Facebook 名誉院長ブログ

萌出障害の咬合誘導

2011年10月16日(日)


講 師: 野田 忠 氏 新潟大学名誉教授 新潟リハビリテーション大学学長
と き: 2011年10月16日(日)午前10:00~12:00
ところ: 金沢都ホテル 7階 鳳凰の間
対 象: 会員、会員医療機関のスタッフ(定員50人) 
主 催: 石川県保険医協会歯科部

メモ
 これほど多くの萌出障害の系統だてた症例を体感することは初めてだった。1979年9月から2002年12月までの23年3か月の間に新潟大学小児歯科において萌出障害の処置を行った延べ701人、749歯の分析結果をもとにお話しされた。乳歯にも歯牙腫で萌出障害を起こすことや、根尖病巣のある乳歯抜歯が遅れると後継永久歯の歯根屈曲や萌出方向の異常を押し進めていくことが分かった。患者さんのためにも正確に事実を伝え、同意を得て必要な処置を適切な時期に実施していきたい。

1.萌出障害の分類
  ①萌出時期の異常  萌出遅延・埋伏
  ②萌出方向の異常  異所萌出・埋伏
2.萌出障害の状況
  ①歯種別の萌出障害
   ・乳歯は26歯(上下第2乳臼歯の萌出遅延がほとんど)
   ・永久歯723歯(上顎が75.8%)
     上顎中切歯の萌出遅延が38.5%(6対4で男児に多い)
     上顎犬歯の方向異常15.3%(3.5対6.5で女児に多い) 
                   上顎第1大臼歯と下顎第1・第2大臼歯は異所萌出

  ②処置内容
   ・乳歯は歯牙腫の摘出と歯の開窓
   ・永久歯では先行乳歯の抜去、歯牙腫や過剰歯などの原因除去、
     歯の開窓、保隙、牽引、隣接歯の誘導など

3.歯冠と歯根の屈曲について
   ・う蝕や外傷によるものは、歯冠と歯根の関係が屈曲してずれる
     処置が遅れると湾曲が激しくなり、摘出しなければならなくなる
   ・歯牙腫や過剰歯が原因のものは、正常な歯軸に近い状態

4.萌出障害の対応
  ①形成の遅延があれば経過観察、なければ先行乳歯の抜去、原因除去
  ②方向・位置異常があれば開窓(牽引)、
  ③捻転、配列場所の不足あれば、誘導処置・矯正
  ④萌出傾向があれば経過観察、なければ再度の開窓・牽引

当院の症例
歯牙腫による萌出障害
kojima-dental-office.net/19980427-183#more-183
上顎6番が萌出してこない
kojima-dental-office.net/20101215-1532#more-1532
変なところから歯が出てきました
kojima-dental-office.net/20081029-2449#more-2449

~ ご案内 ~
 信頼されるホームデンティストって、どんなでしょう。
 もし、表題のような患者さんが目の前に現れたら、どのような対応をされますか?
 どのような処置を、どのようなタイミングで行うべきか、そしてその結果の見通しを示す――。これができれば、自分で処置を行わなくても、単に高次医療機関に紹介するだけよりは遥かに患者さんからの信頼を得ることができるのではないでしょうか。
 今回招聘させていただきました野田先生は、長年この分野に携われてこられた権威です。FlapやMTMをこなし、自分で処置をしてみたいという先生には、知識と経験に基づいた戦略とポイントを。自分ではちょっと・・・という先生にも、ホームデンテイストとしての必要な知識を示していただけると存じます。ぜひ、ご参加ください。

抄録                                                                        
   講師:野田 忠 
小児歯科医療は、小児の口腔領域の健全な発育と健康の維持を目的としています。これを咬合の発育からみると、乳歯の萌出から乳歯咬合の完成、さらに永久歯への交換から永久歯咬合の成立までを正常に経過させることです。
 歯の萌出障害への処置は、咬合誘導において、咬合を乱す異常の処置として重要な部分を占めています。小児歯科ではさまざまな萌出の異常に遭遇します。それらの萌出異常を早期に処置し、正常な歯列に誘導することは、小児歯科臨床の重要な役目の一つです。
 萌出障害はさまざまですが、埋伏歯や萌出遅延歯などは、処置が遅れると複雑な誘導処置が必要となったり、摘出しなければならなくなったりすることが少なくないので、早期発見早期治療がポイントとなります。
 萌出障害(eruption disturbance)は、何らかの理由で歯が正常に萌出しないもので、次の2つに大きく分けられます。とはいえ、実際の臨床では原因が特定できないもの、複数の原因が関係し、萌出障害の状況も重複することが少なくありません。
①萌出時期の異常:萌出遅延・埋伏  ②萌出方向の異常:異所萌出・埋伏
 萌出遅延は、萌出時期を一定期間過ぎており、歯牙腫や嚢胞などの、明らかに萌出を阻害する原因がないもの、埋伏は歯牙腫・嚢胞・逆生など、その状態のままでは明らかに萌出しないものと考えています。
 萌出障害の処置内容も歯種によりさまざまですが、先行乳歯の抜去、歯牙腫や過剰歯などの原因除去、歯の開窓、保隙、牽引、隣接歯の誘導など、多様な処置が行われ、また、一つの処置だけではなく、重複して行われているものも少なくありません。講演では、数多くの症例のスライドを中心に、萌出障害とその対応について解説します。
                                    
<講師のプロフィール>
東京医科歯科大学歯学部卒業 1966年3月
新潟大学教授(小児歯科学) 1979年~2001年
新潟大学大学院教授(小児歯科学分野)2001年~2007年
新潟リハビリテーション大学院大学教授 2007年~2010年
新潟リハビリテーション大学教授 2010年~      

1987年 ウメオ大学客員教授(スウェーデン)
1995年~1999年 新潟大学歯学部附属病院長
2003年 ハルビン医科大学名誉教授(中国)
2007年~新潟大学名誉教授           
2011年3月~新潟リハビリテーション大学学長

著書
萌出障害の咬合誘導
www.shien.co.jp/act/d.do?id=4097
文献
www.dent.niigata-u.ac.jp/nds/journal/301/r301_noda.pdf#search='萌出障害の咬合誘導

< 事前申込み必要 > 申込締切:10/11(火)
電話、Email、FAXのうち、いずれかの方法でお申し込みください
①医療機関・団体名
②申込者名
③電話番号
④参加人数

石川県保険医協会
ishikawahokeni.jp/
金沢市尾張町2-8-23
太陽生命金沢ビル8階
電話:076(222)5373
FAX:076(231)5156
E-mail:ishikawa-hok@doc-net.or.jp

食育の最新記事