のぼるくんの世界

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健康保険証の廃止の問題点

2024年09月19日(木)


 現行の法律では、「マイナンバー」は強制、「マイナンバーカード」は任意となっている。「マイナンバー」は、国民の情報を一元的に管理することができない仕組みとし、特定の機関に個人情報が集約されないよう、それぞれの行政機関が個人情報を分散して管理している。また、役所での業務や、電子申告する時に国税庁とやりとりするといった、限られた場所でしか使われない。その暗証番号も英数字混合の6~16桁。しかも、政府が全力を挙げてがっちりガードしているので、もし情報漏れが起きたら、政府が全責任を負う。
 しかし、「マイナンバーカード」は、ハンコに例えるなら実印と認印を混在させた摩訶不思議な物になっている。いろんな用途に拡大しやすくするためにセキュリティをゆるく設計されている「マイナンバーカード」に、リスクも分かった上で、自己責任で参加の同意をしたのだから、情報漏れなどのトラブルに政府は責任を負わない。
 それなのに、政府は、2023年6月2日、「改正マイナンバー法案」を成立させ、2024年12月2日に従来の「健康保険証」を廃止して、「健康保険証」の機能を持たせたマイナンバーカード・「マイナ保険証」に一本化する。「マイナ保険証を持っていないと、医療機関にかかれなくなる」と、国民に不便を強いることでマイナ保険証を押しつけ、マイナンバーカードを「任意」のままで、事実上の「強制」に持ち込もうとしている。
 出発点が間違っていると、どんなにその後の論理が正しくても、辿り着く終着点は間違ったものになる。任意のマイナンバーカードを法律を変えて義務にして、芋づるにならない分散管理に設計をやり直さないと辻褄が合わない。時間がかかるからそれまでは保険証を残す。義務にすれば漏洩などは国が全責任となる。一番大切なことは、使う側の視点に立った開発をすること。耳を傾けること。 

 荻原博子著「マイナ保険証の罠」 2023年09月07日
kojima-dental-office.net/blog/20230907-17372
 マイナ保険証、国家公務員の利用率4.36% 2024.2.5.
news.yahoo.co.jp/articles/36c57d0d885398c3cf9325c0450011e0dc21ba18

 参考
 ・講演レジュメ  資料 健康保険証廃止とその背景にある医療DX
-医療現場からみた論点と課題
工藤浩司
 日時:2023年9月15日

 ・海外のマイナンバー(国民ID)事情 2020/08/03
www.manegy.com/news/detail/2873/
 マイナンバー制度について 「社会保障・税番号」2015年10月18日
kojima-dental-office.net/blog/20151018-4670
 マイナンバーの利用範囲拡大を阻止 2015年10月07日
kojima-dental-office.net/blog/20151007-3453

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