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未来院請求後の一部負担金

2016年11月15日(火)


 歯冠修復物及び欠損補綴物を製作後、患者さんが理由なく来院しなくなった場合や患者さんの意思により治療を中止した場合に、装着予定日から起算して1月以上経過した時点で、歯科医院は保険者にその製作物の費用を未来院請求することができる。この製作物の保管期間は製作日から1年間となっている。
 未来院請求後に再来院して装着した場合、初診料、装着料、装着材料料等を算定する。合わせて、未来院請求時に生じた一部負担金を再来院時に徴収できる。また、歯牙の破折、歯牙の移動などにより、修正を尽くしても製作物を装着できなかった場合は新製でき、再製作の費用を算定できる。
 ところで、未来院請求後に再来院した際の、装着できなかった保管物の患者一部負担金についてであるが、歯科医院によっては患者に請求しにくいという理由で徴収しない所や、丁寧に説明して徴収する所があり、その対応が統一されていないことが明らかとなっている。
  現在、厚生局からの回答待ちの状況ではあるが、本来、その製作物がたとえ装着できなかったとしても、患者のために作られたオーダーメイドのものであり、療養の給付にあたると考える。それゆえ、未来院請求も診療報酬で認められているのである。療養の給付を受けるものは、健康保険法74条によりその給付を受ける際に一部負担金を支払わなければならないとされており、歯科医院は療養担当規則第5条により、法74条の規定による一部負担金の支払い受けるものとするとされている。
  したがって、未来院請求後の装着できなかった保管物も、患者一部負担金を請求するのが療養担当規則からみて当然のことであろう。しかしながら、保険者が徴収するべき一部負担金を保険医療機関が代理徴収するという仕組みゆえ、保険医療機関側が患者トラブルの矢面に立たされ、一部負担金徴収の自粛が起きているというのも実情だ。患者一部負担金を保険医療機関が徴収するシステムそのものの見直しを含めた検討も必要なのではないだろうか。

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