世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ
2020年11月01日(日)
くさばよしみ 編
中川学 絵
ブックデザイン 上野かおる
翻訳 木戸玲子
資料提供 ウルグアイ大使館
汐文社
2014年3月 発行
1600円
人類の幸福とは何か、深く問いかける絵本
2012年、ブラジルのリオデジャネイロで、環境が悪化した地球の未来について話し合う国際会議が開かれた。ムヒカ大統領は、ウルグアイの公用語であるスペイン語で演説した。実際の映像は
www.youtube.com/watch?v=mc-iIZp5SI8
私たちが挑戦しなくてはならない壁は、地球環境の危機ではなく、私たちの生き方の危機。人間は、自分たちが生きるためにつくった仕組みによって危機に陥っている。
古代の賢人エピクロスやセネカ、そしてアイマラ民族は、人間にとって何が大切かを教えている。「貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、限りなく多くを必要とし、もっともっと欲しがること、いくらあっても満足しないこと」
欲深さを満足させるためには、たくさん売らなくてはならないから、持ちの悪いものをつくらなければならない。1個の電球は、1000時間以上使うと切れてしまう。使い捨て文化でなければならないから、10万時間も20万時間も持つ電球はあるけれども、作ってはいけない。人生は短い。必要以上のものを手に入れようとすれば、働きづくめで早々に命が尽きてしまう。
違った文化を創ろう。社会が発展することが、幸福を損なうものであってはならない。発展は、人と人とが幸せな関係を結ぶこと、子どもを育てること、友人を持つこと、地球上に愛があることを作ることの味方でなくてはならない。つまり、発展とは、人間の幸せの味方でなくてはならない。
私たちは発展するためにこの世に生まれたわけではない。この惑星に幸せになろうと思って生まれてきた。今の生き方をずるずる続けず、私たちの生き方がこのままでよいのか考え直す時が来た。人類が幸福であってこそ、よりよい生活ができる。
エピクロスとセネカ
www.luciusannaeusseneca.com/900-2
アイマラとケチュア
www.circam.jp/essay/
ペルーとその周辺国
kojima-dental-office.net/blog/20200123-13540
古代アンデス文明展
kojima-dental-office.net/blog/20171213-8346#more-8346
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