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憲法の精神を活かせ 社会保障制度改革国民会議

2012年09月18日(火)


 8月10日、民主・自民・公明の三党合意により、消費税増税法案とともに、社会保障制度改革法案が参議院において可決・成立してしまった。これによって、社会保障の給付内容充実ではなく、その制度持続が目的となり、そのための詳細を社会保障制度改革国民会議が検討することになった。
 能力に応じた負担から受益に見合った負担へとより一層転換され、自助・自己責任を原則とし、助け合いの共助によって支援することになり、国などの公助を大幅に抑制した。社会保障本来の精神である公助、共助、自助から逸脱することになり、国による生存権保障を放棄することになった。また、社会保障給付を消費税収の範囲内とし、消費税の引き上げか社会保障給付の抑制かの二者択一しか選択肢がないように思わせようとしている。
 医療保険制度においても、医療給付の抑制や国民負担増が必至となり、混合診療解禁への道が開きかねない。入院から在宅へ、施設から在宅へを推し進める環境整備にもなった。
 今後開催される社会保障制度改革国民会議において、憲法の精神「社会保障は国民の権利であり、その権利を守ることが国の役割であること」にもう一度立ち返るべきであり、その委員は幅広い国民の声を集約するためにも、すべての政党・会派が参加すべきである。
 保険医協会は、社会保障と税の一体改革の基本的な考え方を理解し、国民と共に問題点を把握し、国民的な議論を深めていく。さらに、基本的人権の擁護と、すべての国民が安心安全な医療を受けられる医療保険制度の堅持を追求していく。

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