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歯肉・頬粘膜に見られる腫瘍

2020年09月03日(木)


H4.8.18.C H4.8.18.B

 抗菌薬の内服や歯科的な処置をしても、いつまでたっても治らない口内炎や創傷、あるいは腫瘤や潰瘍、白斑や紅斑は腫瘍を疑う必要がある。健常組織との境界が不明瞭または、触診で硬結を認める場合は悪性の可能性が高い。
症例1
患者  58歳女性
初診  1992年8月11日
主訴  左下3~5番部に乳頭状の腫瘤
診断  乳頭腫
経過
1992年
 8/11  抗生剤内服
 8/18  県立中央病院に紹介
 10/15 入院
 10/16 腫瘍摘出術と植皮術(右大腿部採皮)
1993年
 1/21  下顎に義歯作製

症例 2
 1994年より25年以上プラークチェック、クリーニングを続けてこられ、必要なときに必要な処置も受けられていた。1ヶ月前の定期検診時には異常が見られなかったが、突如として歯牙欠損部に原因不明の歯肉膿瘍が現れた。県立中央病院口腔外科に精査をお願いした。1ヶ月後に入院・手術することになり、確定診断は悪性乳頭状唾液腺腫だった。初期がんの早期発見、早期の受診により、頸部リンパ節などは経過観察になった。今後も連携をとり定期検診を続けていく。
患者  55歳男性
初診  1994年3月1日
主訴  右上3,4番部に歯ブラシが当たると痛い
現症  歯ブラシ圧が強く1ヶ月で歯ブラシが広がる
診断  悪性乳頭状唾液腺腫
経過
1994年
 3/2 左下臼歯部のプロービング・デプスが深い
1994.3.2.

1998年
 1/10 左下7番を抜歯
2006年
 3/27 左下4と6番を抜歯
 4/11 左下に義歯装着
2013年
 11/22 パノラマ写真にて左側下顎臼歯部に抜歯窩の透過像が見られる
2013.11.22.

2020年
 5/29 定期検診時には左下臼歯部に異常は見られない
 2020.5.29.

    6/23 左下臼歯部が腫脹
 6/24 当院受診
      左下臼歯部歯牙欠損部に歯肉膿瘍、排膿あり 
      X線写真にて骨吸収像と骨辺縁部の数個の小さな不透過物が確認できる
      抗生剤を3日分処方
2020.6.24. 2020.6.24. (2)

 6/27 歯肉腫脹に変化なく、石川県立病院口腔外科へ紹介する
 6/29 石川県立病院口腔外科を受診、精査開始
 7/22 入院
 7/23 全身麻酔下にて左側下顎骨腫瘍切除
 8/3  退院
 8/12 小唾液腺由来の悪性乳頭状唾液腺腫と診断される
      県立中央病院にて毎月1年間、頸部リンパ節などの経過観察
 8/28 当院にてプラークチェック、クリーニング

 唾液腺腫瘍の病理 小唾液腺腫瘍を中心に
www.jstage.jst.go.jp/article/jsot/23/3/23_3_50/_pdf
 小唾液腺では悪性腫瘍の割合が比較的高く、口底と臼後部では多くが悪性である。病理組織学的診断が重要である。それに加え、免疫組織学的検査は、腫瘍の進行度や増殖能の確認にも利用され、患者の予後判定にもつながる。

症例3
患者  47歳男性
初診  1987年4月6日
主訴  左口角部内側に腫瘤
現症  可動性の境界明瞭な弾力のある腫瘤
診断  線維腫
S62.4.6. S62.7.22.

経過  
4/6  国立金沢病院(現 金沢医療センター)へ紹介
      摘出術
7/22 経過観察

症例 4
S63.3.29.dul患者  64歳男性
初診  1988年3月29日
主訴  口腔内左側が痛い
現症  上下総義歯装着
    上顎左側歯肉頬移行部に潰瘍
診断  義歯による褥瘡性潰瘍
経過
 3/29 義歯の内面を調整
      義歯を1日外しておくように指示
      ケナログを患部に塗布
 3/30 潰瘍が小さくなる
      義歯使用再開
ケナログを患部に塗布
 4/7  治癒

症例 5 
S59.6.13.B患者  10歳男性
初診  1984年6月12日
主訴  口蓋粘膜が痛い
現症  右側4~6番部口蓋側に小疱様のアフタ
診断  ヘルペス性歯肉口内炎
経過
 6/12  口腔清掃指示
 6/13  抗生剤内服
 6/18  症状改善
 単純疱疹ウイルス
kojima-dental-office.net/blog/20201009-14315#more-14315
 ヘルペス性歯肉口内炎
 1型単純ヘルペス(HSV-1)の感染により発症する。小さな水疱が複数でき、すぐにつぶれ、びらん(口内炎)になるようなら、ウイルス性のものを疑う。水疱は、すぐにつぶれ、びらんを形成し痛みが出る。唾液などを介して、接触、飛沫感染する。
 子供では、口唇や前歯部の歯肉にかなり強い症状が出るが、大人の場合は、比較的軽く口蓋や舌、歯肉などさまざまな部位にできる。症状が治まるのに1~2週間かかる。痛みが強い場合は、食べやすいものを積極的にとり、体力を落とさないようにする。
 治療はアクシロビルなどの抗ウイルス薬を服用または軟膏(ゾビラックスクリームなど)を塗布することにより、快方に向かう。ウイルス自体は、根絶することはないので、体力が落ちたときなどに再度、同じ症状が出る。
 痛みには、アセトアミノフェンを使用する。非ステロイド系の消炎鎮痛剤やステロイド系の軟膏は、感染を拡大する傾向があるので、使用しない。気をつけることは、通常の口内炎だと思いケナログやアフタゾロンなどといったステロイドの軟膏を塗布してしまったり、痛みを止めるためにロキソニン、ボルタレンなどの非ステロイド系の鎮痛薬を服用してしまうと感染が増悪し、お口の中が広汎に水疱、びらんが形成されてしまう。
 アクシロビル
druginformation-clinic.com/aciclovir/

 

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