定期検診の大切さ
1990年11月15日(木)
痛みなどの主訴がある時には、患者さんは病状とその原因に気づき、治療計画に基づいて来院を続ける。そして、満足した状態になる。その後、多くの病態をかかえた方や具合の悪い時にだけ歯科医院に通っている人にとっては、プラークコントロールや定期検診を続けることは難しい。しかし、なぜそのような口の状態になったかを理解していないと、再び同じ状態になってしまう。定期的に来院することによって、小さな問題点の発見やその解決ができ、重症になることを未然に防ぐことができる。
参考に
歯の定期健診・定期清掃を
kojima-dental-office.net/news/2009/03/07/1748
健康への意識改革
kojima-dental-office.net/20101203-1998#more-1998
症例
患者 49歳男性
初診 昭和61年6月4日
主訴 右上4番が痛い
現症 歯を磨くと血が出て歯肉が痛いので、1年くらい磨いていない
プラーク、歯石が多量に付着
ほとんどの歯が動揺する
歯牙欠損があるが、義歯は使っていない
治療計画 7/9作成
プラークコントロールの継続
上下前歯フラップ手術
上顎にブリッジ
下顎に義歯
経過
6/4 パノラマX線撮影にて全歯周囲の骨吸収を確認
特に右上4番と左下3番には垂直性を認める
適応検査にてポケットが深いところがある
右上4番、左上2番、左下3番、右下5番に6mm
染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 100%
抗生剤の内服
6/11 右上4番の痛みなくなる
ブラッシング時の出血が少なくなる
染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 83%
痛くないように磨くと、頼りなく磨いた気がしない
軟らかい毛先のブラシ使用
6/13 右上4番を抜歯
抗生剤の内服
6/18 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 83%
ハブラシの毛先は広がっていない
歯肉縁上歯石除去
6/25 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 68%
ハブラシの毛先が少し傷んできた
ハブラシ圧に気をつけている
7/2 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 34%
普通の硬さの毛先のハブラシに変更
歯間ブラシも使用開始
7/9 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 17%
精密検査
治療計画作成
8/19 上顎前歯フラップ手術
8/29 下顎前歯フラップ手術
9/26 上顎前歯ブリッジ
10/3 上顎右側ブリッジ
10/15 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 12%
10/22 下顎義歯
1/29 下顎右側フラップ手術
2/5を最後に定期検診中断
平成2年
9/4 左下3番が自然脱落
9/5 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 68%
9/11 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 31%
10/15 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 36%
11/15 染め出しによるブラッシング指導
プラークチャート 27%
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