高齢者の誤嚥性肺炎
2015年10月10日(土)
動物は口から食べ、鼻で呼吸している。言葉を話す人間だけが口でも呼吸できるようになり、むせや誤嚥のリスクを抱えることになった。
若年健常者は無意識にする嚥下を呼吸の呼気中に息を止めて呼気中に終わることで誤嚥を防いでいるが、高齢者になると嚥下が吸気中に起きて誤嚥しやすくなる。男性の方がのど仏が下の方にあるのでむせや誤嚥を起こしやすい。また、安静時に口を開けている人も鼻呼吸が安定せずに口呼吸になりやすく誤嚥しやすい。固定源となる頬筋や口輪筋などの口腔周囲筋が弱いために、上咽頭収縮筋を強く収縮できないことで嚥下機能が低下すると考えられている。
1.原因が食品なのか唾液なのかを区別する
・絶食にするのか
2.唾液誤嚥
・嚥下反射・咳嗽反射惹起遅延
・嚥下運動はほぼ咽頭粘膜の反射
咽頭粘膜の感覚低下
覚醒・意識レベルに左右される
筋力の低下ではない
大脳皮質の関与は不要
・アプローチ
口腔ケアにより衛生状態を改善(対症療法)
末梢刺激による機能回復への期待 冷水刺激
3.食物誤嚥
・嚥下筋の筋力・緊張低下
・咀嚼力の回復は嚥下力の回復ももたらす
試してみよう
・1分間に3回ツバキをゴックンできるかな
・30秒間ブクブクうがいしてみよう
・風船を膨らまし5秒間維持して、再度膨らましてみよう
- カテゴリー: 訪問診療のポイント