脳性麻痺患者さんへの支援
2009年11月30日(月)
自宅で療養している脳性麻痺患者さんに対して口腔内の様々な問題や相談に対応すると共に、歯科衛生士による口腔ケア、リハビリの実施と家族、他職種への指導を行った。また、多くの人たちと協力し、互いに学び合うことができた。
患者 11才女性
初診 平成13年10月15日
主訴 右上Eが動揺し、内側に傾いてきた
特記事項 脳性麻痺 発病平成12年5月17日
現症 自宅ベッドにて療養している
日常生活自立度 C-2
人工呼吸器、胃瘻を装着
口腔領域
口腔衛生状態は良好で、歯肉の炎症も見られない
下顎前歯唇側歯頸部に脱灰が見られる
口腔乾燥あり
舌苔がべっとり付いている
口臭は僅かに感じられる
流涎が常時出ている
開口度は2横指以下
頬筋が硬くこわばっている(特に右)
舌は運動なく、大きい
治療方針 歯牙交代期の診査
右上Eを医科大の入院時に検討する
月4回歯科衛生士が訪問する
口腔ケア 歯と舌のブラッシング及び脱灰歯質の改善
口腔リハビリ 口唇、頬のマッサージと開口訓練
他業種との連携
経過 10/15より歯科衛生士が週に1回訪問し、
口腔ケアとリハビリテーションブラッシングを行う
リハビリ中に身体をのけぞらせる
11/20 触られるのになれてきた
徐々に口腔周囲筋の緊張がほぐれてきた
開口器より口角ワインダーを使用した方が口腔ケアがしやすい
平成14年 歯科衛生士が週に1回訪問を継続
2/25医科大にて右上Eを抜歯する
3/11自宅にて右下Eにレジンを再充填する
4/17お母さんがブラッシングをしてあげる時に
口角ワインダーを使用するようになる
9/4 下顎の両側Eがだんだん舌側へ傾斜
11/6清掃用具が届きにくく奥舌の舌苔が多くなる
平成15年 歯科衛生士が週に1回訪問を継続
1/22右下Eが動揺し始めブラッシング時に出血する
3/21から4/26まで入院
5/7 入院中に右下Eを抜歯する
11/5より開口器を使って舌苔を清掃
平成16年 歯科衛生士が週に1回訪問を継続
1/7 右頬部が硬くなっているので、マッサージに時間をかける
9/29 口が開きにくく開口器が入らなくなる
12/1 家族、訪問看護師と協力して開口訓練することになる
手書きしたマッサージ法を共有した
平成17年 歯科衛生士が週に1回訪問を継続
1/12 開口が1横指から1横指半になる
3/2 上下大臼歯が圧下してきた
7/6 開口訓練時に顎関節部にジャリジャリ音がする
12/7 右下6,7が圧下して見えにくくなる
平成18年 歯科衛生士が週に1回訪問を継続
4/19 下顎前歯が口蓋歯肉を噛むようになり
上顎臼歯部にマウスピースを装着する
平成19年 歯科衛生士が週に1回訪問を継続
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