。多職種から口から食べるための現場の悩みや歯科への要望をぶつけてきて、おおいに議論になり、ネットワ-クを作る重要性をひしひしと感じた。
 医師、看護・介護に携わる看護婦、保健婦、ヘルパ-やリハビリ職の方々とともに協力しあい、互いに「教わる心」を持ちながら、プロとしての自覚を忘れずに、食の回復が人間性の回復への道になることを目指していきたい。

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