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戸原 玄先生の特別講演「摂食・嚥下の評価と訓練の実際」

2012年02月04日(土)


 2月4日土曜日、朝起きると30㎝ほど雪が積もっていた。スタッフと一緒に駐車場の除雪、融雪の井戸水も全開にした。次第に天気が良くなったので、午後から七尾美術館へ向かった。能登海浜道では海からの横風に耐えてハンドルをしっかり握りデリカを走らせた。会場のアートホールはほぼ満員だった。
地域医療セミナー
【日 時】平成24 年2 月4 日(土)13:30~16:20
【場 所】石川県七尾美術館 アートホール
Ⅰ.報告会 13:50~14:50
 座長:公立能登総合病院 副院長 橋本 正明 先生
 テーマ: 能登地域の胃瘻造設状況の概略
    各地域病院の状況と今後の問題点
   (総合討論)
Ⅱ.特別講演 15:00~16:20
 座長:公立能登総合病院 歯科口腔外科 医長 長谷 剛志 先生
 「摂食・嚥下の評価と訓練の実際」
 講師:日本大学 歯学部 摂食機能療法学講座 准教授
    戸原 玄 先生
共催:公立能登総合病院 地域医療支援センター
   能登NST 研究会
   七尾市医師会
   七尾歯科医師会
   株式会社大塚製薬工場
   イーエヌ大塚製薬株式会社
メモ
Ⅰ.報告会
 能都地区それぞれの病院の胃瘻造設状況やその後の状況説明とそれに対する活発な討論が行われた
市立輪島病院 栄養サポート室 専従主任看護師 中村悦子
 ・誤嚥性肺炎が多い理由   口腔内を最初にチェック
 ・栄養サポートの一次スクリーニング  口腔機能を一番に位置づけ
 ・食形態マップ  どんな食形態を提供できるかが分かり、地域の病院を決める
誤嚥性肺炎が多い理由 口腔機能スクリーニング 食形態マップ

Ⅱ. 「摂食・嚥下の評価と訓練の実際」
1.訪問診療による初診時の内視鏡検査の結果
  ・経管栄養していても食べられる人がいるし、経口摂取していても介護食などの調整の必要な人もいて、機能と対応に乖離が見られる。訪問診療ではこの人たちへの見直しが最も大切。地域の対応としては、スクリーニングする人と専門的な評価をする人が必要。
  ・嚥下直前の咽頭域での食べものが、噛み砕かれ、唾液と混ざり合った呑みこみやすい状態になっているかが分かる
  ・呑みこむ反応が遅い人はトロミをつける。お茶や水はダメだが、牛乳や野菜ジュースは飲める
  ・嚥下反射の前に誤嚥している様子や嚥下後に喉頭蓋周辺の食物による汚れが分かる
機能と対応に乖離 連携 内視鏡検査 咳テスト

2.咳テスト
  
スクリーニングテスト
www.tama-irount.com/dysphagia/6.html

3.摂食嚥下障害を疑う症状
  ①誤嚥、窒息があった
  ②肺炎、発熱を繰り返す
  ③脱水、低栄養状態がある
  ④食べるペースが早すぎる
  ⑤拒食、食欲低下がある
  ⑥摂食量が著しく少ない
  ⑦体重が減少している
  ⑧食事時間が1時間以上かかる
  ⑨口にためて飲み込まない
  ⑩噛まずに丸飲みしてしまう
  ⑪いつまでも噛んで飲み込まない
  ⑫食事中、後にむせが多い
  ⑬咳の音が湿っている
  ⑭痰が多い
  ⑮常時もしくは食後に嗄声がある
  ⑯喉頭や胸あたりに食物残渣感がある
4.摂食嚥下障害を起こしやすい情報
  ①目がはっきり覚めているか  嚥下反射が遅れる
  ②普通に深い呼吸ができるか
   呑みこんだ直後に息を吐くので、息を出し切った時に飲み込むのは非常に辛い
  ③異常に痩せていないか  咽頭腔の拡大
  ④異常な円背はないか   咽頭腔の拡大
  ⑤首は硬くないか  胸鎖乳突筋をみる
   頭が首に対して異常に前方にあるので、それを支えている首の筋肉は疲労して硬くなっている
  ⑥声は普通に出るか  
  ⑦普通にしゃべれるか 嚥下関連筋の障害
  ⑧流涎や痰はないか  嚥下反射惹起性低下
  ⑨口が異常に汚くないか 口腔咽頭機能低下
 *喉仏の位置が低い(下顎下縁から一横指以上)と持ち上げるのに時間がかかり、嚥下が遅れる
 *円背だったり、車椅子にずり落ちて座るなど姿勢が悪いと呑みこみにくい
    (実際に体験してみる)
 *体操して筋肉をほぐす
    (実際に頭の上で手を組んで肩甲骨を動かす) 
5.摂食嚥下障害とは、食べる機能全体を考えた場合の障害
  ・それにより生じる問題
    ①誤嚥性肺炎と窒息
    ②脱水と低栄養
    ③食べる楽しみの喪失
6.脳血管障害による摂食嚥下障害の頻度
  ・脳血管障害による摂食嚥下障害は時間経過とともに良くなっていく
脳血管障害による摂食嚥下障害の頻度 老化が嚥下機能に及ぼす影響 老化が唾液と感覚に及ぼす影響 咽頭

7.老化が嚥下機能に及ぼす影響
8.老化が唾液と感覚に及ぼす影響
9.人間は他の動物に比べ咽頭域が長くなり、摂食嚥下障害を起こりやすくなった
  ・動物は喉頭蓋と口蓋垂がかぶり、咽頭域が狭い
  ・人間は母音の発生のため咽頭域が長くなった
10.舌接触補助床
  ・舌が口蓋に接触できなくて呑み込みに障害がある人に使用する
  ・口蓋床にティッシュコンディショナーをのせて舌運動をさせて形態を決める
舌接触補助床1 舌接触補助床2 在宅療養中の胃ろう患者に対する摂食嚥下リハビリテーションに関する総合研究1

11.在宅療養中の胃瘻患者に対する摂食嚥下リハビリテーションに関する総合研究
  ①胃瘻療養患者に対する胃瘻交換時の摂食嚥下機能の推移
   (在宅・病院での調査)
  ②胃瘻療養患者に対する摂食嚥下リハビリテーションの効果
   (在宅・施設などでの調査)
  ③胃瘻選択基準の把握
    (病院での調査)
  ④胃瘻増設後申し送り事項の把握
    (施設での調査)

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