マンガで悟る 日本の仏教&開祖たち
2006年01月23日(月)
徳川幕府は、仏教界と庶民を管理するために、すべての人をいずれかのお寺の檀家として登録させる寺請制度(檀家制度)を定めました。これにより仏教界は厳しい修行や布教の必要がなくなりました。医療界も規則や制度に振り回されることなく、人の心を見失わないように、七大宗派開祖の教えに触れてみてください。
1.天台宗と最澄
それまでの南都仏教(奈良仏教)は、優秀な人だけが学ぶことができる学問仏教であり、また、一部の仏道修行者しか成仏できないとされていました。しかし、最澄は、「すべての人はみな平等に成仏できます。一乗思想 すなわち、ひとつ乗り物に乗っている」と説きました。
2.真言宗と空海
空海が密教を主体とする真言宗を開きました。密教理論では、大日如来と一体となって修行すれば、その人は生きながらにして仏になることができるとされています。つまり、悟ることができます。
3.浄土宗と法然
法然の教えは、「難しい学問や厳しい修行は一切不要。そんなことはしなくてもいいですから、ただ専ら“南無阿弥陀仏”と念仏をとなえなさい。現世は苦しくても、必ず浄土に生まれ変わることでき、幸せになりますから」というのです。
4.浄土真宗と親鸞
悪人正機説「善人でさえ往生できるのですから、まして悪人が往生できるのはいうまでもない」と説きました。善人とは、自力で修行して往生しようとしている人です。つまり、まだまだ自分の力を信じているわけで、阿弥陀仏の力を全面的に信じきる心がけに欠けているダメな人。これに対して悪人とは、自分はどんなに修行しても救われがたいと思っている人。ですから親鸞は、悪人が救われるのですから、善人も自分の心を捨てて他力(阿弥陀仏の本願力)に任せきる気になれば往生できると説きました。
5.臨済宗と栄西
臨済宗の教えの基本は、座禅修行によって本来の自己に出会うことです。「人間は生まれながらにして仏の心を持ち、本来みな清らかである」。しかし、本来の自己は、ふだんは迷いの底に埋もれているので見えません。そこで、座禅によって迷いの雲をはらい、本来の清らかな自己を見出そうというわけです。
6.曹洞宗と道元
道元の疑問「お釈迦様は、“人間は生まれながらにして仏の心を持っており、もともと仏である”というが、ならば、仏になる修行など必要ないではないでしょうか」に対し、中国曹洞宗の高僧・如浄は、「仏になろうとして修行するのではありません。仏の心があるからこそ修行ができるのだ」と答えました。曹洞宗の座禅は、目的も意味も求めません。考えることも効果を期待することもなく、ただ一心に、全身全霊で座禅することです。
7.日蓮宗と日蓮
「民衆はこの世でこそ救われなければ意味がありません。来世で救われるなどという念仏信仰は、民衆の現実の苦しさから目を背けるさせる欺瞞です」
8.大乗仏教と小乗仏教
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仏教は思想面で「大乗仏教」と「小乗仏教」に大きく分けられます。この乗は乗り物を意味します。小乗仏教とは、出家して厳しい修行を積んだ者だけが救われるとする思想です。お釈迦様の没後500年ほどは、仏教=小乗仏教でした。しかしその後、お釈迦様は本当はすべての人を救いたかったのではないでしょうか、という疑問が仏教界に生まれました。そこで、誰もが救われる大きな乗り物=大乗仏教という考えが誕生しました。
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