フラップ手術
2016年08月22日(月)
歯周外科の目的はプラークの徹底した除去とプラークコントロールをしやすい状態にすることによって、歯周組織の健康維持を図ることである。しかし、実際にはフラップ手術をする機会は少なくなってきている。それは、長年見てきた手術後の状態が、プラークコントロールの善し悪しよりも、処置の種類に左右されないことが分かってきたからである。
どうしてもフラップ手術をしなければならない場合もある。プロービング値がピンポイントで深い時は、フラップ手術の適応と考える。
なぜこの歯の一部位だけが深くなったかは分からないが、そこだけにプラークが付着していたことが原因とは考えにくい。そして、咬合は非常に緊密であり、それが関与しているとも考えられる。
参考に
ヘミセクション
kojima-dental-office.net/20100922-320#more-320
患者 37才女性
初診 昭和62年5月2日
主訴 歯石を取って欲しい
特記事項 全顎のほとんどがプロービング値 3mm以下だが、
右下6番近心頬側の限局した部位に6mmのところがある
経過 5月から9月まで月に2,3回の赤染めによる徹底したブラッシング指導
63年
3/23 右下6番近心頬側より排膿あり
3/25 右下6番にフラップ手術
暫く1ヶ月間隔の経過観察
9/13 排膿無し
3年ほどブランクあり
患者 41才になる
初診 平成3年12月9日
主訴 右下6番の歯肉腫脹
特記事項 全顎のほとんどがプロービング値 3mm以下だが、
右下6番近心頬側の限局した部位に7mmのところがある
経過 12/9 再度、歯周病について説明し、歯周検査をする。
赤染めによるブラッシング指導をする。
抗生剤を投与する
12/13 右下6番にフラップ手術を施行する
近心頬側の骨を少し落とす
平成4年1/17 術後1ヶ月、歯肉は引き締まった状態だが、凹面で清掃が難しい。
5/8 術後5ヶ月、プロービング値は3mmだが、
歯肉の形態がすっきりしない。
9/4 歯肉の形態もすっきりしてきた。
平成5年3/3 1年3ヶ月後、プロービング値は3mmで、
歯肉の形態もいい状態。
平成6年3/2 2年3ヶ月後、プロービング値は3mmだが、
歯肉が少し赤く腫れてきている。
4年ほどブランクあり
平成10年10/27 プロービング値は3mmだが、歯肉から出血する
5年ほどブランクあり
平成17年2/12
プロービング値は5mmとなり、圧迫すると僅かに排膿が見られる。
10年ほど1年を超えるブランク無し
年に1,2回、自覚症状が出ると、時々来院。
歯周検査、赤染めによるブラッシング指導、クリーニング
ヘミセクションを勧めるようになる
患者 65才になる
初診 平成28年3月28日
主訴 左上6番部から出血、右下6番の歯肉腫脹
特記事項 臼歯部に4mmのところが増えてきた
右下6番近心の限局した部位に12mmのところがある
近心根周囲の歯槽骨に吸収がレントゲンにて確認できる
経過
3/28 右下6番近心根をヘミセクション
5/12 右下56にブリッジ
8/22 メインテナンス
右下6番プロービング値が4mm以内
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