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口腔衛生管理体制加算の評価を廃止

2021年05月18日(火)


 歯科医師又は歯科衛生士による介護職員への助言・指導を評価した施設が算定できる口腔衛生管理体制加算は、平成21年に新設されて以来、施設入所者全員の口腔ケアの強化に貢献してきた。歯科医師または歯科衛生士が介護施設へ毎月赴き介護職員と顔を合わせて、入所者の口腔ケアや口から食べる支援に関してきめ細やかに議論し、その継続によって連携・コミュニケーションを深めてきた。研修会を開催し、それぞれの共通理解を育み、疑問点を解決してきた。

 「介護保険施設等における口腔の健康管理等に関する調査研究事業報告書」によれば、口腔衛生管理体制加算を介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院ではそれぞれ6割前後が算定していた。また、口腔衛生管理が行われなかった場合、歯科専門職による口腔衛生管理が行われた場合と比較して、1年後に体重(BMI)減少がみられるリスクは、2.2倍、1年間の肺炎の発症は、3.9倍であった。これらを受けて、厚労省は、今年4月から口腔衛生管理体制加算の評価を廃止し、基本サービス費に包括した。さらに、これまで実施してこなかったところを含むすべての施設(3年の経過措置期間を設ける)を対象とした。
 しかし、すべての施設に、口腔衛生の管理体制を整備し、状態に応じた口腔衛生の管理の実施が果たしてできるのだろうか。施設入所者の口腔衛生管理の強化が求められている今、この評価を廃止ではなく、むしろ引き上げるべきではないか。また、施設職員に対し助言・指導を行う歯科医師等への評価は介護報酬上に存在していないが、何らかの報酬を検討すべきである。
 保険医協会は、人間性の回復につながる口から食べることを目指していきたい。入所者の口腔の健康の保持を図り、自立した日常生活を営むことができるような歯科医師の支援・関与が容易となる介護・医療制度の実現を追求する。

 令和3年度介護報酬改定に向けて(自立支援・重度化防止の推進)
www.mhlw.go.jp/content/12300000/000672514.pdf
72ページから
 施設の口腔機能維持管理体制への応援
kojima-dental-office.net/20130216-720#more-720

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