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現代日本の貧困問題 いま、社会保障基本法が必要な理由

2009年03月21日(土)


市民公開講演
講 師:後藤道夫氏(都留文科大学教授)
と き :2009年3月21日(土) 18時から19時40分
ところ :金沢都ホテル5階「加賀の間・西」
主 催:石川県保険医協会
定 員:50人
参加費:無料
※事前申し込みが必要です。
 定員に達した場合、参加をお断りすることがあります。
メモ
1.貧困の現状
  ①貧困の大部分はワーキングプア
    働かないから貧困という認識を変える必要がある
    フリーターの貧困が増えているわけではない
    きちんと働いて子供がいる普通の働き手のところに貧困が増えている
        年金貧困世帯の大幅増と自営業者の貧困率の上昇

  ②政府が1964年以降貧困率を発表しなくなった
        一家を支える人々にはワーキングプアはいない、また、主人の賃金補足のためのパートや小遣い稼ぎのアルバイトにしか低賃金はないという認識がある

2.貧困の背景
  ①家計を支える人々が正規雇用からフルタイム型非正規へ大量に置き換えられた
  ②外食産業、コンビニなど低待遇正規雇用が急増した
  ③熟練した技が長期雇用慣行の中で受け継がれていたが、市場原理主義の台頭により企業内努力が困難になり、また、公共的職業訓練が若者を対象とする制度になっていないため、熟練職種が日本から消滅していく危機にある。

3.貧困対策
  ①失業補償が労働市場への賃金下落圧力を緩和する
    失業補償がなければ悪条件の仕事でも就かなければならなくなる
  ②失業補償給付受給率を改善する
    2006年では29才男性失業者の7.5%しか受給していない
  ③社会的固定費の低額化
    住居費、水光熱費、教育費、医療費、交通費など
  ④経済グローバリズムの深化による営業・雇用の不安定化を救済できるようにする
    企業、業界を支援し間接的に支援する開発主義型から国民生活を直接支援する福祉国家型へ転換する
  ⑤社会保障基本法を構築する
    憲法25条の理念を具体化する

◇呼びかけ文
 世界第2位の経済大国、日本。その影で、貧困者の比率はアメリカに次いで第2位(OECD調査2006年7月)、餓死者も後を絶ちません。自殺者は10年連続して3万人を超え、その3割は経済・生活問題によると言われています。拡大し続けるワーキングプア、高齢者や若年層の貧困。連日のように報道される、雇い止めで職場や住居を追われる人々の様子。既に大多数の人々が新自由主義経済の限界を認識しています。
 一方政府は、社会保障関係費2,200億円の削減について、2009年度予算案では実質の削減額を230億円にとどめたものの、基本的には社会保障費削減路線を崩していません。貧困問題を景気対策の問題にすり替え、「定額給付金」など小手先の景気対策に金をつぎ込み、人々が安心して生活していくための権利である社会保障を縮小し続ける、その姿はもはや”貧困大国ニッポン”です。
 この度、石川県保険医協会の第35回定期総会に際し、「社会保障基本法(案)」(京都府保険医協会作成、2007年)の作成に尽力された一人、後藤道夫氏をお招きし、市民公開講演を開催することとなりました。現代日本の貧困問題を捉え、「なぜ今、社会保障基本法が必要なのか」を知ることで、”貧困大国ニッポン”からの脱却の道筋が見えてくるものと期待しています。
~ 多くの方のご参加をお待ちしています~

◇講師:後藤道夫氏
都留文科大学教授。1947年福島県生まれ。専攻は社会哲学、現代社会論。ここ10数年は日本の「構造改革」とその背景を中心に研究。最近はワーキング・プア問題を重視。渡辺治氏、二宮厚美氏などと季刊雑誌『ポリティーク』(旬報社)を編集。
主な著書・編著等単著『反「構造改革」』青木書店、2002年
共編著『講座戦争と現代』第1巻・第4巻、大月書店、2003年・2004年
編著『日本の時代史28巻岐路に立つ日本』吉川弘文館、2004年
編著『平等主義が福祉を救う―脱<自己責任=格差社会>の理論』青木書店、2005年
編著『ポリティークNo10 現代日本のワーキング・プア』旬報社、2005年
共著『格差社会とたたかう』青木書店、2007年
共著『社会保障でしあわせになるために「社会保障基本法」への挑戦』かもがわ出版、2007年
共著『なぜ富と貧困は広がるのか?格差社会を変えるチカラをつけよう』旬報社、2008年など

○● 申込方法●○
次のいずれかの方法でお申込みください。
① 申込書に必要事項を記入の上、Fax送信
② 必要事項を明記した電子メールを下のアドレス宛てに送信
③ 電話による申込み

<参加申込>
3月21日(土)市民公開講演
■参加者名:(         )
■電話番号:(         )
■医療機関名・団体名:(        )

◇送付先 :石川県保険医協会
〒920-0902 金沢市尾張町2-8-23 太陽生命金沢ビル8階
TEL:076-222-5373
FAX:076-231-5156
E-mail:iskw_ono@doc-net.or.jp
HP:http://www.ishikawahokeni.jp/

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