障害のある人への差別と排除を考える
2017年07月18日(火)
~相模原障害者施設殺傷事件を契機として~
第4回 地元若手研究者との役員勉強会
講師:高橋涼子氏(金沢大学地域創造学類教授 福祉マネジメントコース)
相関社会科学専攻
日時:7月18日(火)午後7時15分~8時30分
場所:保険医協会 会議室
参考に
第1回 棟居徳子氏(金沢大学人間社会研究域法学系准教授)
kojima-dental-office.net/blog/20141104-4592#more-4592
第2回 曽我千春氏(金沢星稜大学経済学部教授)
kojima-dental-office.net/blog/20151124-4589
第3回 石田道彦氏(金沢大学人間社会学域法学類教授)
kojima-dental-office.net/blog/20161018-4585#more-4585
メモ
多視点から考えることが多く、頭の整理が追いつかない。当事者の人権と選択を守らず、自己責任を生み出す社会。知らず知らずに流されていく自分。
1.津久井やまゆり園の歴史
1964年 県立直営施設として開設
2005年 民営化 社会福祉法人かながわ共同会が運営引き継ぎ
2016年 事件発生
2017年 神奈川県が全面建て替え方針発表
・大規模な施設には建て替えない方針
・家族からは同規模の再建を求める意見
2.事件が示す現実と課題
①障害がある人たちに対して
・優生思想
・措置入院
・事件後に実名を非公表
・建て替えに本人の意志反映されず
②元職員が優生思想を抱いていく背景
・社会の価値観
・地域で支えられない現実
・精神科治療の閉鎖性
・国の施策
③障害のある人に関するデータ
何らかの障害を持つ人は国民の6.7%
・身体障害 392万人
65歳以上の割合が増えている(7割)
施設入所 1.5%
・知的障害 74万人
認知度が上がり増加
施設入所 16.1%
・精神障害 392万人
入院 8.1%
④国の検証と再発防止策
・封じ込め強化(措置入院と退院後)
3.日本の障害者施策の歴史
①日本国内の潮流
www.mhlw.go.jp/seisaku/kaigi/2010/05/dl/k0512-1a_0007.pdf
・施設から地域へ 大規模から小規模・グループホーム
・2011年 障害者基本法改正
・2012年 障害者自立支援法廃止
障害者総合支援法成立
・2013年 障害者差別解消法成立
*全国手をつなぐ育成会連合会や全国重症心身障害児(者)を守る会が要望
*障害者に対応する仕組みを作らなければならない
②国際的な潮流
www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n251/n251_01-01.html
1980年 ICIDH(国際障害分類) 一方向
↓
2001年 ICF(国際生活機能分類) 循環
障害者と健常者との相互作用
4.国連障害者権利条約
www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/index_shogaisha.html
作成過程への当事者参加
批准国地図 赤ー選択議定書を含む
青ー選択議定書を保留
早いから良いではなく、国内法を厳密に検討して遅れている国もある
①第二条
障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む。
できることをする
過度の負担を課さない
②第十二条
障害者が必要とする支援を利用する機会を提供するための適当な措置をとる
③第十九条
選択する機会を有する
④第二十四条 教育
障害者を包容する教育制度及び生涯学習を確保する
*両方の葛藤
・特別支援学校 きちんとしたサポート
・地域の学校(統合) 一緒にいることで相互に学ぶ
5.差別
*差異が人種差別を呼び起こすのではなく、人種差別が差異を利用する
*「自立とは依存しないこと」は幻想
思いこませた社会が自己責任を作り出す
「依存先を増やしていくこと」こそが自立
*障害者とは社会とマッチングしない人
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