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認知症と歯科疾患

2018年02月18日(日)


1997-1医科講師 大川義弘氏
      (城北クリニック院長、石川県保険医協会副会長)
歯科講師 森元主税氏
      (森元歯科院長、保団連副会長、東京歯科保険医協会理事)
参考に
 歯科と認知症
www.media-inc.co.jp/books/ninchisho/
 認知症 専門医が教える最新事情
kojima-dental-office.net/blog/20180102-8482#more-8482

メモ
A.医科から
 1.認知症キホンのキ
   ・自分のミスを他人のせいにすることによって
     心のバランスをとり、受け入れている
   ・どういう認知症かを見極めて歯科的対応をする
   ・認知症の初期段階から分かる簡単な検査 
     キツネとハトの模倣テスト(138ページ)
www.rouninken.jp/member/pdf/18_pdf/vol.18_07-18-06.pdf#search=%27%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%81%AE%E6%A4%9C%E6%9F%BB+%E3%82%AD%E3%83%84%E3%83%8D+%E3%83%8F%E3%83%88+%E6%88%90%E5%8A%9F%E7%8E%87%E3%81%A8%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%27

  ①認知症って何?
  ・病気か老化か
  ・病名ではない、病態を示す
  ・正常に発達した知能が脳の後天的な障害によって正常にレベル以下に低下した状態
  ・知的障害や意識障害やうつ病の時の認知能力低下とは区別する
  ・記憶障害のみは認知症ではない

  ②認知症の診断基準(DSM-5)
    もの忘れが必須ではない
  ・1つ以上の認知領域が、以前の機能レベルから低下している
   (複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚-運動、社会的認知)
  ・認知機能の低下が日常生活に支障を与える
  ・認知機能の低下は、せん妄のときのみに現れるものではない
    (入院した高齢者の3割はせん妄が出現する)
  ・他の精神疾患(うつ病や統合失調症など)否定できる
  ③認知症有病率
  ・65歳以上年齢と共に上昇する
  ・ただし95歳以上の男性のみが低くなる
  
  a.アルツハイマー型認知症
  ・全ての認知症の半分以上を占める
  ・最初に起こる症状は記憶障害
    長谷川式で調べると、エピソード記憶障害(特に近時記憶)から現れる
   短期記憶障害とは違う
 参考に
info.ninchisho.net/check
info.ninchisho.net/symptom/s20#id1-1
  ・忘れていることに「取り繕い」をする
  ・病識の欠如

  b.レビー小体型認知症
  ・認知症全体の2,3割
  ・幻覚、妄想
  ・パーキンソン症状
  ・通常の向精神薬に過敏
  ・睡眠障害が先行する

  c.前頭側頭型認知症
  ・認知症全体の数%
  ・もの忘れが主体ではない
  ・行動異常

  d.脳血管性認知症
  ・アルツハイマー型の次に多い
  ・原因疾患の治療し、規則正しい生活をすることで予防が可能
  ・症状が突然現れる、段階的に悪化する
  ・足を広げて歩く(ワイドベース)

 2.認知症の最新医学
  ・治すではなく、予後を予想してどう備えるか、どう介護するかをアドバイス

 3.認知症当事者の視点
  ・診察中にどうしても介護者を向いてしまうが、意識的に患者さんを見て治療する

 4.認知症発症と歯科疾患
 5.歯科疾患介入で認知症発症は予防できるか、又は遅らせることができるか
 6.認知症の人への歯科疾患介入で、認知症の進行は防げるか
  ①医科の認知症に関する本の中に歯科の記載がない
  ②研究発表の中に見られる記載(正しいかどうかは分からないが)
  ・アルツハイマー病のマウスに歯周病原菌を感染させると、
    海馬にアミロイド量が1.4倍になる 
  ・70歳以上で認知症の疑いがある方は、残存歯が9.4本 に対して
   健康と診断されたグループは14.9本
  ・残存歯の数が20本以上ある人に比べて、
    歯が無く、入れ歯も入れていない人の認知症リスクは1.9倍
  ・よく噛んで食べることができる人に対して、
    あまり噛めない人の認知症リスクは1.5倍
  ・認知症のない60歳以上1566人を5年間フォローすると、
    残存歯数と認知症有病率とは逆相関の傾向があった
    20本以上歯がある人に比べると、9本以下の人は1.81倍高かった

B.歯科から
 1.認知症の人への歯科疾患治療でQOLがあがるか?
  ①フレイル 筋力や心身の活力が低下した状態
  ・身体的フレイル サルコペニア
  ・精神的フレイル 精神や心理面の落ち込み
  ・社会的フレイル 社会参加しない
  ②口腔に見られるサルコペニア
  ・食べる機能の低下に始まる負のスパイラル

 2.認知症の人への歯科診療時の困難さと対応、
  ①進行性か否かを理解する
  進行性
  ・アルツハイマー型認知症
  ・レビー小体型認知症
  ・前頭側頭型認知症
  非進行性
  ・脳血管性認知症
  ②それぞれの認知症の特性を知る
  a.アルツハイマー型認知症
  ・器が白いとご飯と区別が付かない
  ・食べ始めない 目移りしないように、集中できるように
  b.レビー小体型認知症
  ・パーキンソン症状
  c.前頭側頭型認知症
  ・早食いのため窒息に注意

  d.皮質下性脳血管性認知症
  ・ラクナ梗塞はむせがわかりにくく誤嚥性肺炎のリスクが高い
  ③寄り添う、信頼
  ・不安を共有 「この人は私を理解しようとしている」
  ・安心感は安定した鼻呼吸から
  ・目を見て話す
  ・自分を守るために拒否していることを理解する
  ・ペンフィールドマップ感覚の少ない肩や腕から触り始める
  ・口腔ケアは後ろから患者さんが行っていた方向からハブラシを口に入れる
  ・口腔ケアは同じ時刻に同じ人が介助して習慣化する

 3.すすんだ認知症の人への義歯作製に対する考え
  ①退院後義歯が合わなくなった
  ・使いこなせなくなっただけ(口の中が痩せたわけではない)
   口唇力や咬合力が落ちた →シリコンチューブを噛ませる訓練(さきいか)
                              →リップバンパーで鍛える
  ・義歯の吸着力は咬合力から生まれる
    唾液が少なくなったから入れ歯が落ちるわけではない
  ・咀嚼しないと唾液が分泌せず消化酵素も無く消化しない
  ②義歯の修理
  ・煎餅を試食させない
   クラッシュしているだけで咀嚼していない
   こんなに硬い物が食べられるなら何でも食べられると家族に誤解させる
  ・汚れた入れ歯の時には自尊心を傷つけないように否定しない
    入れ歯の掃除をやってみよう、綺麗になったね、美味しいものが食べられるね
  ③新しく入れ歯を作る
  ・口から呼吸させずに印象をとる
    鼻呼吸の練習して安心してもらい誤嚥を防ぐ
  ・鼻唇溝消失や片麻痺がある時は咬合床を15分ほど入れて落ち着くまで待つ
    写真を撮っておくと最初の顔つきと変わってくることが分かる
    麻痺側にユーティリティワックスを噛ませる

 4.認知症の人の摂食嚥下障害の特徴
  ①高度のアルツハイマー型認知症になるまでは接触嚥下機能は維持される
   姿勢や体幹の崩れによって起きるので注意
  ②上手く食べられない
  ・舌がうまく動かない
  ・唾液分泌が少ない

 5.認知症の人の摂食嚥下障害に対する歯科医師の役割
  ①口腔機能を診る  残存能力の把握
  ・おしゃべりができるか
     ・舌が動くか
     ・ブクブクうがいができるか
     ・咳払いができるか
     ・首が動くか
    ②口腔ケアグッズで機能訓練
     ・ハブラシの植毛部をシリコンで丸く被った物
     ・スポイト(冷凍庫で凍らせる)
     ・シリコンチューブ
     ・注射筒
    ③多職種連携
    *2018年診療報酬改定
在宅療養支援歯科診療所の施設基準に「認知症に関わる研修」を受講することが義務化

医科歯科連携セミナー
 口を開けてもらえない、服薬管理が難しい、義歯をなくして
  などなど対応にお困りではありませんか

日時 2018年2月18日【日】午前9:30 ~ 12:30
  ◇ 進行次第(予定) ◇
  9:30- 9:35 開会挨拶
  9:35-10:15 医科講座
  10:15-10:25 休憩
  10:25-12:15 歯科講座
  12:15-12:30 質疑応答
場所 ホテル金沢4 階エメラルド(金沢市堀川新町1-1)
対象 会員、会員医療機関のスタッフ(定員50 人)
参加費 無料
申し込み FAXまたはメールにて 詳細はチラシ認知症と歯科疾患
     締め切り2018年2月13日(火)
主催  石川県保険医協会
     〒9 2 0 – 0 9 0 2 金沢市尾張町2 – 8 – 2 3 太陽生命金沢ビル8階
     TEL 0 7 6 – 2 2 2 – 5 3 7 3   FAX(076-231-5156)
     Eメール:ishikawa-hok@doc-net.or.jp

◇ ご案内◇
 この度、石川県保険医協会歯科部では医科歯科連携企画として、「認知症と歯科疾患」をとりあげることとなりました。2025年には認知症の人が700万人になると予測される中で、もう一度、認知症についての理解と歯科が果たす役割を確認しようとする企画です。
セミナー前半は、約40分、城北クリニック院長の大川義弘先生(神経内科)から、「認知症キホンのキ」と題して医科の立場からお話ししていただきます。そして後半は、実際に認知症のある人への歯科治療を実践しておられる、森元主税先生(森元歯科院長・東京歯科保険医協会理事)をお招きして、認知症の人への歯科的なアプローチの仕方や困難さについてお話していただきます。多数の参加をお待ちしています。
 認知症 専門医が教える最新事情
kojima-dental-office.net/blog/20180102-8482#more-8482

   第1回 医科歯科連携セミナー
大雪のため中止
日時  2018年1月13日【土】午後6:30~ 8:45
場所  近江町交流プラザ4階研修室
      (金沢市青草町88 近江町いちば館内)
講師  大川義弘氏(城北クリニック院長内科)
         石川県保険医協会副会長
対象  会員、会員医療機関のスタッフ(定員40 人)
参加費 無料
申し込み FAXまたはメールにて 詳細は認知症と歯科疾患 第1回チラシ
     締め切り2018 年1 月9日(火)
主催  石川県保険医協会
     〒9 2 0 – 0 9 0 2 金沢市尾張町2 – 8 – 2 3 太陽生命金沢ビル8階
     TEL 0 7 6 – 2 2 2 – 5 3 7 3   FAX(076-231-5156)
     Eメール:ishikawa-hok@doc-net.or.jp

◇ ご案内◇
 この度、石川県保険医協会歯科部企画として、「認知症と歯科疾患」をとりあげることとなりました。2025年には認知症の人が700万人になると予測される中で、もう一度、認知症についての理解と歯科が果たす役割を確認しようとする企画です。
第一回目は、(1)認知症キホンのキ,(2)認知症の最新医学,(3)認知症の最新ケア, (4)認知症発症と歯科疾患,(5)歯科疾患介入で認知症発症は予防できるか、又は遅らせることができるか,(6)認知症の人への歯科疾患介入で、認知症の進行は防げるかについて,神経内科で城北クリニック院長の大川がお話します。
 第二回目は、実際に認知症のある人への歯科治療を実践しておられる、森元主税先生(東京歯科保険医協会理事・森元歯科院長)をお招きして、認知症の人への歯科的なアプローチの仕方や困難さについてお話していただきます。多数の参加をお待ちしています。(大川義弘)

第2回の予定
日時  2 0 1 8 年2 月18 日【日】午前9 :30~ 1 2 :0 0
場所  ホテル金沢4 階エメラルド
講師  森元主税氏(森元歯科院長、東京歯科保険医協会理事、保団連副会長)
仮テーマ  認知症の人への歯科疾患治療でQOLがあがるか?
      認知症の人への歯科診療時の困難さと対応、
      すすんだ認知症の人への義歯作製に対する考え、
      認知症の人の摂食嚥下障害の特徴、
      認知症の人の摂食嚥下障害に対する歯科医師の役割など

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