歯周病のリスク診断と糖尿病
2010年09月05日(日)
講師 新潟大学大学院医歯学総合研究科
摂食環境制御学歯周診断再建学分野
教授 吉江 弘正 先生
日時 2010年9月5日(日)10:00~12:30
場所 石川県歯科医師会館 2階大ホール
メモ
1.歯周炎のリスク
細菌
歯周病菌がいると、5倍歯周病リスクが高くなる
歯周病菌は母子感染する
歯周病菌検査は経過を見る基準になる
歯周病菌が特定できても治療は確立されていない
遺伝子(宿主の応答)
なりやすい体質があり、
侵襲性歯周炎では次世代も可能性は高い
IL-1陽性だと7倍なりやすい
生活習慣(喫煙、過度のストレス、不規則な生活、アンバランスな食事)
タバコを吸うと、5倍以上歯周病のリスクが高くなる
その他に咬合性リスク
2.歯周炎と糖尿病
①糖尿病の人は歯周病になりやすい(かなりエビデンスが高い)
高血糖が直接悪さをしないが、ヘモグロビンと結びついた最終糖化産物が、線維芽細胞、マクロファージ、血管内皮細胞、好中球に働きかけて、治癒不全や組織障害、血管透過性亢進、好中球機能低下を起こし、破壊を速めて歯周炎を進行させる。
②歯周炎の人は糖尿病になりやすい(エビデンスは①に比べると低い)
歯周炎の人は血清TNF-α(サイトカイン)を増加させて、それがインスリン抵抗性(インスリンの働きで細胞内にグルコースを取り込む一連の機構をブロックしてしまう)を導く。
参考として
糖尿病の歯肉
kojima-dental-office.net/20040726-3084
糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン2008
minds.jcqhc.or.jp/stc/0070/1/0070_G0000192_0002.html
- カテゴリー: 歯周治療