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金パラ随時改定告示価格据え置きは理不尽(平成31年4月改定)

2019年05月22日(水)


 歯科用金銀パラジウム合金(金パラ)が今年に入り高騰している。ほとんどの歯科医院は歯科材料店から金パラを30g単位で購入しているが、それが5万円を超え、消費税込みで6万円を超えたこともあった。市場価格と保険診療で定められた告示価格との乖離による逆ザヤが歯科医療を直撃している。
 金パラを使用した大臼歯の金属冠であれば、告示価格1㌘1458円の金パラを約3.5㌘(5130円)使用することになっているが、もし、5万5千円で購入したものを使用すると、3.5㌘が6417円となり1287円の逆ザヤとなる。この逆ザヤが大きくなれば、技工料金へのしわ寄せ、ひいては歯科医療の質が下がることも懸念される。
 しかし、今年1 月16 日の中医協総会は、歯科用貴金属(金、銀、パラジウム)の素材価格(1498円、2.7%上昇率)の変動率が5%を超えなかったとして、今年4月の随時改定は行なわず、告示価格の据え置きを決定した。素材価格で購入している歯科医院はない。理不尽である。
 随時改定では市場価格ではなく、金、銀、パラジウムそれぞれの「素材価格」を調査しているが、調査内容が公表されず価格決定の過程も不明瞭である。また、調査期間が今回の改正であれば昨年の7 月から12 月とタイムラグがあり直近の価格変動に対応できていない。6ヶ月毎の随時改定と、変動率5%という規定を廃止し、金パラの告示価格をより市場価格に近づける必要がある。
 さらに問題なのは、肌身で感ずる購入価格と告示価格があまりにかけ離れていることだ。抜本的に制度を見直し、告示価格の決定過程を明瞭化し乖離幅を解消すべきである。保険医協会は、よりよい歯科医療を目指せる環境を整え、すべての国民が安心安全な歯科医療を受けられるように医療保険制度のより一層の改善を追求していく。

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