アナフィラキシーに対する救急処置
2013年11月16日(土)
講師 ファイザー株式会社課長補佐 西村嘉晃氏
日時 平成25年11月16日(土)午後6時30分
場所 金城楼
主催 河北歯科医師会
参考に 体験症例 キシロカインのアレルギーではありませんか?
kojima-dental-office.net/20030730-831#more-831
薬疹がでたらどうしたらいいですか
kojima-dental-office.net/19771125-1004
メモ
1.アナフィラキシー
原因物質に接触・体内摂取後、数分から数十分以内に
現れる激しい急性の全身アレルギー反応
①原因
・食べ物(卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツなど)
・昆虫(スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなど)
・薬(抗生物質、解熱鎮痛剤、ワクチン、麻酔薬など)
②症状
・もっとも多いのは、皮膚の症状(じんましん、赤み、かゆみなど)
・次に多いのは、呼吸器の症状(くしゃみ、せき、ぜいぜい、息苦しさなど)と
粘膜の症状(目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなど)
・そして、消化器の症状(腹痛や嘔吐など)
・さらには、循環器の症状(血圧低下など)
これらの症状が複数の臓器にわたり全身性に急速にあらわれる。
特に、急激な血圧低下で意識を失うなどの「ショック症状」も1割程みられる。
③死亡者数
日本におけるアナフィラキシーによる年間死亡者数は2011年に71名。
内訳 蜂毒関係 16、食物 5、薬物 32、詳細不明 18
最大の死因は、窒息や呼吸不全(喉頭浮腫、致命的喘息)、次にショック
④症状が出るまでの時間
アナフィラキシーが原因で心停止に至った例の、心停止までの平均時間は、
薬物で5分、蜂毒が15分、食物では30分といわれる
(アナフィラキシーがすべて心停止に至るわけではない)。
⑤対処法
・過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある、
もしくは、起こす危険性があると思われる場合は、
緊急時にそなえてアドレナリン自己注射薬を常に携帯する。
・軽い皮膚や粘膜症状の場合は抗ヒスタミン薬
呼吸器症状には気管支拡張薬
症状が重くなってくると経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられる。
・ショック症状(ぐったり、意識障害、失禁など)や
のどの強い症状(のどが締め付けられる感じ、声がれ、声が出ないなど)、
呼吸器系の強い症状(強い喘鳴、呼吸困難など)があらわれた場合には、
速やかにアドレナリン自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を用いる。
あくまでもショック症状を一時的に緩和するための補助治療剤なので、
応急処置として使った後には一刻も早く病院を受診しよう。
2.アドレナリン
①作用
・拡張した末梢血管を収縮
・粘膜(上気道)浮腫を軽減
・気管支痙攣、心機能低下を軽減
②種類
・自己注射製剤 エピペン 太ももの前外側の筋肉に注射
体重30kg以上の方は、エピペン注射液0.3ml
体重15kg以上30kg未満の方は、エピペン注射液0.15ml
・アドレナリン注射液0.1%シリンジ 1ml
あくまでも心肺停止時の静注用
1mg/1mlのアドレナリンがシリンジに充填されているので、
0.7ml捨てて0.3mlを使用する
3.その他
①薬価
エピペン注射液0.15mlは、8112円
エピペン注射液0.3mlは、10950円
2011年9月22日より、保険診療適用
エピペン代+指導料が自己負担金
3割を計算すると、
(エピペン10,950円+指導料8200円)×3割=5,745円
②有効期限
1年
③医師から自己注射薬を処方されている場合は、緊急時の対応を予め相談
参考に
allergy72.jp/anaphylaxis/what.html
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