経済政策と医療政策
2015年06月14日(日)
第60回 保団連北信越ブロック会議
日時 2015年6月14日(日) 10時15分~16時50分
場所 ホテル日航金沢
参加者 53名
A.学習講演会
演題 「非正規大国」日本の格差と貧困-雇用と労働を中心に考える
講師 伍賀一道氏(金沢大学名誉教授)
討議・意見交換
B.当面する医療政策課題と医療運動のあり方
大川義弘
C.地域包括システムと口腔機能改善等における歯科医師の役割
平田米里
メモ
A.「非正規大国」日本の格差と貧困-雇用と労働を中心に考える
1.低い失業率なのに、高い貧困率(欧米に比べ)
背景 セーフティネット(失業給付・生活保護)の脆弱
→非正規雇用や劣悪な就業へ誘導
*非正規雇用のなかには「半失業」(働いている失業者)が多数含まれている
*相対的貧困率が過去最高
2.働き方・働かせ方
非正規雇用の全年齢層への拡大
男性の非正規雇用化
最低賃金水準は「家計補助的就労」を前提としていた
非正規雇用が拡大すると、正規雇用の長時間労働が進む
子供の成長を見られないことも貧困の一形態
労働環境悪化による精神疾患の増加
3.自己責任論は、行政による政策の乏しさの現れ
社会的公的サービス(子育て、教育、医療、住宅)の国家保障なしに
「日本型雇用」を解体すれば膨大な貧困難民が発生することは不可避。
4.派遣法改正案
toyokeizai.net/articles/-/73553
労働者が取りかえられるだけになり、直接雇用につながらなくなる
企業は人を変えればずっと派遣を続けられるようになる
専門職26種も受け入れ期間は3年になる
B.当面する医療政策課題と医療運動のあり方
1.沈みゆく大国 アメリカ 堤未果
kojima-dental-office.net/blog/20160729-2321
国民の命が、憲法によって守られるべきだという日本と、
市場に並ぶ商品の1つだというアメリカ
2.経済政策で人は死ぬか デヴィッド スタックラー ,サンジェイ バス
自然実験
大恐慌・ソ連崩壊・東アジア通貨危機後に行われた各地域の経済施策の違いが
成長率だけでなく、平均寿命や死亡率にも影響を与えた。
社会保障政策を正しく運営すれば、景気を押し上げる
緊縮政策によって得をする立場にいる政治家に都合のいい神話である
3.国民の安心を支える社会保障 田中滋
社会保障関連費だけのために、国債残高が増えているわけではない
しかし、2割分の理由になっている
4.地域包括ケアシステム 2014年1月 医療介護確保法案での定義
地域の実情に応じて、高齢者が可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じて自立した生活を営むことができるように、医療、介護、介護予防、住まいおよび自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制
【地域包括ケアシステムの3つの系譜】
・政策課題としての地域包括ケア
介護保険制度の負担をいかに軽減させるか
・地域包括ケアの社会的理論
病気が完治しなくても適切な支援を受けながら生活を継続させる
「医学モデル」→「生活モデル」
・地域包括ケアの現場の取り組み
現場の経験智
C.地域包括システムと口腔機能改善等における歯科医師の役割
粛々と今まで通りに取り組む
取り組みやすいように医療保険や介護保険などを改善
パブコメの紹介
kojima-dental-office.net/20150224-1710
必要性とリスクに応じて訪問と診療室の混在を可能に
住民(特にケアマネ)へ訪問歯科診療を周知
口から食べることを他職種と連携
連携手帳
金沢在宅NST 経口摂取相談会が先進的取り組みとして紹介される
kojima-dental-office.net/20150513-1367
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