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食物アレルギーの みかた

2018年11月11日(日)


002  11日(日)ホテル金沢にて食物アレルギー講演会を開催しました。講師には、城北病院小児科医の武石大輔先生をお迎えし、「食物アレルギーの みかた」を講演して頂きました。会場には、160名を超える、医師、歯科医師、保育士、養護教諭、栄養士、調理師等、様々な職種の参加者があり、関心の高さが伺えました。また、教育委員会や保育士会、マスコミなど多くの後援も付きました。
 武石先生が簡潔にまとめられたレジュメに添って、事前質問に対する回答を交えながら詳しく解説して頂きました。IgEの血液検査と症状は必ずしも一致しないこと、口から入ったアレルゲンより、湿疹のある皮膚からのほうが発症リスクが高いこと、牛乳・小麦は3歳、卵は6歳で6割が自然治癒しますが、小学校まで持ち越すと治りにくいこと、心配のあまり離乳食の開始時期を遅らせますと、アレルギー発症の危険性が高くなること、などなどを多くのことを学びました。
 食物アレルギーに対する考え方が、2005年では基本は原因食物を食べさせないことだったのが、2012年になりますと、症状を起こさずに食べることに変わり、2016年には治療ではなく栄養指導へと変化していきました。経口(減感作)療法では、症状が現れない最大量を繰り返し食べ、定期的に少しずつ食べる量を増やしていくこと、治療中はアレルギー症状が出ることやアレルギー症状が出た後も間を空けずに翌日も続けることなども理解できました。
 内灘町保健センターの宮本裕子さんより、町立の保育所だけではなく、私立の保育所や幼稚園も指示書(保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表)を統一したことと、消防署とも連携し万一に備えているとの実践報告がありました。
 そして、多種多様な職種からいろんな視点の質問も相次ぎ、現場では切実な問題を抱えていることが分かりました。また、活発なやりとりがあり、多職種間の理解も深まりました。講演終了後も長い行列ができ、それぞれの方に武石先生が親身に相談にのっていました。

メモ
 食物アレルギー診療ガイドライン2016 ダイジェスト版
www.jspaci.jp/allergy_2016/
 参考に
 知っておきたい食物アレルギーのいろいろ
kojima-dental-office.net/20180630-4273
A.食物アレルギー
 1.定義
   食べ物によって免疫学的機序を介して体に不利益な症状が惹き起こされる現象
  ①IgE依存性反応  血液検査 +
  ②非IgE依存性反応  血液検査 ー
 *食べ物によって惹き起こされても非免疫学的機序を介するものは、食物不耐症という
  ①代謝性疾患 乳糖不耐症 分解酵素が少ないので下痢を引き起こす
     ②薬理学的  カフェイン
     ③毒性    ヒスタミン中毒
     ④その他突発性 亜硫酸塩
 2.臨床型分類
  ①新生児・乳児消化管アレルギー  牛乳のみ
  ②食物アレルギー関与する     1歳未満
    乳児アトピー性皮膚炎          湿疹
  ③即時型症状           2時間以内
  ④食物依存性運動誘発
  ⑤口腔アレルギー症候群      イガイガする
 3.有病率
  ①年齢が上がるにつれて、徐々に少なくなる
  ②年々増えている
    理由として
          ・きれいすぎる環境
       生まれた時は同じ細胞が感染とアレルギー担当細胞に分化するため、
       感染対応の必要度が少なくなればアレルギー対応に細胞を回せる
     ・認知されてきている
 4.原因食物
  ①頻度
    ・卵、牛乳、小麦のトップ3は変わらない、合計のシェアーは少し増えた
    ・食べ物の変化により原因も変わる
      2016年は、ピーナッツが増え、蕎麦が少なくなった
  ②新規発症例
    ・0歳児では、卵、牛乳、小麦だか、1歳児になると、魚卵、ピーナッツ、果物
  ③誤食
    ・3歳まで卵、牛乳、小麦
 5.症状
  ①アナフィラキシー
   アレルゲンなどの侵入により、複数の臓器にアレルギー症状が惹き起こされ、
   生命に危機を与える得る過敏反応
    皮膚と呼吸器、消化器
  ②アナフィラキシーショック
   アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合
  ③皮膚粘膜
    ・蕁麻疹は急に出て数時間で消失
            皮膚症状は100%出はない、蕁麻疹は必ず出ない
    ・結膜充血、喉のイガイガ・声がれ、唇の腫れ
  ④消化器・呼吸器
 6.感作 暴露により準備状態
  *口から入ったアレルゲンより、湿疹のある皮膚からのほうが発症リスクが高い
  *パン職人や蕎麦打ちの免疫や消化管未成熟な赤ちゃんが経気道感作
     乳児湿疹をよくする
 7.診断
  ①血液検査
   *血液検査が+でも食べられればアレルギーではない
   ・血液検査IgEの数字が大きいほど症状が出やすい
   *血液検査と症状は必ずしも一致しない
    IgE+ 症状-
     マスト細胞上の隣同士の抗体に架橋がないと活性化されない
    IgE- 症状+
     血液中に抗体が余っていない
  ②交叉抗原性の理解
    ・メロンにアレルギーがあれば他のフルーツも可能性が高い
    *魚アレルギーは種類と量を個別で観る必要がある
     症状が出なければ食べた方がよい→ 食べられる量が増えていく
    *マカダミアナッツでアナフィラキシーを起こし
     今まで食べていたピーナッツも血液検査が陽性にでても食べても大丈夫
     食べたことがないナッツ類は病院で負荷試験を行う→自宅→集団
  ③皮膚テスト ブリックテスト
    15分の観察
    *口腔アレルギー症候群では有用
  ④食物経口負荷試験
    ・病院によって多少やり方が異なる
    ・卵1個食べられれば解除
    *症状が出現した食べれた量の1/10から自宅で食べていき、
            段階的に増やしていく
 8.治療と予防
  ①時代による変遷
   ・1950年 食物アレルギーが病気として認められる
      ・ガイドライン2005年
     基本は原因食物を食べさせないこと
   ・ガイドライン2012
     症状を起こさずに食べること
     基本は必要最低限の除去
   ・ガイドライン2016
     治療ではなく栄養指導
      誤食防止
              定期的な栄養評価
      個々の患者、家庭環境
  ②初期対応
    ・エピペン 迷ったら打つ
    ・仰臥位 頭を高くしない→オンブではなく横抱きで移動
    ・乳幼児の口の周りの発疹だけであれば接触性蕁麻疹
       軽症なので食べ続ける
     *服の中の蕁麻疹や咳が止まらない、激しくお腹を痛がる場合は病院へ
    ・離乳食の開始時期は生後5~6ヶ月
     *卵製品の離乳食開始を遅らせると、アレルギー発症の危険性が高くなる
  ③自然治癒
    ・牛乳・小麦は3歳、卵は6歳で6割治る。小学校まで持ち越すと治りにくい
    ・消化機能(タンパク質を分解)の発達と免疫機能の成熟により治る
  ④経口(減感作)療法
dot.asahi.com/aera/2016031000249.html?page=1
    ・症状が現れない最大量を繰り返し食べ、定期的に少しずつ食べる量を増やす
    ・治療中はアレルギー症状が出る
    ・アレルギー症状が出た後も間を空けずに翌日も続ける

004B.実践報告 内灘町における行政及び医療機関の連携について
 1.指示書の統一(保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表)
   *町立の保育所だけではなく、私立の保育所や幼稚園も
   ・記入例を付けて保護者にも医療機関にも分かりやすくした
 2.連携
   *消防署とも連携し、万一に備えている

img070食物アレルギー講演会
日時:2018年11月11日(日)9:30~11:30 
会場:ホテル金沢 2F ダイヤモンド
講師:武石大輔先生(城北病院、小児科医)
           宮本裕子(内灘町保健センター)
対象:歯科医師、医師、医療機関のスタッフ、保育士、養護教諭、
   その他 興味のある方はどなたでもご参加いただけます。
◆ 無料    申し込み必要    食物アレルギー講演会チラシ   
◆ 定員150人
◆ 申込締切 11/5[月]
  定員に達した場合は、申込締切より前に締め切る場合があります。
  お早めにお申し込み下さい。
img071◆申込方法
  ①医療機関または団体名、②申込者名、③電話番号、④参加者名と職種を記入の上、
  石川県保険医協会にお申込みください。
主催 : 石川県保険医協会
 金沢市尾張町2-8-23太陽生命金沢ビル8階
 TEL 076-222-5373
 FAX 076-231-5156
  Email  ishikawa-hok@doc-net.or.jp

後援 石川県教育委員会、金沢市教育委員会、石川県保育士会、朝日新聞金沢総局、石川テレビ、HAB北陸朝日放送、エフエム石川、テレビ金沢、北陸中日新聞、北陸放送、北国新聞社、毎日新聞北陸総局、読売新聞北陸支社

~ご案内~
 食物アレルギーへの対応については、近年、考え方や治療法が著しく変化し、医療関係者と保護者の間で共通認識をもつことが一層求められるようになってきました。また、保育士、養護教諭や栄養士・調理師との連携も大切です。
 そこで、食物アレルギー問題に直面している様々な専門職の皆さんと、アレルギーについての理解を深め、連携促進に役立てていただくための講演会を企画しました。
・なぜ食物アレルギーが増えているのか?
・なぜ消化管だけではなく、皮膚炎からも食物アレルギーが感作されるのか?
・なぜ成長するとアレルギー食品が食べられるようになるか?
・なぜ卵、牛乳、小麦だけでなく、甲殻類や日本そば、果物、ピーナッツなどでもアレルギーが起きるようになってきたのか?
・アレルギーになったお子さんは、指導や治療を受けないと(より多くの食品を除いたり、食べ続けたりすると)、新たな食物アレルギーが起こりやすくなるのか?
・ラテックスのグローブはなぜ使用禁止になったのか?
などの疑問に、講師の武石大輔先生に分かりやすく解説いただく予定です。
 私たちは、子どもたちを、家庭や保育・教育現場のみならず様々な専門職の皆さんと一緒に育んでいきたいと思っています。奮ってご参加ください。

※講師に質問のある方はメールで10/29[月]までにお寄せください。

■実践報告  ~内灘町における行政および医療機関の連携について~
 当日は、武石大輔先生の講演のほか、アレルギー問題への対応として、内灘町における行政および医療機関の連携について、内灘町保健センターの職員の方より実践報告をしていただく予定です。

<講演抄録>                 講師 武石大輔
 他の分野と同じく、食物アレルギーの診療も日々進歩しています。以前は、血液検査の結果に基づき、食物を除去し、数値が下がってくるのを待つだけでした。最近は、少しずつでも安全に食べられる量を摂取していった方が、早くに食べられるようになるという考え方が主流になってきています。ただ、実際の現場では、具体的にどうやっていったらよいのかわからないのが現実だと思います。
 食物アレルギーがどのようにして起こるのか、検査結果をどう考え正しく診断していくのかをはじめとして、食べて食物アレルギーを治していく「経口免疫療法」についてもお伝えします。子どもたちが、安心して安全な食生活を送れるように、一緒に学びましょう。

 [略歴]
 2003年 金沢大学卒業
 2010年4月~10月 国立病院機構相模原病院でアレルギーの研修
 2010年11月~2011年3月 東京慈恵会医科大学第三病院でアレルギーの研修
 2011年4月~ (公社)石川勤労者医療協会 城北病院 小児科で勤務

 10日(土)此花町「斉や」にて、武石先生を囲む会。冬の味覚を堪能。
 前回の金澤 斉や
kojima-dental-office.net/blog/20131205-1437#more-1437
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お献立
先付・前菜
 ・真鱈の真子旨煮
 ・牡蠣のしぐれ煮
 ・堅豆腐床漬け
お造り
 かんぱち、梅貝、真鯛
強肴
 能登地鶏すきやき
    (もも、ネック、やげんナンコツ、四方たけ、平茸など)
焼肴 マス西京焼き
酢物 香箱蟹姿盛り
焜炉 広敷牡蠣朴歯焼き
揚物 キス鋏揚げ 胡麻豆腐岩石揚げ
飯  栗とむかごの釜飯
汁  あおさとなめこ 酒かす仕立て
甘味 マンゴープリン

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