小島歯科医院 名誉院長ブログ

待合室の掲示板

花粉症のお薬「シダキュア」を服用・考え中の方へ

2023年04月21日(金)


 シダキュアを服用されている方は、必ず服用中である旨を伝えてください。カウンセリング時に詳細を確認します。安心して治療を進めるためには、内科医などとの連携が大切です。また、歯科治療が終了してから、舌下免疫療法を開始することをお勧めします。特に、歯の生え替わるお子さんは注意が必要です。
 添付文書には、「抜歯後等口腔内の術後又は口腔内に傷や炎症等がある場合は、循環動態が亢進し、本剤の吸収が促進される等により、アレルギー反応に基づく副作用、特にアナフィラキシーが発現するおそれがある。投与開始時を含む初期には十分注意するように。」とあります。抜歯や歯周病の手術後にシダキュアを服用してアナフィラキシーショックを起こした症例も報告されています。傷口から抗原(舌下錠のアレルゲンエキス)が大量に体内に入ることになるので、リスクが高くなると考えられています。
 シダキュア添付文書 【スギ花粉症の減感作療法(アレルゲン免疫療法)】
pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067169.pdf

 参考に
 スギ花粉症患者さんの大半は、1シーズンに1回受診し、薬物療法(対症療法)を受けています。一方で、とても重症で社会生活に支障が出る方は、舌下免疫療法を希望します。月に1回の受診を最低2年半続けなければなりませんが、効果はかなり高いようです。スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっていますので、スギ花粉が飛んでいない時期に治療を開始します。
 舌下免疫療法
www.torii-alg.jp/slit/
 アレルギー性鼻炎には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状を和らげ゙たり抑えたりする薬物療法と、アレルギーそのものを治療することで原因物質(アレルゲン)に対しての根本的な体質改善が期待できるアレルゲン免疫療法(根本治療)の2つの治療法が゙あります。アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンのエキスを少量から投与することで゙体をアレルゲンに慣らし、長期にわたって症状を抑えたり、症状を和らげ゙たりできます。「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があります。
 症状が現れない最大量を繰り返し食べ、定期的に少しずつ食べる量を増やす食物アレルギーの脱感作療法と同じ考え方です。治療中はアレルギー症状が出ます。
 花粉症と口の渇き
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