小島歯科医院 名誉院長ブログ

腎疾患の歯肉

1997年09月27日(土)


症例1
慢性糸球体腎炎
患者 41才男性
初診 1993年9月27日
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                                                    初診時と2年半後

解説
 腎臓疾患の歯肉では『もこもことした』線維性腫脹は著しいですが、発赤はあまり見られません。この症例では、歯肉はどちらかと言えば蒼白です。炎症の変化が現れにくく、変化も遅いです。プラークコントロールにより歯肉の改善は見られます。

症例2
腎不全にて腹膜透析
患者 39才男性       
初診 1989年11月14日 
   1995年8月に腎移植
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       初診時
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                                       移植後半年後と1年3ヶ月後
解説
 初診時、歯肉腫脹は見られますが、発赤は見られません。綺麗に磨けるようになりましたが、歯肉の状態はほとんど変わりませんでした。腎移植後歯肉の表情が変わり、発赤、腫脹が強くなっていきました。レントゲン写真でも著しい骨吸収が認められました。免疫抑制剤の影響と思われます。セルフケアを包み込む短い間隔のプロフェショナルケアで早くから見守っていきたかったです。 

参考までに
免疫抑制剤の影響
 石川県立中央病院で施行された心臓移植後の免疫抑制剤の影響と思われる歯肉腫脹と局所麻酔下で行われた歯肉切除術後の状態です。

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                                  心臓移植後の歯肉と歯肉切除後の歯肉

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