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平成27年度介護報酬改定に関する歯科分野のパブリックコメント

2015年02月24日(火)


 歯科保険医療機関は算定しないが、介護保険施設(特養、老健、介護療養型等)が算定する加算に変更があった(口腔衛生管理体制加算と口腔衛生管理加算=いずれも名称変更と加算の引き下げ。経口維持加算=再編および加算の引き下げ、療養加算の引き下げ)。加算のマイナス改定自体問題であるが、それ以前に歯科医師・歯科衛生士と介護保険施設が連携して実施する口腔ケアに係る技術的助言および指導、口腔ケアについて、歯科医師・歯科衛生士に対する評価がなされていないことは大きな問題である。
 日本老年歯科医学会の調査では、施設側と歯科医師等との合議によって施設側から歯科医師等に支払いがなされているところは全体の1割にも満たないことが明らかにされている。多くの歯科医師等は情報提供や技術的指導を行っているにも関わらず、ボランティアで行っているに過ぎないのが現状である。
 今次改定では、「口腔・栄養管理に係る取組の充実」を改定の柱の一つとし、口腔ケアの担い手として歯科医師・歯科衛生士に強く期待するように謳ってはいるが、歯科医師・歯科衛生士が積極的に関われる場面は少なく、またそのような機会があっても適切な評価がなされない現行の制度(連携パスのシステム)をしっかりと見直すよう強く求める。

参考に 歯科医師が「口から食べる楽しみの支援」に関われる仕組みを
kojima-dental-office.net/20150407-1705
    歯科訪問依頼があったら
kojima-dental-office.net/20140712-1675

4月から改定される経口摂取に関わる介護報酬
 平成27年度の介護報酬改定の基本的な視点のひとつに「口腔・栄養管理に係る取組の充実」があり、それに基づいて報酬・基準についての見直しを行う。「施設等入所者が認知機能や摂食・嚥下機能の低下等により食事の経口摂取が困難となっても、自分の口から食べる楽しみを得られるよう、多職種による支援の充実を図る」とされている。しかし、今回の改正でも、歯科医師が「口から食べる楽しみの支援」に関わりを持てるような仕組みには殆どなっていません。

A.歯科医師が直接関わるもの
 居宅療養管理指導費は変更なし
  歯科医師が行う場合  503単位
  歯科衛生士が行う場合 352単位
   医療保険の訪問衛生士指導360点との差は残ったまま

B.介護施設が算定するもの
 介護給付費分科会で、口腔・栄養に関する報酬・基準について検討した資料ですが、以下には経口維持加算、経口移行加算、療養食加算について取り上げられています。介護保険施設における経口摂取維持の取り組みでは、歯科医師、衛生士が殆ど関わっていないことも指摘されています。
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000064258.pdf

 ■平成 27年度介護報酬改定の概要(案)
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000073617.pdf
59~60ページ
 経口維持加算の充実経口維持加算については、摂食・嚥下障害を有する入所者や食事摂取に関する認知機能の低下が著しい入所者の経口維持支援を充実させる観点から、多職種による食事の観察(ミールラウンド)や会議等の取組のプロセス及び咀嚼能力等の口腔機能を含む摂食・嚥下機能を踏まえた経口維持支援を充実させる。
  「経口維持加算Ⅰ 28単位/日→400単位/月」
  「経口維持加算Ⅱ 5単位/日→100単位/月」
※ 算定要件等
○ 経口維持加算(Ⅰ)については、現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害や誤嚥を有する入所者に対して、医師又は歯科医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、食事の観察及び会議等を行い、入所者ごとに経口維持計画を作成している場合であって、医師又は歯科医師の指示(歯科医師が指示を行う場合にあっては、当該指示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限る。)に基づき管理栄養士等が栄養管理を行った場合、1月につき算定。
○ 経口維持加算(Ⅱ)については、当該施設が協力歯科医療機関を定めている場合であり、経口維持加算(Ⅰ)において行う食事の観察及び会議等に、医師(人員基準に規定する医師を除く。)、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士が加わった場合、経口維持加算(Ⅰ)に加えて、1月につき算定。
○ 経口維持加算(Ⅰ)は、栄養マネジメント加算を算定していない場合は、算定しない。
経口維持加算(Ⅱ)は、経口維持加算(Ⅰ)を算定していない場合は、算定しない
② 経口移行加算の充実
経口移行加算については、経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食・嚥下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる。
経口移行加算(1日につき) 28単位 ⇒ (1日につき) 28単位
※ 算定要件等(変更点のみ)
○ 経口移行計画に従い、医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士による栄養管理及び言語聴覚士又は看護職員による支援が行われた場合、1日につき算定。
○ 栄養マネジメント加算を算定していない場合は算定しない
③ 加算内容に応じた名称の変更
口腔機能維持管理体制加算、口腔機能維持管理加算については、入所者の適切な口腔衛生管理の普及を推進するため、口腔衛生管理体制加算、口腔衛生管理加算に名称を変更する。
名称変更のみ、内容は変わらない
  「口腔機能維持管理体制加算」→「口腔衛生管理体制加算」
  「口腔機能維持管理加算」 →  「口腔衛生管理加算」
 当院は施設に協力しているが、
 歯科医師のボランティアの上に成り立っている制度なので、
 制度設計の再考をパプコメに盛り込む予定
④ 療養食加算の見直し
療養食加算については、入所者の摂食・嚥下機能面の取組を充実させる観点から、経口移行加算又は経口維持加算の併算定を可能にするとともに、評価を見直す。
療養食加算 23→18単位/日
※ 算定要件等(変更点のみ)
○ 経口移行加算又は経口維持加算との併算定が可能。

参考に
告示案
■経口維持加算Ⅰ、Ⅱ
⑴ 経口維持加算(Ⅰ) 400単位
⑵ 経口維持加算(Ⅱ) 100単位

注1 ⑴については、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定介護老人福祉施設において、現に経口により食事を摂取する者であって、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者に対して、医師又は歯科医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、入所者の栄養管理をするための食事の観察及び会議等を行い、入所者ごとに、経口による継続的な食事の摂取を進めるための経口維持計画を作成している場合であって、当該計画に従い、医師又は歯科医師の指示(歯科医師が指示を行う場合にあっては、当該指示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限る。注3において同じ)を受けた管理栄養士又は栄養士が、栄養管理を行った場合に、当該計画が作成された日の属する月から起算して6月以内の期間に限り、1月につき所定単位数を加算する。ただし、経口移行加算を算定している場合又は栄養マネジメント加算を算定していない場合は算定しない。

2 ⑵については、協力歯科医療機関を定めている指定介護老人福祉施設が、経口維持加算(Ⅰ)を算定している場合であって、入所者の経口による継続的な食事の摂取を支援するための食事の観察及び会議等に、医師(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第2条第1項第1号に規定する医師を除く。)、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士が加わった場合は、1月につき所定単位数を加算する。

3 経口による継続的な食事の摂取を進めるための経口維持計画が作成された日の属する月から起算して6月を超えた場合であっても、摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者であって、医師又は歯科医師の指示に基づき、継続して誤嚥防止のための食事の摂取を進めるための特別な管理が必要とされるものに対しては、引き続き当該加算を算定できるものとする。
 
■へ 経口移行加算 28単位
注1 別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定介護老人福祉施設において、医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、現に経管により食事を摂取している入所者ごとに経口による食事の摂取を進めるための経口移行計画を作成している場合であって、当該計画に従い、医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士による栄養管理及び言語聴覚士又は看護職員による支援が行われた場合は、当該計画が作成された日から起算して180日以内の期間に限り、1日につき所定単位数を加算する。ただし、栄養マネジメント加算を算定していない場合は算定しない。

2 経口による食事の摂取を進めるための経口移行計画に基づき、管理栄養士又は栄養士が行う栄養管理及び言語聴覚士又は看護職員が行う支援が、当該計画が作成された日から起算して180日を超えた期間に行われた場合であっても、経口による食事の摂取が一部可能な者であって、医師の指示に基づき継続して経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援が必要とされるものに対しては、引き続き当該加算を算定できるものとする。

■ハ 療養食加算 23単位
注 次に掲げるいずれの基準にも適合するものとして都道府県知事に届け出て当該基準による食事の提供を行う指定短期入所生活介護事業所が、別に厚生労働大臣が定める療養食を提供したときは、1日につき所定単位数を加算する。
イ 食事の提供が管理栄養士又は栄養士によって管理されていること。
ロ 利用者の年齢、心身の状況によって適切な栄養量及び内容の食事の提供が行われていること。
ハ 食事の提供が、別に厚生労働大臣が定める基準に適合する指定短期入所生活介護事業所において行われていること。

介護報酬パブコメ 応募は3月11日が締め切り
search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495140439&Mode=0

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