子どもの食べるを育てよう 2016
2016年06月16日(木)
16日(木)午前10時からカンガルーム(子育て支援センター)にて食育講話「こどものお口と健康を考える」。レジュメに沿ってパワーポイントと小冊子「お口の機能を育てましょう」を使って解説しました。また、特に要望があった、膵臓の完成と糖分摂取、口の働きの発達と身体自立、口呼吸≠習慣性口呼吸、幼児期のしっかり咬む工夫を追加して詳細にお話ししました。熱心にメモを取る姿やうなずきも見られ、様々な質問もありました。
講話後、託児されていたお子さんと一緒に町の栄養士さんが作ったおやつを試食しました。
質問
・双子の一人が奥歯でしっかり噛むが、
もう一人は奥歯をうまく使えないけれどどうしたらよいか
・歯科医院で離乳食がうまくいっているのか診てもらえるか
・おしゃぶりなどの口遊びや手づかみ食べをさせなかったことと受け口に関連があるか
・3才で乳歯間隙がなくても心配ないか
・幼児から乳児へミュータンスが感染するか
・8ヶ月のお子さんに歯磨剤を使用しても良いか
【講 演】「こどものお口と健康を考える」
講師 内灘町食育サポーター
小島歯科医院 院長 小島 登 先生
*「こどもたちのカラダに優しいおやつ」の試食があります
【日 時】平成28年6月16日(木)10:00~11:30
【会 場】 カンガルーム(子育て支援センター)
内灘町向陽台1丁目97
【対 象】 内灘町にお住まいのお子さんとその保護者10組
(保護者の方のみの参加可能)
*講演中は託児があります
【参加費】 親子1組 500円
【申し込み】カンガルーム にて要予約 TEL 238-3233
【お問い合わせ】内灘町保健センター TEL 286-6101
膵臓は消化酵素を作る要
・2歳 糖質の消化酵素を大人の70%
・3歳 脂肪とタンパク質の消化酵素が大人並みに
・4歳 糖質の消化酵素が大人並みに
*膵臓は4歳頃完成し、インスリンを作れるようになる
幼児期からの砂糖、ジュース、甘いものは膵臓に負担をかける
口の働きの発達と身体自立
①スキンシップと話しかけ
・口腔の過敏さを除去し、スムーズな感覚入力と緊張のない筋肉運動をさせる
・子どもの身体を触りながら見つめ合い、優しく全身を触ることで
情報が入りやすい体と心が形成される
ところが、目を合わさない母親の行動は、過敏で情報が入りにくい子どもに、
不信と不安を持たせ、母からの自立がなかなか進まないために、
周囲に対する興味が無く社会への自立が遅れる
②原始感覚系 → 識別感覚系
・触覚は、二つの神経伝達ルートを持つ。
原始感覚系の神経回路 生体の防御や危険回避を行う
識別感覚系の神経回路 対象物の大きさや性状や形などの識別を行う
・生まれてしばらくは、原始感覚系の神経回路が優位にあるために、
子どもは不意に顔や身体を触られることを嫌がる。
敏感な子は特に。
・どんなに敏感でも触れたまま動かさなければ感じなくなる
ゆっくり動きを感じないような刺激を継続的に続ければ
子どもの身体は識別系へと転換される
・何をしても痛いは、原始感覚系の神経回路が優位なお子さん
目を開けることから始める →識別系感覚系へ
頬→口唇→舌と歯との間に指を入れる、止める→舌を触る
・触覚は、「触られる」感覚ではなく、「触る」という能動的な感覚機能である
・乳児にとって玩具舐めや指しゃぶりは触覚を活性化させる重要な行為
・全身発達は、「感覚運動系」によって機能獲得する
他の感覚と協調・統合することで
随意的にスムーズな運動動作を獲得する
③もう一つの触覚「固有感覚」
・触覚
「皮膚感覚」皮膚からの刺激を伝える
「固有感覚」皮膚の内部(筋肉や関節や靱帯)からの刺激を伝える
・固有感覚はいくつもの筋肉の協調運動によりチカラ加減を作り出す
・ぶどうパンや豆ご飯など混ざったものを嫌う。一品食べとして現れる
・筋肉の調整が利かないために動きが速くなりがちで、
チカラ加減のない乱暴さを感じる。
廊下をバタバタ歩く、怒鳴ったようにしゃべる、転びやすい、
身体が硬い、指が上手く折れない、折り紙の端が合わない、
枠からはみ出して字を書くのでいつも消しゴムは離せない
・筆圧が強い
④反射的な運動 → 随意運動
・胎児期から新生児期において反射的な運動が、
やがて「意識」して動かす、いわゆる随意運動へと変化する
出生直後の吸啜は、無意識に反射のような運動
乳汁が空になるか筋肉疲労で吸えなくなるまで吸啜する
→
出生後1ヶ月を過ぎた頃から徐々に意識下の運動が混在する
哺乳を中断し遊び飲みができるようになる。「意識の目覚め」
運動に「意識」が入ることにより機能を形成する力が格段に向上する
・反射的な運動
口に手を持っていく運動
音の方に首を向ける運動
・運動発達に意識が深く関わる
口腔機能の獲得に遅れや問題があるものに対して顎や舌の運動を行わせると
鏡を見ているにもかかわらず自分自身の体を意志通りに動かすことができない。
例えば、舌を丸める。
つまり、口腔機能が上手く発揮されない原因として意識下の運動学習が不足していることが想像される
口呼吸≠習慣性口呼吸
・授乳している乳児は鼻呼吸だが、
言葉を話すようになると口呼吸を覚える
口呼吸するのは人間だけ
口呼吸になると誤嚥の問題が生じる
・激しい運動をすれば補助的に口呼吸が始まる
・安静時でも口で呼吸している場合は習慣性口呼吸
幼児期のしっかり咬む工夫
・床にしっかり踵を着けて椅子に座る
・食事時の姿勢を整える
・食事の時に飲み物を用意しない
・大きなものをよく噛んで食べる
・口を閉じて嚥下する
1歳半健診の確認事項
1)口腔内で処理できない大きさや硬さの食物が入った時、口腔内に貯めておいたり、丸飲みしないで口腔から吐き出せるような能力が身に付くこと
2)目と手と口腔の運動の協調性が確立し、食物の大きさ形状に合わせて口の構えを作り、こぼさないで取り込める能力が身に付くこと
3)食物を見ると欲しがり、手を伸ばしてスプーンなどでひとりで食べ、水分はコップを持って飲める能力が身に付くこと