小島歯科医院 名誉院長ブログ

よろず勉強会in能登

2011年07月17日(日)


よろず勉強会in能登2

と き  2011年7月17日(日)午前10時~午後12時30分まで
ところ  七尾勤労者総合福祉センター(ワークパル七尾)
講演1 演題  日常診療における幼児・学童期の見方、
        小児科診療について
    講師  金沢医療センター小児科部長
        太田和秀氏
講演2 演題 歯周病に対する当院の考え方(医科歯科連携の視点で)
    講師 石川県保険医協会理事
       小島歯科医院 院長 小島 登
対 象  保険医協会会員    よろず勉強会in能登
主 催 石川県保険医協会 学術保険部・歯科部
申込み  電話 076-222-5373
     FAX 076-231-5156

 暑い暑い連休の日曜日にもかかわらず、20名弱の参加があった。はじめに太田先生の講演があった。患児が最善の医療を受けられるように、親心を理解して保護者の話をよく聞く診療姿勢に学ぶところが大きかった。また、『核家族化の影響か入院を嫌がることが多くなった』がなぜか心に残った。講演後、参加していた先生方からの体験した様々な疑問点に対しての質疑が続いた。
 5分ほどの休憩を挟んで、歯周病に対する当院の考え方についてお話しした。アダラート(ニフェジピン)による歯肉増殖患者さんへの対応について質問には、プラークコントロールが良好であれば歯肉増殖は抑えられることと、他のCa拮抗薬変更も一つの選択肢と答えた。そして、喫煙と歯周炎との関係については、肉眼的に炎症所見は隠れてしまうが、病態自体は非常に進行することと、禁煙すると一時的に歯肉が腫れやすくなる事を解説した。また、最近の子どもたちの唇の形を通して、食育プロジェクトの活動も報告した。

 歯周病に対する当院の考え方
kojima-dental-office.net/20100916-688#more-688
 歯肉肥厚とカルシウム拮抗薬
rockymuku.sakura.ne.jp/syoukjou%20bunnruifunou/sinikuhikoutokarusiumukikkouyaku.pdf#search='アダラートによる歯肉腫脹
 ポカン口が増えています
kojima-dental-office.net/20081120-232

 よろず勉強会in能登3 よろず勉強会in能登 よろず勉強会in能登1

太田先生の講演メモ
1.診察のポイント
  ・機嫌が良いか、悪いか
  ・来院前の様子を保護者から聴きだしてゆく
  ・泣き方、抱っこでの反応、あやした時の反応
2.フォーカス不明の発熱
  ・敗血症
  ・細菌性髄膜炎  37度台でも起きる
  ・肺炎
  ・尿路感染症   膀胱尿管逆流現象をレノシンチで調べる
     早期発見による処置にて腎不全による透析を防げる
  ・中耳炎 重症度スコアリングを目安に処置をしていく
3.扁桃腺炎の鑑別
  ・溶連菌、アデノウイルス、EBウイルス
  ・迅速診断キットと咽頭培養  菌量(感度以下)と死菌の問題
  ・EBウイルスはリンパ球数の増加
  ・臭いや付き方の形では困難
4.熱性痙攣
  ・気道確保、SpO2モニター、酸素 →静脈路
5.その他
  ・冷えピタシートによる窒息  自分で剥がせない小さな子供に使用禁
  ・腸重積  突然泣き出す、血便
  ・シェーンライン・ヘノッホ紫斑病による腹痛  凝固第XIII因子の活性低下
  ・起立性タンパク尿  前湾負荷試験
  ・運動後急性腎不全  diffusion-weighted MRIの独特な画像  

報告記事
第十九回よろず勉強会in能登     理事 小川滋彦(金沢市・内科)
 七月十七日(日)七尾勤労者総合福祉センターにおいて、「よろず勉強会」の第十九回が七尾市・羽咋郡市・能登北部の各医師会との共催企画として開催され、出席しにくい連休中にもかかわらず、十六名のご参加をいただきました。まず、七尾市医師会長の三林裕先生のごあいさつに続き、前半は「幼児・学童期の見方」と題して太田和秀先生(金沢医療センター小児科部長)から、発熱、尿路感染症、扁桃腺炎、腹痛など日常診療で見過ごせないポイントを最新の知見を織り交ぜてご講義いただきました。スライドのレジュメもご用意いただいたので、フロアからの質問も多岐に亘る内容で盛り上がりました。後半は、小島登理事から「歯周病」に関するテーマで、医科へのレクチャーのみならず、医科歯科連携という視点で全身疾患との関わりをご講義いただいたので、質疑応答では医科の先生方から熱心な質問が投げかけられましたし、歯科の先生方も五名ご参加いただいたことを申し添えます。かねてよりご要望のあった能登地区での開催が、まずは一歩を踏み出せたことは、たいへん意義深いことであり、ご協力いただいた各医師会の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

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