抜歯後回転させて再植
2006年02月07日(火)
上顎前歯が斜めに破折し、唇側歯質が歯槽骨縁より下になってしまった場合は、一度抜歯し回転させて元の抜歯窩に戻し上に来るようにする方法もある。唇側に歯質があることによって、咬合時の下顎前歯から受ける力にかなり抵抗できるようになる。残存歯質の状態や歯冠歯根比率、歯周炎の状態、プラークコントロールの状況などを総合的に判断して実施する。
歯の再植
kojima-dental-office.net/20080818-906#more-906
症例
患者 31歳男性
初診 平成6年8月17日
現症 左上2番唇側歯肉が腫れてきた
診断 左上2番歯根水平破折
治療計画
補綴物を除去後に残根状況などを確認して抜歯や再植等も含めて判断する
経過
平成6年
8/17 抗生剤の内服
8/20 上顎左右2番部歯頸部近くの歯肉にアブセス
咬耗が著しい
レントゲン写真にて歯根破折は確認できない
左上2番のみに動揺が見られ、プロービング値が5~6mm
赤染めによるブラッシング指導
ハブラシ圧が強い
8/27 赤染めにてプラークコントロール良好を確認
補綴物を除去すると、それに一部歯質が接着
斜めに歯根破折、唇側歯質は歯槽骨縁下に
抜歯をして180度回転させて再植する
唇側歯質が歯肉縁上になる
9/10 再植歯周囲歯肉は良好
口蓋側歯質も歯肉縁ぎりぎり
暫間被覆冠作製
経過観察
平成8年
2/7 左上2番は良好
多くの歯の歯肉縁に毛細血管の赤いスジが見られる
治ろうとしているが、ハブラシ圧が強い
ダメージ・再生を繰り返している
右上2番に再びアブセス
プラークコントロールの継続が必要
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