小島歯科医院 名誉院長ブログ

臨床家による臨床家のための歯周病学

2012年02月08日(水)


講 師:白石晃一郎 氏 (白石歯科医院 院長)
<第1週目> 2/1(土)19:00~ @近江町交流プラザ4階 研修室2
基礎編: 歯周病を理解するための解剖学、病理学、細菌学 e.t.c.
<第2週目> 2/8(土)19:00~ @近江町交流プラザ4階 研修室1
臨床編: 歯周基本治療の重要性、歯周病と咬合、S.P.T.、歯周病と全身疾患 e.t.c.
メモ
%e6%ad%af%e5%91%a8%e7%82%8e%e3%81%ae%e7%99%ba%e7%97%87基礎編
1.Porphyromonas gingivalis(P.g.菌)感染による歯周炎は病原性が強い
2.P.g.菌は鉄分(血液)補給すると加速度的に増殖する
3.歯肉縁下出血(ポケット内潰瘍面)を見つけるB.O.P.検査
   重要な意味を持つ
4.P.g.菌はPCR法によるDNA診断ができる
5.P.g.菌はバイオフィルム内で生存するだけでなく、細胞内へ侵入できる

臨床編
%e7%89%a7%e9%87%8e%e6%98%8e%e8%91%971.垂直型骨欠損に骨レベルの整った治癒形態を予測する
2.歯周組織が治癒する(歯が移動している)時期に歯を固定しない
3.歯牙の連結は自然挺出を妨げる
4.長期症例における歯肉質感の供覧から細菌叢の変化を伺わせるターニングポイント(Red Complexの減少)を共有する
5.歯周ポケット内検体の嫌気培養、感受性テストから得られた抗生剤を
   注入治療に用い、PCR法にて確認する
6.歯周病と糖尿病を持つ患者への歯周治療介入にてHbA1cは平均0.5%良くなった

PCR法
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E9%80%A3%E9%8E%96%E5%8F%8D%E5%BF%9C
リアルタイムPCR検査
www.kitano-dc.com/020shishu/pcr.php

 *P.g.菌は血中を生存したまま遊走できる(バージャー病)
www.osakadent-dousou.jp/data/rep187_1.pdf#search='%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E7%97%85+Porphyromonas+gingivalis
 牧野明著「歯周基本治療で治る!歯周基本治療で治す!」
www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=461130

石川県保険医新聞
 8日(土)7時から先週に引き続き近江町交流プラザにて、白石晃一郎先生による講演会「臨床家による臨床家のための歯周病学」臨床編が開催された。会場には30名を超える参加があり、特に若い先生が多かった。懐かしい症例や若き当時の切磋琢磨を思い出した。
 垂直型骨欠損に骨レベルの整った治癒形態を予測することと、歯周組織が治癒する(歯が移動している)時期に歯を固定しないことや歯牙の連結は自然挺出を妨げることを再確認した。また、長期症例における歯肉質感の供覧から細菌叢の変化(Red Complexの減少)を伺わせるターニングポイントを実感した。
 歯周ポケット内検体の嫌気培養、感受性テストから得られた抗生剤を注入治療に用い、PCR法にて歯周病原菌の種類と数量の変化を確認する試みにワクワクした。そして、歯周病と糖尿病を持つ患者への歯周治療介入にてHbA1cは平均0.5%良くなった報告があり、様々な形で歯周病と全身との関わりの啓蒙活動を続けていきたいと思った。
 講演後の質問応答も活発に行われ、有意義な会となった。

今さら聞けない『歯科』臨床シリーズ講演会
 第3回・4回(2週連続企画)
と き:基礎編 (1週目) 2014年 2/1(土) 19:00~20:30
    臨床編(2週目)      2/8(土)19:00~20:30
ところ:近江町交流プラザ 4階 研修室
対 象:会員医療機関の歯科医師(基礎編・臨床編それぞれ 定員 30人)
参加費:無料
抄録
 最近の歯科臨床においては、歯周治療はもちろんのこと、インプラント治療や審美歯科など多くの場面でエビデンスに基づいた歯周病学の知識が必要とされることが多くなってきています。今回の講座では、先生方と同じ臨床医の立場から、基礎に立ち返りまたそれを臨床にフィードバックさせながら、歯周病学について基礎編、臨床編に分けてお話しさせていただきたいと思います。

チラシ 臨床科のための歯周病学
申込み:チラシ裏面の「参加申込書」に必要事項を記入の上、
    FAX、Eメール、電話のいずれかでお申し込みください。
    定員になり次第締め切ります。 必ず申込みの上ご参加ください。
質問の受付は1/27(月)まで

主 催:石川県保険医協会
 電 話  :076-222-5373
 FAX   :076-231-5156
 代表メール:ishikawa-hok@doc-net.or.jp

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