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「低レベル」放射線内部被曝による健康障害

2011年09月23日(金)


%e6%9d%be%e4%ba%95%e8%8b%b1%e4%bb%8b%e6%b0%8f原発・いのち・みらい(企画第3弾)
東電原発事故が私たちに意識させた
「低レベル」放射線内部被曝による健康障害
講 師:   松井 英介氏
      岐阜環境医学研究所所長
      医師
と き  2011年 9月23日(金・祝)午後2時 ~ 4時
ところ  近江町交流プラザ 4階 集会室 (金沢市青草町88)
対  象  関心のある方ならどなたでも(定員90人)
参加費:  無 料    チラシ 原発いのちみらい第3回講演会 
主 催: 石川県保険医協会
< 事前申込み必要 > 申込締切:9/20(火)

メモ
1.「低レベル」に「 」をつけた理由
  原爆投下時のγ線と中性子線に比べれば低線量だが、体内に留まった微小放射性物質から照射され続けるα線やβ線は、近隣の細胞や遺伝子に大きな影響を与える。
 ・γ線は高レベルになると10メートル離れていても外部被曝の影響が大きいが、1回短時間の体内貫通による内部被曝の影響は少ない。
 ・α線は飛ぶ距離は短い(人間の身体の中だと約40ミクロンメートル)が、一挙にエネルギーを放出する。
・ウラン238の5ミクロンの粒子は、17時間に1回の割合でα線を出し続け、年間500回に達する。
・半減期の短い放射性核種の方が、細胞への影響が大きい。
・プルトニウム、ストロンチウム90,トリチウム、ウランなどは、粒子の形状で存在している。いずれもガイガーカウンターでは検出できない。従って、発表されている1ミリシーベルトには、含まれていない。ECRR(後述)は、年0.1ミリシーベルトを超えないように勧告している。空気を吸い込むと、体内に入り込む。

2.放射能汚染を拡大するもの
 ①隠蔽
  ・3月11日事故直後に起きていたメルトダウンやメルトスルーを5月12日まで公表しなかった
  ・SPEEDIのデータを4月半ばまで公表しなかった。
   風下を考慮せず同心円で遠くへ避難し余分な被ばくをしたり、稲わらや汚染牛肉の事件が起きた
  ・今回の事故で放出された放射性物質の総量や様々な放射性核種(ストロンチウム、セシウムなど)が公表されない
  ・旅行などで事故当時現地付近にいた全国各地の原発労働者の異常な内部被曝数値を公表しなくなった
 市民放射能測定所
www.crms-jpn.com/index.html

 ②食品の規制値(被曝線量限度値)
  日本政府は、飲料水や食品の規制値を極めて高いところに設定した。
   日本とウクライナとの比較
                      日本      ウクライナ
   飲料水     200Bq/kg     2Bq/kg
   牛乳      200     100
      卵       500     100
   魚       500     150
   肉       500     200

  食品中に含まれるセシウム、ストロンチウムは、
www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010403/04.gif

 食品や飲料水に含まれる放射性物質について、内閣府の食品安全委員会は3月25日、暫定規制値の根拠となっている健康への安全性の許容範囲を広げる方針を固めた。これを受け、厚生労働省は現在より緩やかな規制値を策定する見通し。暫定規制値は厚労省が17日に急きょ策定。原子力安全委員会の「飲食物摂取制限に関する指標」を用い、水や食品から1年間に摂取するヨウ素を50ミリシーベルト以下、セシウムを5ミリシーベルト以下としている。

 ③クリアランス制度
  日本では、低レベル放射性物質は一般の廃棄物と同様に扱っても良いとするクリアランス制度が国会で通っている。
  放射性物質による汚染が全国へ拡大することが予想される。
  本来、原因企業(東電、東芝、日立、三菱など)と国が責任を持って処理すべきもの。

3.放射線障害
  過去の原発事故等に関連したと見られる甲状腺ガン、乳がんなどの統計的な増加
  劣化ウラン弾使用後に起因すると見られる先天性障害
  「ゲノム不安定性」
  老化を早める

  『見えない恐怖 放射線内部被曝』(旬報社)1470円
  『放射線被ばくから子どもたちを守る』(旬報社)840円

4.内部被曝に対する日本政府、ICRP、ECRRの見解の違い
 ICRPは低線量領域のリスクをECRRより過小評価し、日本政府は線量限度を設けてさらに過小評価している。

内部被曝を排除したICRP
  1946年に設立されたNCRP(米国放射線防護委員会)は、第1委員会(外部放射線被曝限度に関する委員会)と第2委員会(内部放射線被曝に関する委員会)を設立した。1950年に設立されたICRP(国際放射線防護委員会)は、ほぼNCRPの陣容と並行して運用されたが、1952年には、内部放射線被曝に関する第2委員会の審議を打ち切ってしまった。その理由は原発作業員の安全を考慮すると原子炉の運転ができなくなるから

 アイゼンハワーによる1953年の国際連合総会演説「平和のための核」を契機とし、原子力平和利用を建前に、原発推進のために、IAEA(国際原子力機関)が1957年に創立された。ICRP(国際放射線防護委員会)は、この傘下にある。

一方
ECRRは、1997年に結成されたベルギーに本部を置く、国際連合やいずれかの国の政府等とは関係ない市民団体である。内部被曝による放射線リスク評価に関して、「ICRPのモデルは放射線リスクを過小評価している」と主張している。

ECRR議長・バズビー博士が内部被曝について重大な警告
kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-723.html

【案内文】
 現在、福島市や郡山市など原発から30km圏外での、市民の被曝が問題となっています。ドイツの民間団体が計測した結果では、福島市に住む子ども10人の尿検査から、10人ともセシウムが検出されたといいます。またホールボディーカウンターでもセシウムが取り込まれていることが確認されているようです。政府や専門家はまだ内部被曝の危険性について何も説明はしていません。大変不安に思っておられる方も多いことと思います。しかし、説明したくても説明する十分な資料を持ち合わせていないのです。これは国が責任を持って調査してこなかったこともありますが、医療者がこの問題に真摯に向き合ってこなかったのも理由のひとつです。
 講師の松井英介先生は、放射線科の専門的な医師であり、内部被曝を長年研究してこられました。医師の立場で内部被曝を語れる、数少ない方のお一人です。
 多くの方のご参加をお待ちしております。

【講師のプロフィール】
岐阜環境医学研究所所長。放射線医学、呼吸器病学。がん研有明病院顧問。東京都予防医学協会「東京から肺がんをなくす会」学術委員。羽島市アスベスト調査委員会委員長。731部隊・細菌戦資料センター共同代表。

内部被曝による子どもの健康障害
 東京電力福島原子力発電所事故は、1910 年あるいは1945 年以降、私たちの暮らしや生き方を支配してきた価値観の根本的転換を迫っている。人口密集地震国で起こるべくして起こった原発事故。それがもたらした人類史上かつてない規模の放射線汚染に直面した今、私たちに最も求められているのは、放射線被曝とくに内部被曝を常に意識し、とくに胎児と子どもに発症してくる晩発障害(先天障害、悪性腫瘍、免疫異常など)に注目することだ。 (松井英介「内部被曝による子どもの健康障害」月刊保団連 2011 年6 月号より)

参考として
7/27衆議院厚生労働委員会参考人による意見陳述をぜひご覧ください
 東京大学アイソトープ総合センター長 児玉龍彦教授
現役の医師としては内部被爆に関しての第一人者が、国会議員に福島と全国に飛散した原発放射能汚染被害状況と今後の被害予測をとても分かりやすく話しています。
www.youtube.com/watch?v=eubj2tmb86M

< 事前申込み必要 > 申込締切:9/20(火)
電話、Email、FAXのうち、いずれかの方法でお申し込みください
①医療機関・団体名
②申込者名
③電話番号
④参加人数

石川県保険医協会
ishikawahokeni.jp/
金沢市尾張町2-8-23
太陽生命金沢ビル8階
電話:076(222)5373
FAX:076(231)5156
E-mail:ishikawa-hok@doc-net.or.jp

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