東京電力福島第一原発事故発生から10年
2021年03月14日(日)
講 師:
小出裕章さん 元京都大学原子炉実験所助教
kojima-dental-office.net/blog/20121111-4803#more-4803
おしどりマコ・ケンさん 芸人・記者
kojima-dental-office.net/blog/20191215-13385
菅谷 昭さん 松本大学学長/元松本市長
原発そのものがもつ欠陥、福島の最新情報・福島の声、チェルノブイリ事故の影響を踏まえての甲状腺検査の継続の必要性など、講師の得意分野に絞った重要な問題提起と視点
メモ 資料
A.小出裕章さん
困難を極めるフクシマ事故の収束
原発の炉心について
1.化石燃料よりウランが先に枯渇する
①大量の燃料が必要
標準的な100万キロワット原発1基が1年運転する毎に燃やすウラン燃料は1トン
②核のゴミも大量に生み出される
広島原爆で燃えたウランは800グラム
2.ロボットは放射線に弱い
コンピューターのICチップの命令が放射線によって書き換えられる
現場へ向かわせた作業ロボットは戻ってきていない
3.燃料デブリを100年後も取り出せない
・福島第1原発2号機内部を取り付けた長いパイプを取り付けたカメラで線量を計測
・上部から取り出せると思っていたが、溶けた核燃料は
原子炉圧力容器の真下にはなく、まわりに散らばっている
線量が一番少なかったのは原子炉圧力容器の真下、
一番高かったのは、原子炉格納容器と原子炉圧力容器の中間。
4.石棺で封じ込める前に
建屋内のプールにある、冷やし続けなければならない使用済み燃料を取り出す
5.地震地帯に原発があるのは日本ぐらい
ヨーロッパもアメリカも避けて作られている
B.おしどりマコ・ケンさん
「安全」という言葉が「安心」を作るのではない
1.2021年2月13日の地震
23:06 震度6強の地震
①2/14 2:00頃
菅総理が3時間後に原子力関係でも異常なく、全て正常と記者会見
点検が終わっていないのに
2:08 5,6号使用済み燃料プールから逸水を発見
2:28 原子力規制委員会「特段の異常なし」
その後も東電や原子力規制委員会から漏洩などのメールが届く
13:51 現場パトロール(区分Ⅲ)終了
どこを点検するか決まっている、線量の高い場所があるので時間がかかる
14:00 原子力警戒態勢、解除
いつ入ったのか報告がなかった
パトロール後にも建物の破損が報告されている
②原子炉圧力容器の水位低下の報告が遅い→燃料デブリが水面から顔を出す
2/19の緊急臨時会見
3号機原子炉圧力容器の水位は6時間毎に計算しているが、
グラフに起こすのは週に1回だったので、低下の気づきが遅れた
地震の時ぐらいはもう少し丁寧な調査を
③窒素ガス管理装置が地震で壊れた
水素爆発を防ぐために、窒素ガスを封入して水素ガスを押し出す
復旧のめどが立たない
④3号機の地震計は壊れてもそのまま放置されていた
これからも都合が悪いことを後から後から白状してくるのではないか
ベント配菅
2.汚染水
①2013年に汚染水漏洩が相次いだ
・4月、地下貯水槽漏洩 →深夜緊急臨時会見(夜中1時半)
・7月、護岸エリアの汚染判明 →現在も続く、地下水の汚染
・8月、H4タンクエリア漏洩 →新たな「レベル3」の漏洩事故
(高濃度汚染水エリア)
2011年3月事故の「レベル7」とは別の事故
・9月、「汚染水はコントロール下にある」との安倍首相発言があり、
東京オリンピックが決まる
翌日の東電会見では、東電は政府に確認したことと、影響は少ないと応えた。
②韓国が水産物の輸入規制強化
セシウムだけではなく、ストロンチウムとプルトニウムも測って欲しいと訴えていた
日本の報告だけでは今後の事態を予測できないとしてWTOに提訴した。
日本が逆転敗訴
③アルプス処理水
・トリチウム半減期12年を考え、タンク保管の継続を希望する住民が多い。
・福島第1原発ALPS処理水の取り扱いに関する福島県旅連提言書
令和二年四月六日
福島県旅館ホテル生活衛生同業組合
理事長 小井戸英典
www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/takakushu_iken/pdf/0406_01_03d.pdf
・致死量に満たない毒入りリンゴだから食べても安心だと言われても、食指が動く者はほぼ居ない
・海洋放出による直接的な影響は、風評被害ではなく実害である。
・国は、加害行為という認識をもって放出して欲しい。
C.菅谷昭さん
福島原発事故の小児甲状腺検査の問題点
―チェルノブイリ原発事故医療支援の経験を通して―
1.チェルノブイリへの30年後訪問経験
・チェルノブイリ原発事故による人の健康や生活環境への影響は収束したとは言えない
・小児甲状腺癌の発症は、10年後にピークがあり、その後減少する
日本からの超音波機器によって4,5年後に調べられたため、急増したとされて、
2,3年の潜伏期があるとしたが、疑問が生じている。
・ホットスポット
・国家的プロジェクトとして汚染地の子供達に毎年1ヶ月程度の健康保養を実施
検査も無料
・日本では国の対応に期待が持てない以上、
国民一人一人が放射能災害にもっと関心を強め、
子供達の未来を守るために立ち向かう時が来ている。
・甲状腺癌の検査は必要
小児では、悪性度と、肺や骨への転移度が高く、進行が速い。
石川県保険医協会第47回総会記念企画
第18回原発・いのち・みらいシリーズ講演会
日 時:2021年3月14日(日)14時~17時(13時受付開始)
会 場:ホテル金沢 2階 ダイヤモンド[定員:100人(予定)]
参加費:無料
申込み:会場参加の場合、必ず事前申し込みが必要。東京電力福島第一原発事故発生から10年 チラシ
会場参加については、申込者数が定員に達したため、申込受付を締め切りました。なお、この講演会は、YouTubeLiveでのオンライン生配信を予定しています。こちらは申込は不要です。開催日時にこちらにアクセスしてください。
www.youtube.com/channel/UC4I3Bwv8hf05te5qkqIzm7g
インターネット経由でのライブ中継ですので、回線状態などにより、画像や音声が乱れる場合があります。あらかじめご了承ください。
申込締切:3月1日(月)
[主催/問合先] 石川県保険医協会
金沢市尾張町2丁目8番23号太陽生命金沢ビル8階
電話 076-222-5373 FAX 076-231-5156
ishikawahokeni.jp/
<ご案内>
東電福島原発事故の検証と核なき未来をテーマに開催してきた原発・いのち・みらいシリーズ講演会。第18回目となる今回は、石川県保険医協会が東電福島原発事故後に「原発・いのち・みらいプロジェクト」を立ち上げた原点に立ち返り、プロジェクト名「原発・いのち・みらい」をテーマに開催します。 お招きする講師は3者。チェルノブイリの子どもたちの治療経験から、東京電力福島第一原発事故発生当初より健康影響について警鐘を鳴らしてきた元松本市長の菅谷昭さん。夢を持って原子力の道に進まれましたが、学生時代にその危険性や問題点に気づき、原子力研究者の立場から警告を発し続けてこられた小出裕章さん。そして、原発事故以降「知ること」の重要性に気づき、芸人の傍ら東京電力の会見に誰よりも多く参加、原発問題以外にも様々な現場に足を運び情報発信してこられたおしどりマコ・ケンさんです。
今年3月で東電福島原発事故発生から10年が経過しますが、私たちはこれを節目とは捉えておらず、核のない未来に向けた通過点だと思っています。講師三者と参加者の皆さんとともに、今ある現実に向きあい、未来を見据えた議論を深めるこの講演会にぜひご参加
ください。
<注意事項>
・新型コロナウイルス感染症対策のため、会場参加は100人限定(予定/先着順)とします。
・新型コロナウイルス感染症の影響により、急きょ予定を変更することがあります(中止・延期含む)。変更内容については、会場参加申込者には直接ご案内するほか、石川県保険医協会のホームページでお知らせします。オンライン生配信での視聴を希望される方は、石川県保険医協会のホームページから最新情報をご確認ください。
・会場参加の方は、講演会当日、体調の悪い場合や熱のある場合は参加をご遠慮ください。また、マスクの着用、会場入口で手指の消毒をお願いします。
<参加方法>
◆会場参加を希望する場合
以下のサイトから参加申込フォームにアクセスしてください。チラシ裏面よりFAX申込みも可能です。東京電力福島第一原発事故発生から10年 チラシ
ishikawahokeni.jp/inochimirai18/
◆オンライン生配信の視聴を希望する場合
・申し込みは不要です。
・「YouTube Live」での配信を予定しています。開催日時に以下のURLにアクセスしてください。
www.youtube.com/channel/UC4I3Bwv8hf05te5qkqIzm7g
・各種ソフトは事前に最新版にアップデートして使用してください。
・視聴推奨環境は「YouTube Live」に依存します。お手元のPCなどの設定や通信環境が受信の状況に大きく影響しますので、ご自身の環境が対応しているか視聴前にご確認ください。
・インターネット経由でのライブ中継ですので、回線状態などにより、画像や音声が乱れる場合があります。あらかじめご了承ください。
・視聴後のアンケートにもご協力をお願いします。
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