小島歯科医院 名誉院長ブログ

29.9.4.

2017年08月31日(木)


【1】歯科医療機関における院内感染対策の周知について(依頼)
【2】姿勢が悪く、口呼吸する子供が急増!歯科医が教える口腔内と足の関係
【3】「歯科保健医療ビジョン」策定に向けた主な論点
【4】医科歯科連携の取り組み
【5】社会医療診療行為別統計〔歯科診療〕
【6】医師の残業
【7】虫歯は自己責任、全額負担を避けるために予防意識が根付くノルウェー
【8】パーキンソン病iPSで改善、サルの脳で確認
【9】脳梗塞から復活のラモス瑠偉さん 味覚変化で“コーラが洗剤”に
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【1】歯科医療機関における院内感染対策の周知について(依頼)
www.pref.ishikawa.lg.jp/iryou/tsuchi/documents/h290905_sikairyoukikan-innaikansentaisaku.pdf
医政歯発0 9 0 4 第2 号
平成2 9 年9 月4 日
厚生労働省医政局歯科保健課長
 各保健所において、歯科診療所の立入検査の際には、重点検査項目として衛生管理を掲げ、院内感染対策が不十分で歯科医療を行う上で公衆衛生上重大な危害が生ずるおそれがある場合については、速やかに当該歯科診療所(歯科医師)に対し更なる指導徹底を行うとともに、当該事例について厚生労働省医政局歯科保健課まで報告するよう、貴管下保健所に通知するようお願いする。
【2】姿勢が悪く、口呼吸する子供が急増!歯科医が教える口腔内と足の関係
 (LEE 子育てより)
lee.hpplus.jp/kurashinohint/229473/
 最近私が気になっていることのひとつが、『子供の姿勢』です。小学校1年生の長男が宿題をしている姿、食べる姿勢を見ていて、よく注意をしています。「お背中まっすぐね!」何度注意しても、すぐに元通りで……。口もポカンと開けていることが多くて、どうしたらいいのかわからず、気になりながらも対策がありませんでした。
 そんなとき、同級生で歯科医の西川岳儀さんが足についての本を出しているということを聞いて、「歯医者さんが足の本!? 何かヒントがあるかも」と読んでみました。これがもう、目から鱗というか……足の状態が姿勢や呼吸に関係していて、さらには歯並びにも影響するというので西川さんにインタビューをしてきました。
  参考に
 ポカン口が増えています
kojima-dental-office.net/20081120-232#more-232
【3】「歯科保健医療ビジョン」策定に向けた主な論点
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/a_3.pdf
 歯科医師の資質向上等に関する検討会
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=240484
 1.今後の歯科保健医療の需要
(1)ライフステージにおける需要
  ・人口が減少していく中で、歯科大学定員等の歯科医師養成の検討が必要。
  ・歯科診療所等の事業所規模であっても、
    全ての歯科医師はフレキシブルな勤務形態を認知する思考の転換が必要。
  ・疾患のある方に対して口腔ケアをすると患者のQOLが改善される等、
   歯科医療に関するエビデンスが証明されてきているが、
   残念ながら現場に還元されていない。
  ・歯周病は自覚症状がみられず、また、残存歯の増加の影響もあり、
   罹患率の改善がみられないことから、今後もう蝕減少に伴って、
   相対的に歯周病に対するニーズが増加。
   このため、歯周病を含め、重症化予防の視点が重要。
  ・高齢者の治療に象徴される形態回復を中心とした治療に加え、
   咀嚼等の機能回復を通じて、食生活等の日常生活の支援を行う視点が重要。
(2)医療提供施設における需要
  ・歯科医療機関や歯科医師の情報が必要となっている。
  どの程度の経験や専門的能力があるのか、
  高齢者患者の歯科治療の難度や歯科治療の偶発的リスクにどの程度対応できるのか、
  受診医療機関の医療安全対策への取り組み状況はどうなのか
2.あるべき歯科保健医療の提供体制
(1)地域包括ケアシステムにおける歯科医療機関の役割
  ・地域を仮想病院として広く捉えると、
   医師や歯科医師の役割、必要な設備、連携の違った形が見えてくる。
  ・歯や口腔内の問題だけでなく、
   食支援のように、全体のチームの一員として参画すべき。
  ・現状は一人開業が多い。
   一人で医療安全、学校歯科健診、訪問診療等を行うのは限界があり、
   地域の中で役割分担をしていかなくてはいけない。
  ・歯科診療所の後方支援として病院歯科の役割が極めて重要。
   全病院の中で約2割しか病院歯科がなく、
   また、病院歯科があったとしても、1、2人体制で診療を行っており、
   病院の体制を強化する
(2)かかりつけ歯科医の役割・機能等
  ・かかりつけ歯科医に3つの機能が求められる。
   ①住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応
    ○歯科疾患の予防・重症化予防や口腔機能に着目した歯科医療の提供
    ○患者に対する歯科医療機関の医療安全体制等の情報提供
    ○地域保健活動に参画し、地域住民に対する健康教育、歯科健診等の実施
   ②切れ目ない提供体制の確保
    ○病院や在宅等に訪問して歯科診療を実施
    (訪問歯科診療を実施していない場合は、役割分担の明確化。
     当該診療を実施している歯科医療機関と連携体制を確保するなど)
    ○休日・夜間等の対応困難なケースであっても、
     対応可能な歯科医療機関を事前に紹介するなど
   ③他職種との連携
    ○医師や看護師等の医療関係職種、ケアマネージャー等の介護関係職種と
     口腔内状況の共有等が可能な連携体制の確保
    ○食支援等の日常生活の支援を目的とした他職種連携の場への参画
【4】医科歯科連携の取り組み
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000170920.pdf
1.歯科医師の主な就業先
 ・医療施設従事者に勤務する歯科医師の約9割が歯科診療所に勤務しており、
  医育機関を除く病院に勤務している歯科医師はわずか3%程度である。
2.口腔ケアの効果
 ・要介護者に対する口腔ケアによる肺炎発症率の抑制効果
   対照群に比べて口腔ケア群では2年間の肺炎発症率が低い
 ・入院患者に対する口腔機能の管理による在院日数の削減効果
   在院日数の削減効果が統計学的に有意に認められ、
   その効果はほぼ10%以上あることが明らかになった。
3.病院における歯科関連標榜科数及び割合の推移
 ・歯科の診療科を標榜しているいわゆる病院歯科は微増しているものの
  約2割程度となっている。
参考に
○医療計画について
【平成29年3月30日付け医政局長通知】
(歯科に関連する記述の抜粋)
3.5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれに係る医療連携体制
(8) 歯科医療機関(病院歯科、歯科診療所)の役割
地域包括ケアシステム(医療介護総合確保法第2条第1項に規定する地域包括ケアシステムをいう。)の構築を進める上で、歯科医療機関は地域の医療機関等との連携体制を構築することが重要である。特に、近年は、口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防につながるなど、口腔と全身との関係について広く指摘されていることから、各医療連携体制の構築に当たって、歯科医療が果たす役割を明示するとともに、入院患者や在宅等で療養を行う患者に対して、医科歯科連携等を更に推進することが必要となる。
○「経済財政運営と改革の基本方針2017」
【平成29年6月9日閣議決定】
(歯科に関連する記述の抜粋)
第3章経済・財政一体改革の進捗・推進
3.主要分野ごとの改革の取組
(1)社会保障
④ 健康増進・予防の推進等
口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む。
【5】社会医療診療行為別統計〔歯科診療〕
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa16/dl/sika.pdf
1.診療行為の状況
 歯科の1件当たり点数は1,237.9 点で、前年に比べ9.9 点、0.8%増加している。
1日当たり点数は680.0 点で、前年に比べ12.9 点、1.9%増加している。診療行為別にみると、「歯冠修復及び欠損補綴」253.5 点(構成割合37.3%)が最も高く、次いで「処置」130.1 点(同19.1%)、「初・再診」87.4 点(同12.8%)の順となっている。
1件当たり日数は1.82 日で、前年に比べ0.02 日減少している。
2.一般医療と後期医療別にみた診療行為の状況
 歯科の1件当たり点数は、一般医療1,200.5 点、後期医療1,420.7 点となっている。
1日当たり点数は、一般医療671.4 点、後期医療717.5 点で、年齢階級別にみると、「75 歳以上」715.8点が最も高く、次いで「15~39 歳」683.5 点となっており、「0~14 歳」629.7 点が最も低くなっている。診療行為別の構成割合をみると、後期医療は、一般医療と比べ「在宅医療」及び「歯冠修復及び欠損補綴」の割合が高く、「処置」の割合が低くなっている。1件当たり日数は、一般医療1.79 日、後期医療1.98 日となっている。(表9、図12)
参考に
東海北陸厚生局管内各県の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表
kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/iryo_shido/heikintensu.html
【6】医師の残業
医療機関と労組、規制賛否 厚労省検討会
(医師の働き方改革に関する検討会より)
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=469190
 第1回8月2日の資料2,3を参照
 厚生労働省は2日、医師の「働き方改革」に関する検討会の初会合を開いた。残業時間の上限規制を巡り、医療関係者の委員から「極端な規制は地域医療を崩壊させる恐れがある」と慎重論が出た一方、労働組合の委員は「医師であっても労働者だ」と主張、意見が対立した。
 政府は3月に策定した働き方改革実行計画で「最長で月100時間未満」などと定めた残業上限規制について、正当な理由なしに診療を拒めない「応招義務」があるとして医師への適用を5年間猶予している。検討会は規制のあり方を議論、再来年をめどに結論を出す方針。
 検討会では、堺市の「社会医療法人ペガサス」の馬場武彦理事長が「医師の勤務には自己研さんの面があり、制限されることに不満を持つ医師もいる。慎重な対応をお願いしたい」と述べた。連合の村上陽子・総合労働局長は「医師は特殊性もあるが、紛れもなく労働者で同じ人間だ。知恵を出し合って検討を進めるべきだ」として、残業上限規制を導入すべきだと主張した。
 昨年1月には新潟市民病院(新潟市)に勤務していた研修医が過労自殺。厚労省によると、2016年度に過労死や過労自殺(未遂含む)で労災認定された医師は4人に上る。 厚労省が昨年12月に実施、医師約1万6000人から回答を得た調査では勤務医のうち、男性の約4割、女性の約3割で1週間の労働時間が60時間を超えた。
【7】虫歯は自己責任、全額負担を避けるために予防意識が根付くノルウェー
 (yahooニュースより)
news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20170726-00073738/
〈記者の目〉
銀歯の詰め物が欠けて取れた時、ノルウェーの歯医者で言われた請求が「8万円」。ノルウェーでは歯の管理は自分の責任。ノルウェー人も外国人も、歯科治療には原則保険はきかない。ただし、18歳までの歯科診療は無料。20歳までは公共の歯医者であれば自己負担は25%のみ。その後の大人は全額負担になるそうだ。その分、子どもたちへの歯の磨き方などの教育に力を入れているらしく、虫歯兄弟の絵本『カリウスとバクトゥス』を読み聞かせ、強烈な記憶を脳に刻み込ませるとの事。虫歯兄弟の動画もあります。我々も学ぶべき所あるかも…。是非ともCHECKしてみてください。
 参考に
スウェーデンの歯科医療制度
kojima-dental-office.net/blog/20170103-6452
【8】パーキンソン病iPSで改善、サルの脳で確認
パーキンソン病霊長類モデルにおけるヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の移植の有効性と安全性の確認
 (日本医療研究開発機構プレスリリースより)
www.amed.go.jp/news/release_20170831-01.html
 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)
 理化学研究所
•パーキンソン病霊長類モデル(サル)にヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞注1)を移植し、術後のサルの行動解析によりパーキンソン病の症状が軽減されていることを観測した。 
•移植したヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞が脳内に生着し機能していることを、MRI注2)とPET注3)および脳切片の組織学的解析によって確認した。
•少なくとも移植後2年以内において脳内で腫瘍を形成しないことを確認した。
 参考に
 iPS細胞ができた!
kojima-dental-office.net/blog/20080817-1153#more-1153
【9】脳梗塞から復活のラモス瑠偉さん 味覚変化で“コーラが洗剤”に
 (日刊現代より)
www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/209758/1
〈記者の目〉
 脳梗塞により、様々な麻痺が後遺症として残ります。歯科に来院される患者さんにも、味覚障害だけでなく、口腔領域の麻痺によって義歯の印象や装着後の調整に支障をきたす事があります。リハビリ的な考えを持って診療に当たる必要があると思います。

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