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嚥下内視鏡の体験会

2009年10月03日(土)


日時 2009年10月3日午後6時30分~8時30分
場所 まめだ歯科医院
講師 加藤恵巳先生
参加者 綿谷修一、松原五郎、小島登、澤野一久

 在宅NST研究会経口摂取ワーキンググループなどで嚥下内視鏡検査の映像はよく目にしていたが、実際の機器を目にするのは初めてであった。機器の構造、持ち方、ファイバー先端部の動かし方などの説明を受ける。レバーで先端部が上下に動き、グリップの回転で左右へ動く。日頃体験のないことで先端部の動きのイメージがなかなかつかめない。左手でファイバーを軽く持ち、右手に操作部を持ち、モニター画像が正常な方向になっていることを確認する。キシロカインゼリーをファイバーに少し付け、ゆっくり鼻腔に挿入し、モニターを見て進行方向を決め、進路がモニター真ん中に来るようにレバーの上下操作とグリップの回転で調整し先へ進める。レバーとグリップとモニターに意識を集中しても、思ったようになかなか画像の真ん中に進路が来ない。進路を塞がれたり、分からなくなると僅かに戻す。15センチくらい挿入すると、喉頭蓋を上から見ることができる目的地咽頭部に到達する。プリンを食べてもらうと、残留の確認ができた。慣れない体験で足に力が入り、緊張感が暫く続いていた。

嚥下内視鏡検査
www.dokidoki.ne.jp/home2/shiminhp/transnasal_endoscopy.htm
オリンパス経鼻内視鏡
www.olympus.co.jp/jp/news/2006b/nr061010evisj.cfm

VEとVFのメリットデメリット

嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査
産業医科大学リハビリテーション医学講座 千坂洋巳

—-嚥下内視鏡検査(VE)—-
☆方法:鼻咽頭喉頭ファイバースコープを用いて嚥下諸器官、食塊の動態などを観察する。
☆嚥下造影検査との比較
メリット
・被曝がない。
・携帯性に優れベッドサイド、在宅での検査が可能。
・実際の摂食場面での検査が可能。
・粘膜、唾液の状態が直視下に観察可能。
デメリット
・嚥下の瞬間は観察出来ない。
・患者の苦痛。
・鼻出血、喉頭痙攣、迷走神経反射による徐脈。
☆目的:
・腫瘍などの器質的異常の診断
・機能的異常の診断
・嚥下障害に対する代償的方法、リハビリテーションの効果確認
・患者、家族への教育・指導
☆観察事項
・咽頭、喉頭の器質的異常
・鼻咽腔閉鎖機能咽頭喉頭の不随意運動の有無
・咽頭、喉頭の粘膜、分泌物、唾液の状態
・声帯の運動
・咽頭残留
・喉頭侵入
・誤嚥

—-嚥下造影検査(VF)—-
☆方法:X 線透視下で、造影剤入りの食塊を嚥下させ、口腔、咽頭、食道の機能、構造の異常、食塊の動きを評価する。
☆ 目的:診断的嚥下造影と治療的嚥下造影がある。
嚥下造影検査の観察事項(診断的嚥下造影)
・口腔期:食塊形成、食塊の動き、口腔内残留
・咽頭期:嚥下反射、軟口蓋の動き、舌骨の動き、喉頭挙上、喉頭閉鎖、食道入口部の開大、咽頭残留、喉頭侵入、誤嚥
・食動期:狭窄、通過
治療的嚥下造影
・代償的方法((食塊の種類、一口量、嚥下方法(うなずき嚥下、息こらえ嚥下、横向き嚥下(頚部回旋)、体幹角度)で、どの条件が最良の摂食・嚥下機能を発揮できるのかを確認する。)
・咽頭残留軽減・除去の方法の検討(複数回嚥下、横向き嚥下(頚部回旋)、交互嚥下)
・治療方針の決定
・患者・家族への教育、指導(特にむせのない誤嚥の理解など)
・代替栄養法(口腔食道栄養法など)の設定(カテーテルの長さ、胃食道逆流の有無)
☆<在宅患者さんでの>検査の適応:体重減少、反復する肺炎など誤嚥が疑われる場合に実施する。

軽症の嚥下障害であれば、代償的方法((食塊の種類、一口量、嚥下方法(うなずき嚥下、息こらえ嚥下、横向き嚥下(頚部回旋)、体幹角度)で、全量経口摂取可能であることが多いが、慢性期・在宅の患者さんで中等度以上の嚥下障害と診断された場合は、代償的方法を行っても、すべての栄養を安全に経口のみで摂取する事が困難で胃瘻を含めた経管栄養併用となる事が多い。

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