小島歯科医院 名誉院長ブログ

坪田式ファイバーポスト講座

2017年08月19日(土)


講 師  坪田有史氏(坪田デンタルクリニック院長、東京歯科保険医協会 会長)
と き  2017年8月19日(土)午後6時~7時半
ところ  ホテル金沢 2階 ダイヤモンド
対 象  歯科会員、会員医療機関のスタッフ(定員50人)
参加費  無料
申 込  チラシファイバーポスト講演会
主催 石川県保険医協会
参考に
 破折しにくい支台築造の考え方
kojima-dental-office.net/20140927-2668#more-2668
 CAD/CAMハイブリッドレジンクラウンの保険導入について
kojima-dental-office.net/20140412-2661#more-2661

メモ
1.歯科接着と剤料理開発と進歩
  ①レジン支台築造に対する信頼性が1993年頃に失墜したが、復活してきた
    ・1990年代以降、象牙質接着の信頼性が高くなる
    ・象牙質のエッチングは3秒まで(長いと脱灰しすぎる)
  ②メタルフリーの臨床が可能になる
    ・上部構造より支台築造との生体(象牙質)接着が重要
    ・ジルコニアは金属酸化物(Zr O2 )
  ③確実な接着操作 全てをちゃんとやる
    ・サンドプラスターとスチーマー
    ・マイポストブラシ(サンデンタル)と25.8μmとアルミナ

2.Post and Core
  ①ファイバーポストはコア用コンポジットレジン自体の補強
    ・保持力のためではない(キツキツではダメ)
       歯質とレジンが接着する(ファイバーと歯質は接着しない)
  ②髄腔保持型支台築造
    ・できるだけポストを設置しない、歯質を残す
      歯根破折やコロナルリーケージのリスクが減る
      再根管治療が容易になる
      検知液で感染層だけをしっかり除去
    ・保険ルールでは3壁の歯質があり複合レジンのみで支台築造を算定できる
         スクリューポストを使用しなくても
    ・残存歯質量による支台築造のガイドライン(単独冠とBr・PD)
         単独冠では保険ルールと少し違う
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 接着と合着を再考する―支台築造を中心に―  坪田有史
www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/4/4/4_4.364/_pdf
 支台築造とファイバーポストコアの現状  坪田有史
www.jstage.jst.go.jp/article/ajps/9/2/9_94/_pdf

3.歯根破折の原因を考える
 ①加圧要素の対策
    ・ブラキシズムに予め対応
    ・破折の既往に注意
 ②受圧要素の対策
    ・フェルール(1.5~2.0mm)効果
 ③ファイバーポストでは歯根破折がほとんどない
    象牙質の弾性係数と近似(金属は硬い)
 ④脱離と脱落

4.ファイバーポストコアにおけるリスク因子
   ・適応症の選択
   ・築造窩洞形成
   ・残存歯質量
   ・ファイバーポストの物性
        ・コア用コンポジットレジンの物性
        ・象牙質とコンポジットレジン・レジンセメントとの接着
        ・ファイバーポストとコンポジットレジンとの接着
        ・上部構造と支台歯との接着
        ・上部構造の咬合状態
        ・支台歯環境(ブラキシズムなど)

 医療技術評価提案書
osk-net.org/new/dl/20140115gijyutu2.pdf#search=%27%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%8A%80%E8%A1%93%E8%A9%95%E4%BE%A1%E6%8F%90%E6%A1%88%E6%9B%B8+%E6%AD%AF%E7%A7%91%27
www.kokuho.or.jp/whlw/lib/20150304-1.pdf#search=%27%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%8A%80%E8%A1%93%E8%A9%95%E4%BE%A1%E6%8F%90%E6%A1%88%E6%9B%B8+%E6%AD%AF%E7%A7%91%27

参加報告記事 平田

◆講演抄録◆
 レジン支台築造は、象牙質への接着の信頼性が向上して、その選択頻度が高くなった。さらにファイバーポスト併用レジン支台築造は、歯根破折への対策、および審美性の向上やメタルフリーを目的として臨床応用される。
 2016 年1 月から「ジーシーファイバーポスト」が公的保険に収載され、それまで自費治療でのみ使用されていたファイバーポストが保険治療として国民に広く使用することが可能となった。その後、複数の製品が特定保険医療材料として認可され、選択肢が増えた。それらの製品から適切なファイバーポストを選択し、複数ある接着界面を理解して使用することにより、ファイバーポストの有効性を活用したい。
 今回、保険治療におけるレジン支台築造の現在の考え方と保険治療におけるレジン支台築造とファイバーポストについて解説し、臨床例を交えて臨床上のテクニックについて紹介する。

講師のご紹介*
1989 年03月 鶴見大学歯学部卒業
1994 年03月 鶴見大学歯学研究科 修了 博士(歯学)
1994 年04月 鶴見大学歯学部歯科補綴学第2講座 助手
2001 年04月 日本補綴歯科学会 専門医
2001 年10月 日本接着歯学会 接着歯科治療認定医
2003 年08月 日本歯科理工学会Dental Materials Senior Adviser
2012 年01月 坪田デンタルクリニック(東京都文京区)院長
2012 年04月 鶴見大学歯学部 臨床教授
2013 年04月 鶴見大学歯学部非常勤講師(歯科理工学講座)
2015 年06月 東京歯科保険医協会副会長
2015 年07月 公益社団法人東京都歯科医師会学術常任委員会委員
2016 年04月 一般社団法人日本接着歯学会理事
2017 年06月 東京歯科保険医協会会長

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