のぼるくんの世界

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東北南部の旅

1974年07月26日(金)


東北南部の旅1974年7月19日~26日
7月19日 旅立ちは小雨に始まり、気分的にもすっきりしない。電車の中で1時間ほど寝たが、まだまだ先は長い。雨のせいか、旅姿の若者は少なく、電車の中もがらんとしている。糸魚川まで来ると、雨が上がってきた。空はどんよりとし、蒸し暑く、ただ扇風機が規則正しく吹いてくる。やっと新津。新潟は長い県だ。一人旅はいいが、この長い車中が難であろう。寝ているのも疲れ、頭もぼうっとしている。坂町、空が明るくなり、だんだん北上するにつれ、夏を思わせる陽が差し込み、気持ちの良い旅になってきた。
 あと1時間で、鶴岡だ。天気もいいし、明日が楽しみだ。しかし、前線の北上が心配。鶴岡まであと10分、ここでハプニング、列車が急停車、トラックが遮断機を折って通り過ぎたそうだ。ユースはなかなかいい雰囲気だった。建物も気に入った。ミーティングも肩の凝らない愉快なものだった。ただ、寝入る時“あぶ”の襲来があり、一騒動だった。
東北周遊券5950円
浅電 内灘→金沢 130円
鶴岡ユース 夕食付き950円

7月20日 5時半起床、眠い。車中にてパンとコンビーフを食べる。天童の町に立ち寄り(1時間6分)、将棋の駒を買う。駒に印刷した紙を貼り、その上から彫っていた。
 山寺に1時間31分滞在。「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声 芭蕉」立石寺、長い階段、金比羅に負けない。下りはどんなに急いでも30分はかかるだろう。足が震えてくる。突然の夕立に、皆立ち往生。ぼくはポンチョで悠々と下りた。しかし、疲労は隠せず。

山寺 山寺2

仙石線は都会らしく混み合い、女学生や、女子社員が多く、男の姿は見られなかった。
 ユースにはおもしろい人がそろい、楽しかった。その中でも、石川隆夫は、ハンドバックを作っているという25才の男である。寝る時に大きな目覚ましを出し、「うるさかったら布団の中に入れるから」と言い、「まあ、いいや」ということになったが、そのすさまじい“いびき”には参ってしまった。目覚ましどころではない。
 将棋 5000円
 おまもり 300円
 松島ユース 朝、夕食付き 1150円

7月21日 朝5時半起床、同室のおもしろい人たちと1時間ほど桜貝を探して散策。見つからないものである。故に価値がある。8時頃ユースを出発、大高森へ向かう。眺めは良かった。15分ぐらいの坂道、足はまだ健在である。
大高森

 松島海岸、人のにぎわい甚だしい。水の汚さ言いようなし。
五太堂 観瀾亭より 松島

 瑞巌寺はすばらしい。涼を求めるのに最高、ひんやりした雰囲気。また、岩をくり抜いた洞穴が目立つ。修行僧の道場だったとか。
    観瀾亭博物館 瑞巌寺1 瑞巌寺洞穴

 仙台の町、近代的な中にも緑が多く、これからの都市形態の先駆けかもしれない。車をもっと少なくする工夫ができれば、最高の町となるだろう。
青葉城跡 伊達政宗

 南蔵王ユース、男子1名、女子3名、ヘルパー4名、本当に静かなユースである。トランプを楽しむ。負けて皿洗い。ヘルパーはプロのようだ。
  バス ユース→大高森  70円
   大高森→野蒜   90円
   白石→ ユース前 320円
 拝観料      60円 
 南蔵王ユース 朝、夕食付き 900円

7月22日 蔵王登山の出発間際雨が降り、計画が流れる。諦めバスで行くことにする。しかし、バスの便が少なく歯がゆい。蔵王山頂までユースから歩くと6~7時間かかるそうだ。次の機会に試そうと思うが、その機会がくるかな。蔵王山頂からユースへ向かう方が得策のようだ。早く梅雨が明けることを祈る。裏磐梯は晴れて欲しい。
蔵王2 蔵王3 蔵王1 蔵王4

 蔵王御釜、写真そのままである。風が激しく、長袖2枚でも10分とはいられない。山頂だけが晴れている。下には雲海が広がり、所々に山の頂が顔を出している。
 ユースは旅館兼用でさっぱりである。男1名、女4名とまた一人。16畳の中にただ一人寝るのもなんだか気持ち悪い。それに、硫黄の臭いが凄くて鼻が痛い。
 バス ユース→関  130円
    関→白石   360円
    白石→蔵王山頂 600円
    蔵王山頂→刈田岳 80円
    刈田岳→蔵王温泉 340円
 コーヒー   180円
 ユースみちのく 夕食付き 900円
         入湯税  40円

7月23日 山形は凄い雨、これで梅雨も明けるだろう。それにしても長い梅雨。
 米沢、時折晴れ間が覗く。上杉神社に立ち寄る。駅より約30ほど、静かなたたずまい。米沢発の列車は30ほど遅れて出発。峠をジグザグに行ったり来たりして登っていく。福島に17分遅れて到着。
上杉神社

 福島、羽黒神社へ行く。駅から約1時間、こんなところにと思う、本当にまわりに何もない、急な坂道を上り詰めたところにある。7,8段の階段の上に静かな落ち着いた建物がある。その横に大きなわらじが木に掛かっている。長さ10メートルはあるだろうか。お堂の中からお経が聞こえてくる。建物のまわりすべての壁に彫刻があり、何かの物語のようだ。その素晴らしさに圧倒される。裏には細い道があり、下りていくことにした。この道はどこへ行くのだろうか。兎に角下りていく。途中派出所に立ち寄る。聞くと丁寧に教えてくれる。東北では派出所が目立つ。本当に助かる。

羽黒神社1 羽黒神社2 羽黒神社3 羽黒神社4

バスで福島ユースに向かう。新しく、素晴らしいところである。このユースに2人の外国人がいた。1人はハンガリー人、もう一人はポーランド人。二人とも東工大の研究生で、日本語が非常にうまい。まだ1年3ヶ月しか経っていないという。ティータイムに、ネスカフェを入れようとすると「狐狸庵ないですか」と聞くユーモアの持ち主である。
福島ユース 朝、夕食付き  1150円    

7月24日 ユースに北海道からの帰りを車で旅している二人連れがいた。それに便乗して浄土平に向かう。霧の中や晴れ間中を走りながら目的地に到着。吾妻小富士も一切経山もよく見えた。吾妻小富士に登った。10分ほどで。火口を半周して下りてくると、霧がスーッと駆け足でやってきて何も見えなくなった。

吾妻小富士 吾妻小富士から一切経山の眺め 磐梯レークライン2 浄土平

それからまた、車に乗せてもらい五色沼入口まで行く。途中の有料道路からの眺めは素晴らしかった。裏磐梯ユースに泊まる。

磐梯レークライン

7月25日 五色沼ハイキングコースを2度ほど歩き回った。確かにいろんな色があり、きれいだ。しかし、自分には合わない、何か自然ではない、濁ったというか何かすっきりしない。白樺の家からの展望は、天気は悪かったが、素晴らしかった。裏磐梯民芸館の館長、白髭のおじいさんの話はおもしろかった。裏磐梯ユースに連泊する。

五色沼1 五色沼2 五色沼3 五色沼 裏磐梯民芸館1 裏磐梯民芸館2

7月26日 五色沼より磐梯山のまわりを回って猪苗代まで歩いた。“疲れる”といったさわぎではなかった。野口英世記念館に立ち寄る。忍耐は苦し しかれども その実は甘し 落書きもそのまま残り、決意して家を出たことを物語っている。
野口英世1 野口英世2

 会津若松 飯盛山のエスカレーターには参った。商売である。自分は階段を上った。暑い日であったが、ここは涼しいところだった。次にくる時は雄国沼へいきたい。また磐梯山にも登りたい。もう一泊裏磐梯ユースに泊まる。

若松城1 若松城2

旅行行程
7月19日 金沢9:50発 急行しらゆき 鶴岡16:55着 
      鶴岡17:23発どんこ 三瀬17:42着
7月20日 三瀬6:40発どんこ 余目7:23着 7:33発 急行月山1号 天童9:25着
     天童10:31発 急行月山2号 山寺11:29着 13:02発 どんこ 仙台13:55着
      仙台14:09発 どんこ 野蒜15:10着
7月21日 ユース前8:17発 バス 大高森入口9:23着 9:27発 バス 野蒜9:38着
          野蒜9:53発 どんこ 松島海岸10:11 11:45発 どんこ 仙台12:23着
     仙台15:25発 どんこ 白石16:01着 16:30発 バス ホステル前17:46着
7月22日 ユース前9:56発 バス 関10:21着 11:45発 バス 白石12:45着
    白石13:00発 バス 蔵王山頂14:32着 刈田岳16:00 バス 蔵王温泉16:50着7月23日 蔵王温泉7:00発 バス 山形7:45着 8:58発 急行あさひ 米沢9:49着
    米沢 11:23発 どんこ 福島12:37着 16:46発 バス 高湯温泉17:35着
7月24日 高湯温泉  浄土平  五色沼入口

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