思春期の歯肉炎
2010年01月28日(木)
思春期の歯肉炎の特徴は、歯間乳頭が球状に肥大することである。主因は口腔内の清掃不良であるが、エストロゲンとプロゲステロンの性ホルモンも影響している。Prevotella intermedia( Bacteroides intermediaと呼ばれていた)はエストロゲンやエストラジオールによって発育が促進される。女性ホルモン分泌の活発な思春期や妊娠時には歯肉浸出液にも混入し、この菌が歯周局所に爆発的に増えてくるために、プラーク量に比べて腫脹が顕著になるように思える。
また、スポーツ飲料や軟性食品摂取、夜食などの食生活と部活や受験などの生活環境にも踏み込んだカウンセリングも必要である。
患者 14才女性
初診 平成3年2月5日
主訴 歯並びが気になる
現症 歯肉が赤く腫れている
経過 歯科衛生士によるブラッシング指導の結果、6週間後には歯肉の腫れが少し消退し、歯石が見えるようになった。また、歯肉縁には必死に治ろうとする毛細血管の造成が見られる。そして、部活や、受験などで中断していたにもかかわらず、3年後にはかなり改善し、それ以降高校卒業するまで毎月指導を受け続け、いい状態を持続している。
6週間後 3年後
3年2ヶ月 3年5ヶ月
3年9ヶ月 4年2ヶ月
- カテゴリー: 家族と歯肉