Facebook 名誉院長ブログ

嚢胞による萌出障害

2019年02月21日(木)


H1.4.24.D 下顎頬側に球形の骨膨隆が認められた。そして、X線写真にて埋伏歯が存在していた。境界明瞭な透過像は確認できなかったが、薄ぼんやりした球形の陰影が認められた。それで、県立中央病院口腔外科へ紹介する。濾胞性歯嚢胞(Follicular Cyst)と診断され、明らかに萌出障害の原因だった嚢胞の開窓術を施行してもらう。当院にて繰り返しガーゼ交換を行い、埋伏歯を正常な位置へと咬合誘導していく。
 含歯性歯嚢胞とは、従来、濾胞性歯嚢胞と呼ばれているもののうち、埋伏歯が存在するもの。エナメル上皮腫との鑑別が大切。
 また、、根尖病巣のある乳歯抜歯が遅れると後継永久歯の萌出方向の異常を起こすこともある。
 萌出障害の咬合誘導 講師 野田忠氏 新潟大学名誉教授
kojima-dental-office.net/20111016-2447

症例 1
患者  11歳 男性
初診  1989年4月20日
主訴  左下5番部頬側の膨隆
現病歴 3ヶ月前より膨れていたが、気に留めていなかった。
診断  左下5番含歯性歯嚢胞

経過
4/20 左下5番部に骨様の硬さの腫瘤がある
     パノラマX線写真にて左下Eの下に5番の埋伏が確認できる
            歯槽骨には境界明瞭な類円型の透過像が確認できないが、
       他に異常所見はなかった。
     抗生剤を投与する
H1.4.24.H 018

4/24 腫瘤に変化見られず、県立中央病院口腔外科へ紹介する
5/6  開窓術を受ける
5/8  2日毎に洗浄とガーゼ交換開始
5/17 左下5番が萌出
     嚢胞腔の肉芽がかなり上がってきた
     もうしばらくガーゼ交換
H1.5.17.H H1.5.17.H (2)

5/29 ガーゼを除去
6/12 創傷部位ほとんど良くなる
H1.6.12.H H1.7.14.H

7/14 左下5番が頬側に転位している

1990年
2/9  創傷部位は治癒した
     5番はまだ低位にあり頬側にあるけれども、正常な位置に近づいている

H2.2.9.H

症例 2
患者  9歳 男性
初診  1990年7月19日
主訴  右頬部腫脹
診断  右下E根尖性歯周炎
経過
1990年
7/19  右頬部、右下E部頬側に腫脹が見られ、抗生剤を内服
7/20  腫脹は減少傾向
      パノラマX線写真にて右下E根尖病巣が埋伏5番の歯冠周囲にまで及ぶ
       透過像が見られ、5番がかなり遠心傾斜している
H2.7.20. H2.8.24. H2.12.17.

7/23  腫脹が消退したので、右下Eを抜歯
       右下5番の萌出を経過観察
8/24  右下5番がわずかに萌出
      デンタルにて透過像の縮小と右下5番の遠心傾斜を確認
12/17 右下5番が萌出
            デンタルにて右下5番の萌出方向の改善と透過像の消失を確認
1991年
7/29  右下5番わずかに遠心傾斜して萌出
       咬合面遠心部にプラークが残りやすい
H3.7.29. H3.7.29.C
5/20  右下5番ほとんど正常に萌出

H4.5.20. H4.5.20.C

萌出障害・過剰歯・先天性欠如の最新記事