「トモダチ作戦」兵士たちの放射線障害と裁判
2018年10月21日(日)
ddnavi.com/review/452331/a/
2011年3月12日。アメリカの原子力空母、ロナルド・レーガンは、東日本大震災の人道的支援に向かう。空母は救援物資運搬の重要な拠点となっただけでなく、津波に流された人々の救助も行った。「トモダチ作戦」と呼ばれた。
しかし、作戦終了後、レーガンの兵士たちの多くが重病に冒され、9名もの死者が出た(2017年12月時点)。兵士たちは放射能汚染について、正確な情報を隠蔽されたまま任務に就いたとして、福島第一原発を運転した東京電力、原発メーカーを提訴している。現在までに400名以上が原告に名を連ねる。
メモ
1.放射性プルーム(帯状の雲)の約85%は、陸地ではなく太平洋に流れていた。
・その真っ直中に原子力空母、ロナルド・レーガンがいた。
・東京電力(日本)から放射能情報がほとんどなかった。
・空母内の原子炉に対する訓練はあったが、
外からの放射能に対応する訓練はされていなかった
2.甲板への物資運搬作業(作戦遂行中)
・兵士たちの衣服に対し、ガイガーカウンターは激しく反応していた。
・寒い時期なのに、異常に生暖かく上半身はシャツ1枚でも良かった。
アルミ箔を噛んだような味がした。
3.飲料水などの様々な水は、汚染された海水を淡水化して使用していた
・被災地へ届けるためのペットボトルの水を飲むことを兵士は禁止されていた
・内部被ばく
4.軍規
・作戦中のことを話せない
・訴えることができない
5.身体に異変の起きた兵士は若かった
・兵役5年未満は除隊しても特権を与えられない
・健康保険のないアメリカでは高額な医療費がかかる
6.裁判
・医療費などに充てる基金設立を求める
・東京電力からのデータ開示を要求(福島にも役立つ)
7.小泉基金
これは原発反対論者も、原発推進論者も、病に苦しむ兵士に何ができるか、
共同で考えることだと思っています。
これは人道上の問題だと思っています。
原発・いのち・みらいシリーズ講演会(第16回)
講師:エイミー・ツジモト氏
(フリーランス国際ジャーナリスト)
日時:2018年10月21日(日)午前10時~12時
会場:近江町いちば館 4階 集会室
金沢市青草町88
主催:石川県保険医協会
www.ishikawahokeni.jp/
〒920-0902石川県金沢市尾張町2-8-23
太陽生命金沢ビル8階
TEL 076-222-5373
FAX 076-231-5156
■参加費:なし
■申込み:必要 チラシ「トモダチ作戦」兵士たちの放射線障害と裁判
お名前と電話番号を主催者までお知らせください。
■エイミー・ツジモト氏
アメリカ・ワシントン州出身。ヨーロッパ・オセアニア・日本に在住し、日系移民の歴史や捕虜問題をはじめ現代史に関する記事を多数発表。近年は、アメリカにおける政治・外交についての記事を日米両国に寄稿。著書に『消えた遺骨―フェザーストン捕虜収容所暴動事件の真実』(芙蓉書房出版、2005年)、共著に『漂流するトモダチ―アメリカの被ばく裁判』(朝日新聞出版、2018年)がある。
『漂流するトモダチ アメリカの被ばく裁判』
(エィミ・ツジモト/田井中雅人著2018年1月/朝日新聞出版)より
東日本大震災から約7年半。称賛されたトモダチ作戦の裏で、従事した兵士たちは白血病など様々な病を発症していた。被害の補償を求め、元兵士らが提訴。現在、原告数は400人以上にのぼる。誰が、何を隠そうとしているのか――
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