歯肉アーム部の破折で考えたこと
2012年12月15日(土)
トラブルが生じた時に、冷静に考え自分を信じることが大切だと思う。目の前の現象にとらわれて、慌てふためいて対応すると、取り返しのつかないことが起きる。
今回の症例でも、義歯が合わない、即、義歯の調整と思いこまずに、なぜだろうと、ふと間を置いたことが良かった。10日ほどの義歯未装着によって歯が移動するかもしれないという柔軟な発想が成功への秘訣だった。
患者 67才女性
初診 2009年3月18日
経過 4/17に上顎両側4~7番のノンクラスプデンチャーを装着する
12年11/9に右上3番部の唇側アーム部が破折した
修理のため印象を採り義歯を預かる
11/20に修理した義歯を装着するも、
口蓋部後縁に浮き上がり感があり咬めないし、話しづらいと訴えた。
原因を以下の4点から義歯に求めず、残存歯の唇側傾斜と判断した。
・修理した3番部の適合は良かった
・義歯は3年半快適に使用されていた
・上顎前歯部残存歯が中等度歯周病により動揺していた
・歯肉アームに歪みが生じるほど強い咬合力がかかっていた
この考えを患者さんにお話しし、理解して頂いた。
11/21、昨日4時間ほど装着していたら口蓋部にフィットし、
元に戻ったと喜んで来院した。ホッとした。
歯肉アーム部の破折
kojima-dental-office.net/20091028-1938
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