のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

エッセイ

ふと思うこと

歯科診療所もプラズマ滅菌へ

2024年07月16日(火)

 医療器材の滅菌は大きく高温滅菌と低温滅菌に分類される。医療器材を滅菌するのにも最も安全かつ一般的な方法は高圧蒸気滅菌である。高温に耐えられない器材は低温滅菌(ガス滅菌)となる。
 これまでプラスチック製品やゴム製品など熱に弱いものは、エチレンオキサイドガス滅菌、ホルマリンガス殺菌(滅菌では無い)を行っていたが、共に毒性が強く歯科医院での使用に際し不安があった。
 低温過酸化水素ガスプラズマ滅菌は、将来のスタンダードになる。滅菌後に排出されるものが水と酸素であり、患者さんや働くスタッフにも優しい安全性の高い滅菌システムである。 続きを読む

アフターコロナのお楽しみ

2021年12月03日(金)

 コロナの前であれば、今思えば何も考えずに楽しんでいた。気兼ねなく友と集まって、美味しいものを食べながら、わいわい楽しく他愛もない話をしたり、映画館や美術館へ自由に足を運んだり、ライブで感動したりしてした。わくわくスケージュールを立て、胸躍らせて旅に出かけていた。未知なる文明・文化、異民族や他宗教との関わり、自然や動物との共存、便利さではなくエコや歴史を重んじる理念にも触れてきた。そして何より、その土地ならではの食文化にも親しんだ。 続きを読む

キャッシュレス化が医療機関を苦しめる

2020年06月12日(金)

 カード会社などの手数料(約3%)を考えると、現状では保険診療の窓口負担をキャッシュレス化することは困難である。また、ポイント付与に関する療養担当規則の問題もある。現金決済を維持しようとすると、どうしても必要となる釣り銭を準備しなければならない。今まで無料であった小銭への両替が有料になり、新たな負担が生じてきた。医療機関の窓口負担をキャッシュレスにするのであれば、カード会社への手数料をもっと下げる働きかけをすべき。同時に、窓口収入から目減りする手数料分を補填する仕組みを導入すべき。保険医協会として、保団連として何か対策の議論や運動をしなければならないと思う。 続きを読む

STロックが発売中止

2021年03月25日(木)

www.dentsplysirona.com/ja-jp/news-article.html/content/newsroom/ja/corporate-news/2020/news-discon-ort-lab-rst-products-20-1001.html
 噛み合わせが逆(反対咬合)の場合に使用されてきたリンガルアーチ(舌側弧線)に欠かせないSTロックが発売中止となった。上顎前歯を前方拡大する臨床に大きな影響を及ぼすことになる。歯学部や技工士の教育現場でも対応が迫られている。教育要綱にリンガルアーチは入っている。
 STロックは三金工業で販売していたが、吸収合併したデンツプライシロナに引き継がれていた。しかし、慣れ親しんだ素晴らしい製品とともに販売中止となった。効率だけが価値判断基準となり、医療に携わる者としての誇りを忘れているのではないか。「利潤と道徳を調和させる」経営哲学に立ち返ってもらいたい。 続きを読む

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