歯と口腔の健康づくり推進計画や食育推進計画に「口の働きを育てる」施策を
2025年08月10日(日)
歯並びの叢生は、約50年前まではあまり見られなかったが、診療室で約30年前より永久歯に見られるようになり、約10年前より乳歯にも見られるようになってきた。3歳児健診でも、下顎の乳前歯で叢生が見られるようになった。
2022年10月11日公表した厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 歯科口腔保健の推進に関する専門委員会の報告書によると、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項19項目の中で、唯一悪化しているのは「3歳児の不正咬合」であった。この原因は、添い乳と食姿勢や食べ方、鼻閉などによる口腔機能発達の仕方にあると推測され、それらを学ぶ機会が重要である。
しかし、令和6年8月に公表した第3次いしかわ歯と口腔の健康づくり推進計画では、乳幼児期や学齢期のむし歯有病者率の現在値や目標値が記載されているが、乳幼児期 に「摂食・嚥下機能を獲得し、食べることを身につける重要な時期です」の一文にとどまり、3歳児の不正咬合の割合や経年推移、目標値などの現状の記載はない。
また、令和4年度~令和8年度の第4次いしかわ食育推進計画には、基本的な食習慣を身に付けること、伝統ある優れた食文化を継承すること、生活習慣病予防に繋がる健全な食生活を実践できるように栄養学的な判断力を身につけることを目的に掲げているが、口の働きを育むことが含まれていない。
今後、いしかわ歯と口腔の健康づくり推進計画やいしかわ食育推進計画に、3歳児の不正咬合の現状や目標値と、正常な口腔機能の獲得・成長を促すための「口の働きを育てる」周知活動の施策を盛り込むべきである。
参考に
3歳児の不正咬合が増えている
kojima-dental-office.net/blog/20231017-17391#more-17391
歯科口腔保健の推進に関する基本的事項
最終評価報告書(2022年10月11日公表)
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会
歯科口腔保健の推進に関する専門委員会
www.mhlw.go.jp/content/000999685.pdf
厚生科学審議会 地域保健健康増進栄養部会
www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127751.html
第3次いしかわ歯と口腔の健康づくり推進計画 17ページから
www.pref.ishikawa.lg.jp/kenkou/documents/zenntai.pdf
第4次いしかわ食育推進計画
www.pref.ishikawa.lg.jp/kosodate/syokuiku/2018/documents/2018-2/documents/4ji-keikaku.pdf
添い乳の弊害について
kojima-dental-office.net/20131009-208#more-208
お口の機能を育てましょう
kojima-dental-office.net/category/ikusei/function
- カテゴリー
- ふと思うこと