2016年活動報告及び2017年活動方針案
2017年03月26日(日)
2016年活動報告
A.医療運動
1.社会保障・医療保障制度の改善運動
2016年度は、社会保障制度改革推進法、社会保障制度改革プログラム法に直接的な根拠を持つ立法はていきされず「静かな」1年と言えなくもなかったが、具体的な施策が都道府県を中心に着々と進行していく1年であった。
・保団連発行のリーフレットの普及、患者署名、会員署名、
地元選出国会議員への働きかけ
・法案の提出を見送らせるなどの一定の役割を果たす
外来受診時定額負担の創設、市販類似薬の保険外し、
要介護1,2への新総合事業の対象拡大
・「患者受診実態調査」を実施し、経済的理由による受診抑制の実態を明らかに
調査結果を県庁記者室にて記者発表
2.地域における医療保障をよくする運動
①地域医療構想
*8月に石川県が公表した①の原案に対してパブリックコメントを提出
・「必要病床数」が「病床削減目標」にならないように
・患者の病態に応じた必要な入院医療、在宅医療を十分受けられるような
医療提供体制の整備を求める
*日々の相談活動を通じて、
診療報酬点数設定や算定要件の不合理を発見、整理する取り組み
②新総合事業
*金沢市が示した「新総合事業のおける事業者指定基準案」に対してパブコメを提出
・給付削減ではなく、あくまでも国や自治体の責任でサービスを提供すべき
*医療介護現場の課題解決に向けた取り組み
・在宅居訪問、エキスパート訪問、在宅医療講演会(後述)
*地元若手研究者の学習会「金沢市の医療・介護施策について」
・石田道彦氏(金沢大学人間社会学域法学類教授)
③国保財政都道府県単位化
*関係諸団体とともに、保険制度改善を取り組む
・保険料水準、保険料減免制度、国庫負担の引き上げ
④金沢市国保の改善運動
*金沢市社保協等関連団体と「よくする会」を組織
・国保料の引き下げが実現
・資格証明書を交付された患者に対する医療アクセスの向上策の徹底に努める
B.第一線医療の充実と発展を目指す活動
3.2016年度診療報酬改定への対応
①改定内容を分かりやすく知らせ課題を浮き彫りにする
検討会・勉強会の開催、テキストの普及、質問への回答
・医科歯科共通
医師とコメディカルのためのシンポジウム
退院患者はどこへ行く 生活の場の違いによる診療・介護報酬改定を読み解く
新点数運用説明会
保険診療に詳しくなるための勉強会
②北信越ブロック共同で厚労省交渉
在宅医療点数改善のため
4.研究会活動
①医科歯科一体の活動
・歯科部に医師のメンバーが加わり、歯科会員対象の企画立案にも関与
内科医に聞く 医科への診療情報提供依頼で気をつけること
医科歯科連携による摂食嚥下リハビリテーション
・よろず勉強会
くすりのりすく そのとき口の中は
地域で取り組む「在宅療養高齢者」の食支援
②歯科
一般開業医における小児期の矯正歯科治療の留意点と最新の矯正歯科治療
そうだったのか!無歯顎補綴治療〈応用編〉
③地域医療活動
・冊子の発行
病院マップ
福祉マップ
福祉マップ発刊記念講演会
・訪問取材
医療・福祉エキスパートを訪ねて
在宅医訪問
・社会保障ゼミナールとセミナー
認知症と人権 当事者主権の認知症ケア
・在宅医療講演会
呆けたカントに『理性』はあるか
C.命を守る活動
5.憲法の理念に基づき、生存権や人権を生かす
・原発・いのち・みらいプロジェクトの活動
低線量被ばくの健康影響等に対して内外の知見を集め、
最新の科学的知見をもとにした情報発信
・定期総会 記念講演会「民主主義ってなんだ」
作家、明治学院大学国際学部教授 高橋 源一郎氏
・保団連の沖縄辺野古基地建設反対闘争支援ツアーに参加
2017年度活動方針案
はじめに
1.日本国憲法施行から70周年
第25条の理念を徹底した先にある「本物の」社会保障の実現を目指して、活動していく。
2.総会記念企画として「いしゃ先生」
本年度のスタートに当たり、上映会を企画した
「いつでもどこでも誰もが必要な医療を十分に受けることができる」という国民皆保険の価値を広く訴え、国民皆保険を守り発展させるという大きなうねり作り出したい。
戦前戦後の混乱期に無医村だった山形県大井沢村で生涯を医療に捧げた女性医師・志田周子さんの人生を描いた。
総会後上映しますので是非ご覧ください
A.社会保障・医療保障制度の改善運動
3.2017年以降の医療介護制度改革案の概要
高齢者に対する徹底した負担増
①70歳以上の高額療養費の月額患者負担上限の引き上げ
②医療療養病床入院時の居住費負担の引き上げと対象拡大
③後期高齢者医療制度の保険料軽減特例の見直し
④介護保険における「現役並み所得者」の利用者負担を2割から3割に引き上げ
⑤介護保険の高額介護サービス費の引き上げ
*応能負担を徹底するのであれば、高齢者のみに偏るのではなく全年齢にわたって社会保障の原則に則って負担の在り方を検討しなければならない。
4.患者負担増に対抗する取り組み
①「待合室から」医療を守るキャンペーン
・負担増を患者・市民に広げていく、制度改革に立ち向かうように働きかける
・会員一人ひとりに理解していただけるように、
署名の喚起や政策パンフレットの普及
講演会の企画に取り組む 地元若手研究者との学習会を継続
②マスコミへの宣伝活動
5.地域における医療保障をよくする運動を継続
①地域医療構想、新総合事業、国保財政都道府県単位化への対応
②石川県の「障害者医療費助成制度」の不合理是正を引き続き強めていく
③石川県の子ども医療費助成制度現の全県下完全窓口無料化に向けて運動を進める
B.第一線医療の充実と発展を目指す活動
6.保険診療の充実を目指す
①来年の診療報酬・介護報酬同時改定に向けて
・現行制度を精査し、不合理是正要求に保団連とともに取り組む
・北信越ブロックで厚労省交渉を進める
・在宅医療・介護における連携を阻害する算定制限を浮き彫りにし、
改善すべき課題を明らかにする。(医師とコメディカルのシンポジウム)
・「公費負担医療等の手引」の普及に努める。
②審査・指導・監査の改善を求める活動
・石川県における集団的個別指導や個別指導、適時調査について、
東海北陸厚生局に開示請求を行い、会員に情報提供する。
7.研究会活動
①医科・歯科共通
・よろず勉強会は「歯科から医科へ」を継続する
・コメディカルも参加したくなるテーマを検討する
②医科
・社会問題となりそうな、今起きている医学的問題について、
基礎的な知見を得るためのゼミナール形式の勉強会
③歯科
・医科歯科連携のための標語を募集し、関連企画の開催を通じて医科歯科連携を深める ・骨粗鬆症の基礎となるカルシウム代謝・骨代謝をテーマとした講演会を開催
・高齢者を診るための医科講座
・10年ぶりに小原啓子氏によるマネジメント講演会
・今さら聞けない歯科臨床シリーズ
・日常診療に役立つ講演会や会員懇親会
④地域医療活動の推進のために
・出版物 病院マップ、福祉マップ
・「認知症」をテーマに在宅医療講演会を開催
・「相模原障害者施設殺傷事件」についてゼミナール、セミナーを開催
・地域包括ケアについて検討
C.組織を拡大・強化する活動
①会員増加の取り組み
・新規開業懇談会
②機関紙・文化活動
・連載企画「子どもは未来」
・新入会会員の自己紹介
・ホームページに身近な医療のことをQ&A方式で紹介するコーナー
・「かぶら寿し作り体験」、ドクターズファミリーコンサート、ゴルフコンペ
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