考えるペリオドンティクス
2018年09月30日(日)
病因論と臨床推論から導かれる歯周治療
講師:高橋 慶壮氏 奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯周病学分野教授
日時:2018 年9 月30 日(日) 9:30~12:30
場所:ホテル金沢4 階エメラルド
金沢市堀川新町1-1(金沢駅東口から徒歩1 分)
対象:会員医療機関の歯科医師およびスタッフ
定員:100人
参加費:無料
申込:必要事項を記入の上、FAX 詳しくは講演会チラシ
主催:石川県保険医協会
メモ
昨年の講演会「考えるエンドドンティクス」
kojima-dental-office.net/20171210-3980#more-3980
1.歯学部教育
・戦後、米国の医学が欠落した、技工士学校型歯科大学をモデルに、
日本流に細分化して多くの講座がある歯科大学を作った。
・生命科学としての歯科医療が十分に普及していない
・保険点数も未だに補綴治療偏重の傾向が強い
歯内療法や歯周治療は後回しにされている
基本に忠実に、正しいことを正しく行う
・1993年当時、イギリスグラスゴー大学歯学部の講座は4つだけ。
Adult Dental Care
保存修復、歯内療法、歯周病学、補綴
Child Dental Care
矯正、小児歯科、予防
Oral Surgery and medicine
口腔外科と口腔内科
Oral Science
基礎歯学
*これに付け加えるとすれば高齢者歯科
*基礎と臨床が別々に研究
2.歯周病とは
・セメント質が剥離すると、急速に進行する
・病因論 プラーク→リスク因子→多因子
・健康寿命に貢献できる できるだけ上流で止める
・糖尿病と歯周病 脂肪細胞と歯周炎由来のTNF-α
・28本の歯に5mmの歯周ポケットがあれば、手のひらサイズの潰瘍がある
・ライフイベントにより、悪化、停止、良好
・付着上皮部に潰瘍が形成され、出血が見られる。
鉄を含むので細菌の栄養になる
3.歯周病学と歯周治療学
・患者との協力体制 口腔清掃レベルと健康文化レベル
予後は患者の協力度に依存している
・チーム医療
・キュレッタージには拡大鏡とペリオプレーニングバーを使う
→骨縁上の結合組織の付着を損傷しないように
・歯周治療のオプション
感染源の除去
咬合力の制御
歯周組織の再生
機能回復
審美的回復
・バイトプレート、部分層弁、インプラントが残存歯を守る
・歯周病が、慢性歯周炎と侵襲性歯周炎とに細分類されていたが、
分類がStage Ⅰ~ⅣとGrade A~Cに変わる
Ⅰ 歯冠側に限局する組織破壊、
Ⅱ PD<5mm, 歯周炎による喪失歯は無い
Ⅲ 歯根半分以上の組織破壊、根分岐部病変や骨内欠損、
Ⅳ 歯周炎による5本以上の歯の喪失、口腔機能の低下
Grade A~C 歯周炎の進行速度、リスク度
*トラブルが多い 治療費を出すが、指導を守らない
4.科学の営み
・論文を鵜呑みにしない
どんな患者を対象にしているのか
自分の臨床に当てはまるのか
・理論の誤りを見つけようとすることから知識は進歩する
・「反証可能性」こそ科学の証→自分自身の臨床データを持つこと
日本文化に根付きにくい
*アメリカでは訴訟関連のため長期症例は5年
5.インプラント
・問題が起きてくるのは3年以内
・チタンの除染→GBR
呼びかけ文
「戦略の誤りを戦術や、まして戦闘で補うことなどできはしない。」とは、ある本からの引用だが、私達の日々の診療に置き換えると、診査、診断に続く治療方針の誤りは、治療法の選択や実際の治療技術で補うことなどできない、ということになるのだろう。
しかしながら日々の診療での治療成績の差は、一体どこで生じるのだろう?
昨年のご講演は歯内療法だったが、今回はペリオで。今春、クインテッセンス出版から上梓された「考えるペリオドンティクス」の著者でもある高橋慶壮先生に、歯周治療のポイントについてご講演いただけることとなりました。ふるってご参加いただき、日々の診療にお役立てください。
この講演会は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)の施設基準に定められた「歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含む)」にも位置づけています。
修了証は、保険医協会の会員の歯科医師で、希望者にのみ発行いたします。途中入場・途中退出をされた場合は、修了証は発行できませんので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
日本歯周病学会常任理事(口腔インプラント委員会委員長)日本歯科保存学会常任理事、日本顎咬合学会指導医、米国歯周病学会(AAP)国際会員、国際歯科研究会(IADR) 会員
【主な研究領域】
歯周病学、歯内療法学、口腔インプラント治療学、国際英語論文49 編
【ご略歴】
1988 年 岡山大学歯学部歯学科卒業
1992 年 岡山大学大学院歯学研究科修了博士(歯学)
1993 年 英国グラスゴー大学歯学部(Prof. Denis F. Kinane に師事)
1996 年 岡山大学歯学部助手
1999 年 明海大学歯学部講師
2006 年 明海大学歯学部助教授
2007 年 奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯周病学分野教授(~現在)
【主な著書】
高橋慶壮「考えるペリオドンティクス-病因論と臨床推論から導かれる歯周治療-」(クインテッセンス出版2018)、高橋慶壮「考えるエンドドンティクス―根管形成と根管充塡の暗黙知と形式知―」(クインテッセンス出版2015)、高橋慶壮「歯内療法における臨床思考の技術」(デンタルダイヤモンド社2014)、高橋慶壮「歯周治療失敗回避のためのポイント33~なぜ歯周炎が進行するのか、なぜ治らないのか~」(クインテッセンス出版2011)、高橋慶壮、吉野敏明編著「エンド・ペリオ病変の臨床歯内-歯周複合病変診断と治療のストラテジー」(医歯薬出版2009)、高橋慶壮「歯内療法失敗回避のためのポイント47~なぜ痛がるのか、なぜ治らないのか~」(クインテッセンス出版2008)、平井順、高橋慶壮「臨床歯内療法学–JH エンドシステムを用いて–」(クインテッセンス出版2005)
29日(土)木倉町の八十八にて高橋慶壮氏を囲む会。秋の美味しさを頂く。
前回の八十八
kojima-dental-office.net/blog/20171206-8332#more-8332
松茸
鰯
のど黒寿司
胡麻豆腐
イクラ、栗
白子
蟹炒飯
葡萄
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