予防接種のための免疫学①
2017年04月25日(火)
免疫学総論ー基礎の基礎
・生体防御とは何か?
・自然免疫と獲得免疫
講 師 谷内江昭宏氏(金沢大学医薬保健研究域医学系 小児科学教授)
と き 2017年4月25日(火)午後7時半~午後9時
ところ 石川県保険医協会・会議室
対 象 会員医師、会員歯科医師(定員20人、参加費無料)
参考に
「免疫のふしぎ」
講師:東みゆき氏(東京医科歯科大学大学院口腔機能再建学分子免疫学分野教授)
kojima-dental-office.net/20090427-2115#more-2115
メモ
講演要旨と講師資料
ishikawahokeni.jp/kihonsemi/index.html
本題に入る前に
麻しん(はしか)患者の発生について
www4.city.kanazawa.lg.jp/23801/kansen/mashin_2_2_3.html
・平成29年4月10日、インド渡航歴のある金沢市在住30歳代男性が麻疹と判明
・4月24日に4例目の麻しんの患者
40代女性金沢市在住 (教員) 4月7日の金沢市立小坂小学校入学式に出席
30代男性津幡町在住 (教員) 4月7日の金沢市立小坂小学校入学式に出席
10代女性小松市在住 4 月7 日に来店していた金沢市内の写真店で勤務
*20~40歳 1回ワクチン
10代は2回ワクチン接種、それでも発症
参考に
・潜伏期間は10日~12日
・風邪症状→コプリック班(頬粘膜)→発疹(上から下)
・感染期間は、風邪症状出現の1日前から解熱後3日程度
・修飾麻疹 ワクチンを1回のみ接種している場合、典型的ではない症状を呈する
軽症だが感染力がある
1.生体防御とは何か?
生きているものは腐敗しない→ウイルス、細菌、カビなどをはね除ける力が「免疫」
A.からだを守る三重構造
①皮膚や粘膜
物理的バリア
化学的バリア
生物学的バリア
②生まれつきの免疫=自然免疫
貪食細胞・TLR
NK細胞
補体
*補体によるオプソニン化
病原菌に付着することにより白血球が集まりやすくする
(好中球遊走障害)
白血球数が多くても集まる仕組みが欠如していると細菌増殖部に白血球がいない
③記憶する免疫=獲得免疫
抗体=免疫グロブリン
ヘルパーT細胞
キラーT細胞
*抗体によるオプソニン化
病原菌と結合すると効率よく貪食できる
2.自然免疫と獲得免疫
①違い
自然免疫はパターン認識で、幅広くカバー・少数精鋭で望むが効力に限界がある
獲得免疫は特異的であり、対応までに時間もかかるが、効果がしっかりしている
2,3週間
②協調
抗原を取り込み活性化された樹状細胞はリンパ管を通り、
所属リンパ節に移行し、ヘルパーT細胞へ情報を伝達する
③ワクチン
感染により重篤な症状を引き起こす場合はワクチンで肩代わりして獲得免疫を得る
軽い場合をどう考えるか
④免疫グロブリンG
・トータル量にあまり意味はないが、1000前後
個々の病原体に対する特異抗体(サブクラス)
500など特に低い場合は何らかの重要な原因がある
異常に高い場合は自己免疫疾患
参考に
ヒトの胎盤を唯一通過できる
自分の免疫系を確立する生後1週間までの間、胎児を守る
ウイルス、細菌、真菌など様々な種類の病原体と結合する
- カテゴリー: 感染対策・免疫