休業保障制度の存続を
2010年08月04日(水)
地域医療を守るために
保険医休業保障制度は、会員医師・歯科医師が傷病によって休業を余儀なくされた場合、療養に専念できるよう、休業中でも医療従事者の確保、代診医を手配して診療活動を継続できる制度として、地域医療を守る役割を果たしている。
しかし、2005年4月の第162回通常国会で保険業法が改正され(06年4月施行)、それまで「不特定多数のものを相手方とする」とされていた『保険業』の定義が削除され、会員等の特定の者を対象とする共済事業を行っていた団体も同列の扱いとなった。このため、自主共済を行ってきた団体は制度の改廃や新規募集停止に追い込まれている。
以来5年間、保険業法の適応除外を求めて国会議員要請、署名活動、関係団体との連携などの運動に取り組んできた。この結果、昨年10月、亀井静香金融担当大臣(当時)が適用除外の方策を講じるよう指示するに至り、先の第174回通常国会に、救済法として保険業法再改正法案が上程された。同法案は保団連や共済懇話会等が要求していた無条件の適用除外ではないが、2005年当時実施していた共済制度が一定の要件(任意団体は一般社団法人・財団法人格の取得、一定の財産的基礎・人的構成を有する、業務・経理の適切性など)に該当すれば原状復帰させるというもので、即成立の見込みであった。しかし、6月2日の鳩山首相の突然の辞任で国会審議がストップし、継続審議扱いとなっている。
今後、保団連、保険医協会では、法案の9月臨時国会での成立と、それに伴う政省令が自主共済の大きな制度改変なしに実施できること、また社団法人の設立に伴う新たな税負担を課さない等、従来通り運営できるよう、課題の整理や対策に取り組み、政府、金融庁、国会議員に働きかけていく。同時に、あくまで今回の法案は「当分の間」の特例措置である点に注意し、自主共済の意義や役割の認識を広めるため、適用除外の取組みも継続していく覚悟である。
- カテゴリー
- 持論