悪魔の傾聴
2023年01月08日(日)
会話も人間関係も思いのままに操る
飛鳥新社
中村敦彦 著
2022年9月28日発行
1400円
悪魔の傾聴とは、相手に最大限の自己開示をさせ、本音を引き出しまくる聞き方術。これを一番使って欲しいのは、現役のライターや編集者、その道を志している人たち。
日本人は年代を問わず、本音をオブラートに包みがち。ずっと昔から建前や忖度は常識なので、人の本音を引き出してしまう悪魔の傾聴は、ネガティブな副作用も起こりうる。
参考に
ヘルスカウンセリング
kojima-dental-office.net/19990516-2823#more-2823
歯科衛生士のためのヘルスカウンセリング
kojima-dental-office.net/blog/20210911-14907#more-14907
なぜ、この人と話をすると楽になるのか
kojima-dental-office.net/blog/20160118-1276
1.基礎編
必要なのは簡単な技術と、日々の意識の心がけだけ。相手に対して「~をしない」不作為の技術、今までの思考や行動を意識して封じることが中心。相手に寄り添う「聞く会話」を身につけ、相手の興味を聞きながら相づちを打ち、繋げるだけ。ネアカ・ネクラなど性格は全く関係なく、口下手でも人見知りでも誰でも習得できる。コミュニケーション能力が低いことは、本音を引き出す傾聴にはプラスに働く。聞き手が相手の「話したい」「伝えたい」願望を叶いやすいように環境を作ることが重要。
絶対やってはいけないことは、
・相手の話を否定する
・他人と比較する
・自分の話、自分の意見、アドバイスをする
2.ピックアップ・クエスチョン
すでに相手が発言した単語や主旨を拾い、即座に短い質問を投げかけるテクニック。自分が聞きたい・知りたい質問ではなく、相手の語りをもっと進めるための質問を投げかける。相手にとってはちゃんと聞いてもらっている確認となり、その話を続けることができる。
3.雪だるま術
人の語りは、欲望と感情を意識して、聞けば聞くほど生き生きとした物語となっていく。質問・返答を繰り返していくことによって相手の物語を膨らませ・転がしていく手法。会話の主導権は常に聞き手にある。
最初の質問が人間関係の始まり。声をかけて始めて会話が始まる。話しかける行為は、「相手を選べる」メリットがある。
会話の始動は極めて重要。相手を観察しながら、自分自身が面白いと思えて、なるべく相手が返答しやすい質問を心掛ける。自然に、軟らかく、日常会話のように始める。第一声には、「好意があるアドバンテージ」「褒め言葉」「事象の確認」のトリプルの好転要素を詰めこむ。やっていけないのは、イエス・ノーの返答だけで成り立つクローズド・クエスチョン。
4.実践編 悪魔の傾聴を使いこなす
①悪魔の傾聴に適した場所はオフの場
人間誰しも、ビジネスの場面で見せる顔(オン)と、自宅やプライベートの顔(オフ)は違う。オンは心に制限がかかっている理性的な状態で、語りも限られる。オフの場では、会議室とは違う姿を見せ、違う語りをする可能性が高い。
②傾聴に望む心構え
相手の語りのリズムに合わせることが最重要。メモを取らない。ノートパソコンに打ち込まない。すぐに本題に入り、5W1Hを積み重ねる。
③常に制限時間90分と設定する
聞き手は、40分くらいまでは相手の語りはどんどん自分の中に入っていくが、90分を超えると集中力がなくなり、自分の頭の容量もいっぱいになり、インプットができなくなる。
- カテゴリー
- 働き方