のぼるくんの世界

のぼる君の歯科知識

土壌調査からみる放射能汚染

2011年07月28日(木)


原発・いのち・みらい(企画第2弾)
過去の原子力被災から福島原発事故を考える
講 師:  山本 政儀 氏
      金沢大学環日本海域環境研究センター・
      低レベル放射能実験施設 教授
と き:  7月28日(木)午後7時 ~ 8時45分
ところ:  石川県女性センター 4階コンベンション室(金沢市三社町1-44)
対  象:  関心のある方ならどなたでも(定員50人)
参加費:  無 料 チラシ 原発いのちみらい第2回     
主 催: 石川県保険医協会

メモ
1.低レベル放射能実験施設
 ①昭和29年 金沢大学木羽敏泰教授が近江町市場のマグロの鱗から放射性物質を分析    ビキニ核実験で被曝したマグロが焼津港から入荷
        昭和27年 金沢大学にアイソトープ総合研究室を設置
    放射線測定器を備えていた
    うろこを一枚ずつ塩酸に漬け、放射性物質を取り出す研究
 ②低レベル放射能実験施設
    職員4名、学生10名
    一隅を照らす宝を目指して
    自然界、人工的な放射性核種を測定

2.過去からの原子力被災
 ①ビキニ原爆被災事件
    第五福竜丸(乗組員23名)ほか900隻
    3時間後雪のように死の灰に覆われる
    死の灰からウラン237が多量(約20%)に分析される
    分析結果から核分裂・核融合・核分裂の3F爆弾を日本の研究者が推論する
        40年後、延縄の目印に使用されていたシュロから放射線核種を分析(山本)
     214万年の半減期を持つNp(ネプツニウム)237を初めて検出し、
     当時の全放射能を推測する
    現在11人が健在で、平均年齢80歳
     肝臓ガンや肝硬変で亡くなった方が多い
    第五福竜丸は現在展示されている
d5f.org/

 ②旧ソ連セミパラチンスク核実験場周辺の放射能汚染と住民の被曝
    土壌やレンガに残留する半減期の長い放射性核種から累計被曝量を推測する
    放射線被曝による循環器系疾患、虚血性心疾患のリスクが注目されている

 ③スリーマイル原発事故  1979年4月11日
    冷却失敗、8km以内退避、5日後冷温停止、10日後帰宅
    ヨウ素131放出、セシウム137は放出されなかった
     3年で外部解体、10年で内部解体、14年で終了
    95%相当の燃料棒の取り出しに成功(残りは溶融して炉内に残った)
    原子炉内の放射能レベルの低下を待って解体

  チェルノブイリ原発事故と被曝  1986年4月26日
    原発4号炉が爆発炎上、大量の放射能放出は10日続いた
    石棺で覆い、20日ぐらいで放射性物質の放出ストップ
    急性放射線障害で28人死亡(10年以内にさらに14人死亡)
      運転員と消防士たち 1000から2000人のうち
      約300人が急性障害、そのうち28人が死亡(被曝量4.2Sv以上)
    小児甲状腺ガンの増加  
www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html
      ベラルーシの年間発生件数は1990~2001年まで明らかに多い
      ウクライナで8000人に甲状腺ガン(これまでに20人ほどが死亡)
      乳製品に含まれたヨウ素131(半減期8日)を取り込む
      海藻(ヨウ素を含む)などを食べないことも一因

  JOC臨界事故  1999年9月30日
    臨界事故発生
    作業員2人死亡

3.福島第一原発事故を考える
 ①大気中に放出された放射性物質
    揮発性のヨウ素、セシウム同位体がほとんど
    非揮発性核種は非常に少ない(ウラン、プルトニウムなど)
     ストロンチウムは検出される(なぜかな?)
    原子炉内の温度、放射性物質の融点、質量などの影響か
   海に流れ出たものは別
 ②検出された放射性核種の比率(例えばU235/U238)を分析すると、
    福島原発由来のものと過去の事故や実験のものと区別できる
  原子炉の使用年数が増えることなどによって、
   半減期の長い放射線核種が蓄積され、その比率が高くなる
3.bp.blogspot.com/-L-elUoCicfs/Temn3gCR1pI/AAAAAAAAAE4/PaJE6mzt-1U/s1600/fukushima20km-1.png
 ③日本の自然放射線  地面からのガンマ線量分布
   地域によってかなり差がある
 ④人に対するリスクの最終判断は、疫学データを頼るしかない

壁などを洗い流し、地表表面を削り取り穴に埋めると、放射線量はかなり少なくなる

案内文
 5月15日、NHKで放送されたETV特集 『ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~』をご覧になられたでしょうか。放射能汚染地図を作成する過程を追いながら、何も知らされずホットスポットに住み続ける住民、生活の糧を手放さざるをえず涙する農家の人々等、その混乱と苦悩を見つめたドキュメンタリー。番組の最後には、福島第一原発正門から1キロ地点の住宅地から土壌サンプルが採取されました。このサンプルを解析されたのが、今回の講師、山本政儀教授です(ETV特集続報・6/5放送)。
 「原発・いのち・みらい」シリーズ2回目の今回は、土壌調査による放射線解析の第一人者である山本先生に、旧ソ連セミパラチンスク核実験場をはじめとした国内外での土壌調査・放射線影響研究をもとに、過去の原子力被災と福島原発事故についてご講演いただきます。ぜひ、ご参加ください。

< 事前申込み必要 > 
電話、Email、FAXのうち、いずれかの方法でお申し込みください
①医療機関・団体名
②申込者名
③電話番号
④参加人数

石川県保険医協会
ishikawahokeni.jp/
金沢市尾張町2-8-23
太陽生命金沢ビル8階
電話:076(222)5373
FAX:076(231)5156
E-mail:ishikawa-hok@doc-net.or.jp

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