歯科用貴金属価格の随時改定について(平成25 年10 月改定)
2013年09月04日(水)
金パラ価格据え置き 25.9.4.
歯科用金銀パラジウム合金(後述は金パラ)の高騰する市場価格と保険診療で定められた告示価格との乖離が続き、歯科医院の経営を直撃している。金パラ購入額は歯科材料購入額のかなりの割合を占めているからである。
金属歯冠修復は製作費と金属代金によって算定される。例えば、大臼歯の金パラ全部金属冠であれば、それぞれが4540円と3700円であり、合計8240円となる。大小にかかわらず、告示価格1㌘ 1052円の金パラを約3.5㌘使用することになっている。臨床では症例毎に重さは異なる。口腔内に装着される金属冠のみならず、製作過程で失われる量なども含まれている。
歯科用貴金属の価格の変動が激しいため、平成12年以降から6カ月に1回、10%以上、素材の価格が変わった場合に告示価格の改定をする仕組みが決められ、平成22年4月より5%を超えた場合に見直しされた。今回の金パラ試算価格が1085円、その変動率が3.2%と発表になり、平成25 年10 月改定では、告示価格が1052円のまま据え置きとなった。しかし、今年1~7月の金パラ平均購入価格は、1150~1250円であり、価格に隔たりがあり矛盾を感じている。また、市場調査の実態と、その結果に至る詳細も公開されていない。告示価格には不明な点が多すぎる。
歯科医療に多大な影響を与える金パラの価格設定のシステムを改善し、告示価格の決定過程を明瞭化するとともに、見直す期間や変動率の短縮をはかり、より実勢価格に近づけることを要求する。そして、保険医協会は、歯科医師がよりよい歯科医療を目指せる環境を整え、すべての国民が安心安全な医療を受けられる医療保険制度のより一層の改善を追求していく。
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