食育と虫歯予防2009
2009年01月28日(水)
食べることに欠かせない歯の健康について 1月28日(水)11時から12時まで、子育て支援センター・カンガルーム内灘にて、準備したレジュメ、パソコンのイラストや写真を見ながら「食育と虫歯予防について」を解説しました。0から2歳児の子どもとそのお母さん約25組、昨年の2倍以上の参加がありました。また、看護学生やかほく市の栄養士さんも来ていました。
まず、虫歯とミュータンス菌や唾液の力との関係やそのリスクが調べられることをお話ししました。ミュータンス菌は、母親から1~4歳児の口へ感染することが多いですから、虫歯の経験が多い母親は食べものを与えるとき直接感染にできるだけ注意をします。歯表面プラークが酸性になったときに脱灰し、唾液によって中和されると再び石灰化します。したがって、食べ物の摂取にメリハリをつけることと寝る前にできるだけ食べないことが重要です。そして、アメやジュース等の付き合い方やフッ素の使い方にも触れました。小さい頃から歯ブラシの習慣をつけることや仕上げ磨きの時に痛がらないように上唇小帯を指でカバーすることを付け加えました。また、虫歯かどうか判断に困る歯には、レーザーう蝕診断器を利用して、削らなくてはならないか経過観察するかを調べます。
次に、上口唇が山形になっていたり、頤部に緊張した皺があったり、舌が細かったり、舌側縁に歯の痕が付いていたり、歯の生え替わり時期にスペースが不足していたりする形態的に問題がある幼児が目に付くようになったことや、最近、保育現場などから「噛まない子」「噛めない子」や「なかなか飲み込まない子」というような機能的に問題ある報告も増えてきていることを話しました。これらの大部分は、離乳期に原因がある咀嚼発達障害と考えています。
離乳食の進め方には、食べる機能を引き出すために「どのようにして」食べるかという視点と、唇や舌の動きをよく見ながら、あわてないでステップをゆっくりと踏んでいくことが大切です。特に、下口唇がスイッチで、上口唇が1回量を決めることを学び、唇を閉じることを確認して食べることを強調しました。そして、目と手と口の協調運動を学べる手づかみ食べや、スプーンやフォーク、箸の使い始める時期についてもお話ししました。
参加者から数多くの質問があり、関心の高さが伺えました。また、講演が終わってから、「もう少し早く聞きたかった」「飲み物を飲まないで食事しますわ」「目から鱗でしたわ」等の感想がありました。お弁当を食べながら早速実践しているお母さん達もいました。
日時 2009年1月28日(水)11:00~12:00
場所 子育て支援センター・カンガルーム内灘
TEL 076-238-3233
講師 石川県河北郡内灘町 小島歯科医院
院長 小島 登
内容 1.虫歯とミュータンス菌や唾液の力との関係
2.食べる機能を引き出すための離乳食や幼児食の進め方