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悪性乳頭状唾液腺腫

2020年09月03日(木)


2020.6.24. 1994年より25年以上プラークチェック、クリーニングを続けてこられ、必要なときに必要な処置も受けられていた。1ヶ月前の定期検診時には異常が見られなかったが、突如として歯牙欠損部に原因不明の歯肉膿瘍が現れた。県立中央病院口腔外科に精査をお願いした。1ヶ月後に入院・手術することになり、確定診断は悪性乳頭状唾液腺腫だった。初期がんの早期発見、早期の受診により、頸部リンパ節などは経過観察になった。今後も連携をとり定期検診を続けていく。

 

症例 
患者  55歳男性
初診  1994年3月1日
主訴  右上3,4番部に歯ブラシが当たると痛い
現症  歯ブラシ圧が強く1ヶ月で歯ブラシが広がる
経過
1994年
 3/2 左下臼歯部のプロービング・デプスが深い
1994.3.2.

1998年
 1/10 左下7番を抜歯
2006年
 3/27 左下4と6番を抜歯
 4/11 左下に義歯装着
2013年
 11/22 パノラマ写真にて左側下顎臼歯部に抜歯窩の透過像が見られる
2013.11.22.

2020年
 5/29 定期検診時には左下臼歯部に異常は見られない
 2020.5.29.

6/23 左下臼歯部が腫脹
 6/24 当院受診
      左下臼歯部歯牙欠損部に歯肉膿瘍、排膿あり 
      X線写真にて骨吸収像と骨辺縁部の数個の小さな不透過物が確認できる
      抗生剤を3日分処方
2020.6.24. (2)

 6/27 歯肉腫脹に変化なく、石川県立病院口腔外科へ紹介する
 6/29 石川県立病院口腔外科を受診、精査開始
 7/22 入院
 7/23 全身麻酔下にて左側下顎骨腫瘍切除
 8/3  退院
 8/12 小唾液腺由来の悪性乳頭状唾液腺腫と診断される
      県立中央病院にて毎月1年間、頸部リンパ節などの経過観察
 8/28 当院にてプラークチェック、クリーニング

 唾液腺腫瘍の病理 小唾液腺腫瘍を中心に
www.jstage.jst.go.jp/article/jsot/23/3/23_3_50/_pdf
 小唾液腺では悪性腫瘍の割合が比較的高く、口底と臼後部では多くが悪性である。病理組織学的診断が重要である。それに加え、免疫組織学的検査は、腫瘍の進行度や増殖能の確認にも利用され、患者の予後判定にもつながる。

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